第257話
ーsideソフィアー
(新藤 映司がファンタジーアップデート後、初めて神を復活させました。報酬としてソフィア・パターソンが種族進化します)
「は?」
今日は陰陽師の本拠地に行くって言ってたはずだけど。神の復活?いったい何がどうなったら、そんな事することになるのよ?
「ソフィアちゃんどうしたの?」
今日は映司が作ったものやダンジョンで手に入れたものを販売する会社を設立する為に義母様、クラリス、私の3人で外に出ている。
映司に直接話を聞きに行くことも出来ないし、必要書類の発行待ちをしているから電話を掛けるなら、一度建物から出ないといけない。
下手に孤立すると襲われる可能性も有るし…
返り討ちにしちゃえば良いけど。それはそれで帰るのが遅くなってしまう。
それより突然困惑した声を上げた事で心配をかけてしまった義母様に事情を説明しないと。
「映司が神を復活させた報酬として私が種族進化するって、頭の中に直接声が聞こえて来て……」
「それは、は?って声も出ちゃうわね。何やっているのかしら?あの子は…」
ここにいる私を含めた3人は神の存在を疑っている訳では無い。
リーリンだって神だし。
だからって復活させたとなると。
何やってんの?となってしまっても仕方ないだろう。
(ソフィア・パターソンの種族進化が完了しました。〈エルフ→アイスエルフ〉)
種族進化終わってなかったのね……
試しにステータスを確認してみると確かに種族がアイスエルフに変化していた。
さっきの声は念話を使える存在のイタズラでは無いみたい。
BPは3,500になっている。
今は魔力体だから実際のBPは倍の7,000。
やっぱり種族進化すると飛躍的に強くなるみたい。
と言っても映司ほど一気に強くなった訳じゃ無い。
映司はドラゴニアンだし比べるのが間違いなんだろうけど。
それでも、映司から貰った杖を装備すればBPが10,000超えるようになった。
映司と比べたらアレだけど、そこそこ強くなったんじゃない?
全員、映司に詳しい話を聞かないとと思っているので出来るだけ早く用事を済ませて帰路に着く。
「付けられてますね……どうしますか?」
クラリスがバックミラーを見ながら付けられていると報告してくる。
「こっちから先に仕掛ける訳には行かないでしょ?先ずは人が少ないところに誘き寄せて様子見でいいでしょ」
こっちが先に攻撃してしまうと後処理が色々面倒になってしまう。
それにここで戦闘を始めると、周囲の人を巻き込んでしまう。
付けてきている連中に、こっちが気づいていることを気づかれないように慎重に人の少ないところに誘い込む。
人が少ないところに差し掛かった瞬間車の窓から身を乗り出して車に向かってマシンガンを連射してきた。
「日本なのに当然のようにマシンガンが出てくるとか。ほんと物騒な世の中……ウィーやっちゃって」
マシンガンから乱射される弾丸は事前に展開してある魔力障壁に阻まれて私たちの乗っている車を傷つける事は出来ていない。
この車は前方と後方両方にドライブレコーダーがつけてあるので、あっちから攻撃してきた証拠もバッチリ撮れてるはず。
そうなれば、態々犯罪者の攻撃が終わるまでこちらが待っている理由もないのでウィーにお願いして車ごと氷づけにしてもらう。
タイヤが接している道路部分ごと凍らせているので、氷づけになった車が慣性で吹っ飛んで行くことはない。
「それにしても不思議よね。こんなになっても中の人は死んで無いんだから」
普通、氷づけになったら死ぬと思うんだけど、ウィーが氷づけにした場合。
氷を溶かせば普通に息を吹き返すのよね。
精霊だからって事なのかも知れないけど。
ほんと不思議。
まぁ、こう言った時に便利だから寧ろ有難くはある。
流石に警察に通報せずにこの場から立ち去る事は出来ないので、警察に通報する。
ドライブレコーダーの映像も有るし。
襲撃者の車からマシンガン以外の銃火器もジャラジャラ出てきたので、私たちが疑われる事は無かったけど。
結局、現場検証やら事情聴取やらでかなり時間を取られてしまった。
SCSFなら知り合いもいるし、もう少し早く解放してくれただろうけど。
今回の襲撃者はスキルを使って無かったから、管轄が警察なのよね……
「もうすっかり夜になってしまいました。映司様も心配しておられるでしょうし。早く帰りましょう」
襲撃にあったから後処理で帰りが遅くなるのは既に電話で連絡して有るから大丈夫じゃない?
それより、電話越しでも分かるほど疲れていた映司のことが心配。
冷静に考えたら神の復活なんて凄い力を消耗するだろうし。
何か義母様とクラリスが呆れた表情をしているけど、なんでかしら?
近くに転移に使える様な池は無いみたいだし。そのまま車で帰るしか無いけど。家とは逆方向に来ちゃったから、家に着くまでまだ時間がかかってしまう。
その後は車の中で『気が散るんで、もうちょっと大人しく座っていてください』とクラリスに家に到着するまで何度も注意を受けることになった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます