第217話

「映司くんの強さを秘匿すること無く敢えて見せることで日本にちょっかいをだしたら、これだけの戦力を相手にする事になるぞと牽制に使いたい訳か……映司くんは良いのかい?色々と力を見せる事になるわけだから対策されたりとか……」


「そんな事出来る人がいるなら逆に会ってみたいレベルです。さっきの動画だって実力の1%出してるかどうかってレベルですよ?」


地球の定めた理を逸脱する事が出来る超越種もしくは神を除き俺と対策が出来る存在なんてそんなにゴロゴロいるわけないし。

そう言う存在がゼロだとも思ってないけど。


だからこそ動画で絶炎や理外は使っていない。

理外に関してはワープホールを作って転移するのを自重していないので転移系の魔導具だと勘違いされてそうだけど。


そうやって勘違いしてくれた方が都合が良い。


「そう言う問題じゃなくて、核兵器のような扱いされて嫌じゃ無いのかって話しよ」


そう言うこと……ぶっちゃけこれだけの力を持ってしまった時点で、そう言う扱いからは逃げられないと思っているし。

俺を恐れて争いが少しでも減るなら、それだけ俺がやらなきゃ行けない事が減るからな。


それに今更化け物、兵器扱いされたところで何も思わない。


「いやいや、核兵器なんてちゃっちいもんと一緒にされるのは気に入らない。俺は核兵器よりやべぇ存在だよ?」


「またそう言う事を言って……」


「話は分かった。映司君と関わりが出来たE国にもメリットのある話だし。直ぐに投稿してくれて構わないってなると思うよ。映司くんは転移能力を隠していないから、E国でなにか起きたら一瞬で救援に来てくれると証明されてるし」


日本だけでなくE国にちょっかいをかけないように牽制する効果が見込めるって考えた訳か。


「それならそれで、パンチが弱いんじゃない?あの程度の動画じゃ」


「パンチが弱い?」


「あれじゃ強いのはわかるけど。やりようによっては勝てるんじゃない?と思わせてしまうと思う」


なるほど。抑止力として力を知らしめるための動画ならもっと分かり易く圧倒的な火力を見せる必要がある訳か。


「そうは言ってもそこまでの火力を出したら後処理が大変だし」


「ダンジョンでやれば良いじゃない。お兄様誰も人が入る予定がないダンジョンってないの?」


「今は軍や警察のレベル上げを急いでいるからね。人が入っていないダンジョンはそれなりの理由があるダンジョンになってしまうけど……」


俺に地図の作成を依頼されたダンジョンも訳ありダンジョンだったってこと?



「滅茶苦茶にするなら、そう言ったダンジョンの方がむしろありがたいです」


その方がやりたい放題しても文句言われずに済むし。


「そう言う事なら、そのように話を進めておくよ」


「それじゃ俺はそろそろ失礼しますね。これ以上、公務の邪魔をするのは悪いですし」


「なら私も」


エリックさんの執務室を出てソフィアとも別れて交差点ダンジョンに移動した。


ーーー



「ただの地龍なのにBP1,000,000か。前に戦った時は50,000だったはずだけど、リソースを消費すればこのレベルで強化する事も出来るのか」


ただの地龍ではBPを上昇させるようなスキル無しでBPを1,000,000超えることは無いはずだけど。ダンジョンの手にかかればそんな事も可能な訳か。


と言っても無理やりBPを上昇させるより元々それだけの強さがある魔物を召喚する方がリソースは少なく済む気がするんだけど。


「理外を使えば一撃だけど……本気を試して見るいい機会」


圧縮を使って人間サイズの龍の姿になり憤怒の王のBP上昇効果を発動させる。


圧縮で1.5倍、憤怒の王で30倍。合計で45倍


そのおかげで俺のBPは4,500,000だ。

本気を試すいい機会とは行ったけど、3倍の差と言えば大したことなさそうだけど3,500,000の差と言うと凄い差だよな……


このまま戦闘したら結局一撃かもな。


まぁ、その時はその時だ。

どれだけ動けるのか確認する機会と思えば良いや。


「あっ」


炎を使って戦っても良いけど。身体能力の確認をしたいので、本気で地面を蹴って一気に距離を詰めようと思ったんだけど。

想像以上に勢いがついてしまって地龍にそのまま体当たりする形になってしまった。

体当たりされた地龍は文字通り木っ端微塵になってしまった。


やっぱり慣らしが必要か。リーリンさんに付き合ってもらおう。


そんな事より今回は種族進化した事によって素材としてランクの上がった牙を大量に捧げたから、今までで一番のリソースを捧げているはず。

敵も強くなっているしね。

その分、宝箱の中身も豪華になっているはず。


上機嫌で宝箱開けると中にはマジックBOXが入っていた。


持ち運び不可の代わりに収納した物の時間を停止させる機能が標準装備で容量もかなり多い事が殆どと言う魔導具だ。

既に持ってはいるけどまだ1個しか持っていないレアな魔導具だ。

お目当てのアイテムでは無いけど、幸先は良いんじゃないかな?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る