第218話

「やっぱり都合よく体のさいサイズを自由に変更出来るスキルのスキルの書は手に入らないよね」


そもそも体のサイズを自由に変更出来るスキルって普通の人間からしたら必要ないスキルだし、ダンジョンの優したで手に入りにくくなってたり?


空気中の魔力を自動で吸収して魔石を作り出す魔導具とか、それ以上にレアそうな物は手に入っているんだけどな。


ちなみにこれは魔石を燃料として動くタイプじゃなくて、空気中の魔力を燃料にして動くタイプだ。

メンテナンス要らずで魔石を作り出し続けてくれる。


俺がこの闘技場でアイテム集めをすると魔石を燃料に動く家電が手に入る事が多いので、この魔導具が手に入ったのはありがたい。


そんなに燃費が悪いものではないし。俺が魔物を倒して手に入れた魔石だけでも十分足りてはいるけど。

この魔導具があるかないかで安心感が違う。


だけども、今回狙っているものは手に入って無いので引き続き闘技場でアイテム集めだ。


ーーー


「〈デフォルメ〉ね。想像していたものとは少し違うけど。サイズを自由に変更できるスキルには違いないし。目標達成だな」


アレから20回程繰り返し、ようやくお目当ての効果を持ったスキルの書をゲットする事が出来た。


〈デフォルメ〉は魔物専用のスキルのようで、このスキルの書は魔物しか使用出来ない特別製のようだ。


効果としては、このスキルを使うとサイズが小さくなり、デフォルメ人形のような姿になるらしい。


どれぐらい小さくなるかはスキルを発動させた時にある程度決めることが出来るようだ。


小さくなったからとBPが減少することはない。

そしてデフォルメ人形状態だと周囲からの好感度が上がり易いらしい。


可愛いは正義ってことか?


テレビ局との約束の時間まで後2時間だったし、無理かなって思ってたけど手に入って良かった。


本気の状態で何度も戦闘をしたので地龍の時みたいに上昇した身体能力に振り回される事も最低限無くなった。まだまだ練習は必要だけど。


「と言う訳で無事目的のアイテムを手に入れて帰って来ました」


「それは良いけど。急いで準備しないとテレビ局の人たち来ちゃうわよ?」


「俺はメイクとかする訳じゃないし時間はかからないよ」


最低限シャワーを浴びたりする必要はあると思うけど。


「最低限髪のセットぐらいは必要でしょ」


「そう?別に必要ないでしょ」


別にイケメンと思われたい訳でもないし。


そう言ってシャワーを浴びて、部屋に戻って時間になるまでゆっくりしていようと思ってたら、髪の毛をセットするために使うものを色々持ったクラリスさんや名前の知らないメイドさんたちが部屋に入ってきて、結局髪の毛をセットする事になった。


ーーー


「本日はお時間を頂きありがとうございます。私は本日、新藤さんに質問をさせていただくキャスターのティナ・ローレルです」


「新藤映司です。よろしくお願いします」


「それでは撮影前にこちらから質問させていただく内容とそれに対する新藤さんの回答の事前のすり合わせをさせていただきたいと思います」


ローレルさんから渡された台本を見ながら用意された質問に回答していく。

この質問はNGと言うものはこの時点でNGを出せば本番には使われない。

それにしても中々際どい質問も用意してあるね。


俺が答えてくれるとは思ってないんだろうけど。

運良く答えてくれないかな的な感じで一応用意したんだろうな。


しかも、答えるつもりは無いけど、その質問を見ただけでふざけんなってキレる程では無いと言う中々絶妙なバランス。

やっぱりプロって凄いな。


ーーー


「ありがとうございました。ではリハーサルを通しで問題が無ければ、本番をと言う流れで行きたいと思います」


宮殿の一室に急遽用意されたセットに移動してリハーサルを開始する。


セリフを噛まないように注意する以外特に気にする事も無かったので、問題なくリハーサルを終えて30分の休憩を挟んで本番を撮影した。

生放送でもないし。失敗してもやり直せば良いだけなので気楽にやる事が出来た。


今撮ったのはキャスターの人が俺に質問してそれを答えると言うシンプルなものだったしね。


と言っても撮影はこれで終わりと言うわけではなく。次は中庭に移動して龍の姿になった俺が飛んだりしている姿を撮影する事になってる。


早速中庭に移動して龍の姿に変身する。


まじかで龍を初めて見るテレビ局の人たちは龍の姿に圧倒されて撮影出来る状態じゃないので、落ち着くまでゆっくり待つことにする。


「そういえばさソフィア。テレビに正式に俺とソフィアは婚約者同士って言っちゃって良いの?俺は凄く嬉しいけど」


「問題ないわ。お父様とお母様の許可も出たからむしろ積極的に流して行かないと」


別に積極的にアピールする必要は無いと思うけど……


テレビ局の人たちが撮影出来る状態になるまでソフィアとイチャイチャ雑談をしながら時間を潰す。


するとイチャイチャしている状況の映像も撮りたいと言われて俺が答える前にソフィアが快諾。


結果予定より撮影時間が延びてしまったけど。特に想定外の事が起こったりせず無事に撮影が終わったので、とりあえずよかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。

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