第219話
テレビ局の撮影が全て終わり部屋に戻ってきた。
今は闘技場で手に入れた魔石で動くマッサージチェアで癒されている。
体がポカポカして少し眠くなってきた。
「無理も言われなかったし、割と楽に終わったな」
「流石に今回の撮影で無茶しようとするテレビ局はいないと思うわよ。そんな事したら冗談抜きでそのテレビ局潰れかねないし」
そんな事しようなら大炎上待ったナシだし、
王室所有の宮殿内じゃ隠蔽なんて出来ないもんな。
「そう言えば、好き勝手やっていいダンジョンについてお兄様から情報もらって来たわよ」
それもあったな。ソフィアからダンジョンの情報が書かれた紙を受け取る。
「ダンジョン内にいるだけで状態異常を付与されるアンデッド系のみが出現するダンジョンか……これまた面倒くさそうなダンジョンだね」
現経験値ダンジョンの改装前よりタチの悪そうなアンデッドダンジョンだ。
「今の所、特に使い道のあるものも手に入らないし。余っ程利益になるようなものは手に入らない限りアンデッドがメインで出現するダンジョンなんて人は寄り付かないだろうし。何ならダンジョンを破壊してくれても構わないってお兄様は言ってたわよ」
「最奥まで行くのが面倒臭いし。ダンジョンマスターを従魔に担当させる事が出来ればダンジョンを改装して出現する魔物だって変更出来るんだから破壊したら勿体ないでしょ」
それに、破壊して欲しいってなら正式な依頼として依頼をして貰わないと。
「映司がそこまでする利点が無いものね。ところで、このダンジョンにはいつ行く?」
「明日かな」
明日しか何も予定がない日がないとも言う。
明後日はドロテアのお店にソフィアのローブを取りに行かなきゃ行けないし。それ以降も例の勲章授与式のあれこれで一日中予定がない日は存在しない。
E国での滞在日数を増やさずに一日予定がない日となると明日しか残っていない。
「映司なら今から行くって言うと思った」
「このマッサージチェアに座る前だったら、そう言ってたと思う」
このマッサージチェアの効果で全身の疲れがとれて凄い眠くなってきた。
正直、今にもまぶたを閉じてこのまま寝てしまいたいぐらい眠い。
「ウトウトしているところ悪いけど。最低限ワックスを落としからじゃ無いと寝ちゃダメよ」
あ〜そっかテレビ撮影の為に髪の毛をセットしたから髪の毛にワックスを使ってるんだった。
「ウィー。ワックスを綺麗に流しとって」
もう立ち上がってシャワーを浴びに行くのも面倒なので、水の精霊であるウィーに綺麗にしてくれるよう頼む。
にゃっと返事が聞こえて来たと思ったら髪の毛の部分だけ水に包まれた。
水が勝手に動きワシャワシャと髪の毛が洗われる。
「水を蒸発させろ?そのぐらい一瞬だから良いけど……」
重力に逆らって俺の頭に張り付くような感じで髪の毛を包み込んでいた水が俺の頭から離れて1箇所に集まり水球になる。
その水を処分する為に蒸発させろと言うことのようだ。
憤怒の王を使って水球の温度を上昇させて蒸発させる。
「ありがとうウィーこれでシャワーを浴びに行く必要が無くなった」
髪の毛を触ってみると石鹸使ってないのにワックスが一切残ってない。
これ髪の毛だけじゃなくて身体中ウィーに洗って貰えば、シャンプーとかボディーソープを使って自分で洗うより綺麗になるんじゃないの?
と言うかウィーに頼まなくても、ワックスだけ燃やせばそれで解決だったな。
まぁ、炎より水で綺麗にした方が綺麗になった気がするし、綺麗になったんだからOK。
ウィーが綺麗にして上げた分魔力をちょうだいと膝の上に乗ってきたので目を閉じて撫でながら魔力を上げる。
ソフィアが何か言っている気がするけど。眠気に勝てずそのまま眠りについた。
ーーー
「うーん。ベットに移動してる」
マッサージチェアで寝ちゃった記憶があるんだけど、あの後ソフィアが移動してくれたのかな?
上半身を起こしてマッサージチェアの方を見るとソフィアが座って寝ていた。
「ミイラ取りがミイラになった?」
俺をベットに移動させた後、そんなに気持ちいいのかな?と気になった使用してみたら、俺と同じように眠くなって寝てしまったってところだろうか。
背もたれが倒せるタイプだし、マッサージチェアで寝たからって体がバキバキになることは無いだろうけど、ブランケットすらかけてないから風邪を引いちゃうかもしれない。
「ソフィア〜起きて〜」
声をかけながら優しく体を揺らす。
「ん〜。映司、おは━━━━━」
挨拶の途中で自分が何処で寝ていたか思い出して顔を真っ赤にして固まる。
「まぁ、そのマッサージチェアの効果がスゴすぎるってことで」
俺もマッサージチェアにマッサージされながら寝ちゃったし。
「えぇ 、そうね。このマッサージチェアのマッサージが気持ち良すぎるのが悪いわ」
マッサージチェアの話はこれで終わりにして、朝食を食べながらダンジョンでどんな感じに行動するつもりか話し合い。
ソフィアと2人でダンジョンに向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます