第369話
「ふぅ」
胸に突き刺さったままの理外を引き抜いて、傷を治して地面に仰向けになって倒れ込む。
いやーほんとにどうにかなって良かった。
それにしても種族進化したって世界の声が聞こえて来ないな。
もしかして種族進化に失敗した?
力は凄い増しているから失敗してないと思うんだけど……
ステータスを表示すれば分かるかなと確認してみると。
種族の欄が文字化けして読めなくなっている。
ちょっとやらかしたかも知れない。
ただ、人間の状態でもBP300,000になっているし。〈精神支配〉と言う新しい スキルが増えていたから。種族進化していない訳じゃ無いみたい。
ステータスが確認できるのは地球が作ったシステムだから。異世界にいる状態だと上手く最新情報を反映出来ないのかな?
それにしては、上手く表示されて無いのは種族名のところだけなんだよね。
なんで〈精神支配〉のスキルを入手したのかのかも訳わかんないし。
うーん。まぁ、考えても答えは分からないか。
地面に仰向けになっている状態から立ち上がり少し体を動かしたり。炎を作り出したりして無茶な種族進化したことで、不具合がでていないか確認してみる。
因みにソフィアが直ぐに近寄ってきてないのは、俺を囲むように障壁を作り出して近づいて来れないようにしているからだ。
障壁がさっきからガンガンと物凄い音を立てているけど。
種族進化して何か不具合が起きてないか確認してからじゃないと不安だからね。
とか思っていると。障壁からピキピキとヒビが入るような音が聞こえてくる。
「ウッソだろオイ。流石のソフィアだって障壁に傷つけるのは無理なハズだろ……」
冷静に障壁を確認してみると、障壁から魔力がどんどん吸われて強度が落ちている。
「嫉妬の使い方上手くなりすぎでしょ」
「映司のためならどんなスキルだって使いこなすわよ」
魔力を完全に吸収されてしまった障壁は自壊して消滅した。
「それは嬉しいけど。念の為で障壁を張ったんだから。壊されちゃ困る」
「そうは言っても倒れたと思ったらこちらに一声もかけずに障壁を張って隔離するし。心配するの当然でしょ」
「うん……それは確かに。これに関しては謝る」
特に体に不調を感じたりしないしもう一回離れてと言える雰囲気では無いので。
今日はもう。ディメンションルームの中に入って休むことにした。
創造神はどうしようか悩んだけど。流石に放置は可哀想なので、ディメンションルームに入れて上げることにした。
「あっそっか。ちょっと混沌大陸に行って聖炎ブッパなさないと」
すっかり忘れてたけど。混沌大陸に行ってちょっとひと仕事しないと。
転移で一瞬だし。ちゃちゃっと行って済ませて来よう。
さっき試せなかった本気を試す事も出来るし。
「時間にしたら浄化するのを止めて一時間も経っていないはずなんだけど。もう、コレだけの穢れが充満しているのか」
混沌大陸に転移すると混沌大陸は穢れで大陸が見えないぐらい穢れで溢れていた。
「さてと。本気を出したらどこまでできるようになったか。試させて貰おうか」
龍の姿になって憤怒の王や圧縮を全力で発動させる。
「進化前は無理だったけど。今なら」
理外を構えて絶炎を纏わせる。
大陸目掛けて理外を一閃。
絶炎で出来た斬撃が大陸に向かって飛んでいき、斬撃は大陸の地中深くまで斬り進み地面から大きな火柱を上げた。
火山から噴火したマグマのように大陸中に絶炎が広がっていく。
今回は、聖炎じゃなくて絶炎を使って、尚且つ地表だけじゃなくて地中も同時に浄化していく。
「聖炎で浄化した時と違って。直ぐに穢れが滲み出てくることがないな。今回の方が効いてるみたいだな」
進化前より爆発的に魔力が増えたとはいえ。
流石に混沌大陸中を覆う量の絶炎を維持するのは無理だったから。
聖炎の時と違って地面で炎が燃え続けている訳じゃ無いけど。
穢れが滲み出てくるのが止まった。
大元を排除できた訳では無さそうだと俺の直感が言っているので。
少し経ったらまた地表に穢れが滲み出てくるかも知れないけど。
聖炎より効果は出ているかな。
結構地下深くまで、絶炎の効果で穢れを浄化したはずだし。
何か防衛機構が働いて襲いかかって来るかなとかちょっと身構えてたんだけど。特に襲って来なかったな。
念の為、聖炎も作ってこの後再度穢れが滲み出てきた時の為に維持しといた方が良いかな?
いや、今回はこれ以上何もせず帰ろう。
さっきの絶炎でどれぐらいの間穢れが滲み出てこなくなるのか把握しておきたいし。
創造神に頼めば監視しといてくれるだろう。
明日はあの街に戻って神鉄が使われている武器探しか。
アッサリ見つかると良いな〜。
見つかったとしても譲って貰えるよう交渉しなきゃいけない訳でしょ?
どこまで正直に話して良いのか分からないし。
ちょっと面倒臭いかもだよな……。
どこまで事情を話して良いのか創造神と話を擦り合わせて置いた方が良さそうだ。
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