第370話

(創造神さん?これホントに俺ら以外には創造神さんの姿は見えて無いんですよね?)


(問題ありません。私の姿は皆さん以外には一切見えていないです)


予定通り。神鉄が使われている武器探しの為にテラールの街に帰って来たのは良いけど。

俺の横にはバスケットボールサイズの光球に羽の生えた姿をした創造神がフヨフヨ浮いている訳で、見えるこちらとしてはヒヤヒヤする。


俺の目で見ても魔法とかスキルとか一切使っているように感じないから余計に気になってしまう。


俺とソフィアが目立つからだと思うけど。

多くの視線を感じる。

もしかして、俺とソフィアじゃなくて創造神を見てたりしないよね?


もう街の中に入っちゃっている以上、今更心配しても遅い。


創造神は神鉄が使われている武器が何となくわかるって言ってるし。おいてくのもアレだったし。


(で、神鉄が使われている武器の気配はどこら辺に?)


(恐らく、今はダンジョン内に有るかと。この街から神鉄の気配がしません)


ダンジョン内に有るんじゃないかって事は既に誰かが使ってるって事じゃん。

街にある時点で誰かの持ち物なんだろうなと思ってたけど。

武器として使われてるってなると、譲ってもらうのは一波乱有りそう。


それに、ダンジョンにいるとなるといつダンジョンから出て来るかわからないってのも有るし。


創造神が神鉄の気配を感じるまで、普通に街で生活するのが1番か……


俺たちがテラールに帰ってくる前に他の街に移動したって可能性も有るけど。

そこら辺の情報種集は創造神に一任しているからな。


弱ってる状態でも、離れた場所の情報を集めたりぐらいなら簡単に出来るようだし。


念の為、街にある武器屋さんとか骨董品店を回ってみたけど。神鉄が使われている武器を発見する事は出来ず。

やっぱりダンジョンに入っている冒険者の装備なのかな。


最後に一応冒険者ギルドに立ち寄ると、職員からギルドマスターが話がある様で時間は御座いますか?と聞かれたので、ギルドマスターと話をしてみることに。


「久しぶりだな映司殿。唐突に街からいなくなったと思ったら随分と遠くに行っていたらしいな」


「たまに自由に空を飛び回りたくなるんですよ。魔人達も何を企んでるのかちょっと気になってたのも有るし。ギルドマスター、道中

助けた人たちの話からすると魔人に襲われたのはこの街だけっぽいんですよ。実際のところどうなんですか?」


「冒険者ギルドで集めた情報的にも、魔人の襲撃があったのはこの街だけだ。他の大陸を含めてな」


「って事は魔人はこの街にしかない何かを狙って襲撃を仕掛けて来たって事になりますね」


暗に、何か心当たり有りませんか?と質問する。


神鉄が使われている武器を所持しているのが冒険者の可能性が高いとなれば、この人に聞くのが早そうだし。向こうから話があるからと呼んでくれたのはラッキーだったな。


「それが分かったら苦労はしない。ダンジョンのコアってなると、テラールにしかない物では無いし。それじゃ、他にこの街にしかなくて魔人が欲する物と言われてもコレだと物の情報がない。もしかしたら貴族の屋敷にそう言った物が秘匿されてる可能性もあるが。教えろって言っても正直に話すとは考えられないし。屋敷を無理やり調査するなんてもっと無理だ」


「理由は謎って事ですね」


「あぁ、そうだ。理由は謎だが魔人に目をつけられた街って事で、人がどんどん出ていって領主様は頭を抱えているし。ほんとどうしてこんな事になったのか…」


思ったより大変そうだ。確かに一般人からしたらまた魔人に襲われるかもしれない街で暮らすのは怖いだろう。


アテのある一般人はそそくさとこの街を出て行ってしまっているようだ。


閉まっているお店が増えてたりとか歩いている人が数日前に比べて少なくなっているのはそう言う事か。


自分が治める街の住民が減るのは税収に関わってくるし。頭を抱えるのは当然だろう。


「俺も気になって戻ってきたんですが。情報は無さそうですね」


「ザンネンながらな。まぁ、こちらとしては映司殿が街にいると言うだけで。映司殿がいるならこの街にいた方が安全かもと留まる人が増えるだろうから。居てもらえるだけで有難いが。何かわかった事があったら教えてくれると有難い」


逆に俺がいると何か起こるんじゃないかって出ていく人も出てくるだろうけどね。


地球でもそうだったからな。俺の暮らしている場所の近くなら、わざわざ事件を起こす連中はいないだろうと近くの土地や家を買うタイプの人と

俺たちの近くで暮らしていると色んな事件に巻き込まれる可能性が高いって家や土地を売却して遠くに引っ越すタイプの人。だいたいこの2つのタイプの人に分かれた。


自分は近づかないけど。賃貸をする為に土地を買うみたいな人もいたりするけどね。


「分かりました何か分かったらお知らせします」


そう約束してギルドマスターの部屋を後にした。


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読んでいただきありがとうございます。

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