第418話

「それじゃ。こっからは飛んで目的地に向かうよ」


新幹線を含め公共交通機関を乗り継いで石見ダンジョンのある場所に向かうと。到着までそこそこ時間がかかってしまう。

なので適当なところで新幹線を降り、そこから俺が龍の姿になって皆を手の上に乗せて飛んで行く。

そうすれば数分で到着する事が出来るので、今日中に石見ダンジョンに到着することが出来る。


ーーー


「地図まで用意していただき有難うございます」


「こちらから魔物の間引きをお願いしたのですからこれぐらい当然です」


島根県の石見ダンジョンがある場所に到着。

直ぐにダンジョンに向かうのではなく、先ずは石見ダンジョンの近くにあるSCSF支部に向かい。俺たちが到着したことを伝える。


すると支部長さん直々に歓迎してくれて。石見ダンジョンの最新版の地図を無償で渡してくれた。


向こうのお願いでダンジョンに入るとは言ええらく協力的だな。


今回の場合、地図があろうとなかろうとダンジョン内を歩き回って魔物を倒しまくる必要があるから。地図が役立つかと言われると微妙だけど、せっかく用意してくれたんだし受け取っておく。


「それじゃソフィア。俺たちは少しダンジョンで暴れてくる」


「行ってらっしゃい。私はここで映司達が帰ってくるのをゆっくり待たせて貰うわ。周囲を探索するなら映司と一緒がいいもの」


「それじゃ。ソフィアが少しでも長く観光出来るように出来るだけ早く魔物の間引きを終わらせて帰って来ないとだね。

……あぁ、そう言えば事前にお願いしたダンジョン内を無人にするってお願いどうなってます?」


「は、はい!本日は誰一人入口から入った人物はいません」


人が居ないならちょっとゴリ押しすれば時間をかけずに魔物の間引きを終わらせる事が出来ると事前にお願いしてたんだけど。

上手くいったようだ。


「そっかそれなら。手っ取り早く間引きを済ませることが出来そうだ」


それにダンジョン内部の地図も貰ったからな、想像以上に早く済ませることが出来る気がしてきた。


人がいないなら、ダンジョン内を炎で満たすだけで魔物を一掃できるんだから。


これならソフィアと観光する時間をしっかり確保出来そうだな。


ーーー


「本日はよろしくお願いします。新藤様」


「あ〜うん。任せて下さい。魔物の数はしっかり減らしますので」


そう言えば、魔物をどれぐらい倒したってのはドロップ品の量で確認するか実際に同行するかしかないよね?


ドロップ品を全て回収するとなると。ダンジョン内を炎で埋めつくして魔物を一掃したとしても、その後ダンジョンを歩き回ってドロップを回収する必要が出てくる訳で……


それだと、この方法で魔物を一掃する意味が無い。

歩き回って遭遇したら倒すのと変わらないからな。


となると……


「すいません。突然で申し訳無いのですが。SCSF隊員の方数人に証人になってもらう為同行していただきたいのですが……」



「証人になってもらう為の同行人ですか?SCSFには新藤様が虚偽報告するなど考える者はいないと思いますが……」


「なんと言うかゴリ押しで魔物を一掃する予定だから俺の関係者じゃない人にも実際に見ておいて欲しいんですよ」


証人がいれば全てのドロップ品を回収する必要は無くなる。そうすれば炎で階層にいる魔物を一掃、地図を見て最短距離を進んで次の階層に進んでその階層の魔物を一掃って感じで短時間で複数階層の魔物を倒す事が出来る。


「承知致しました。新藤様の要請なら直ぐに用意出来るかと。支部長に連絡いたしますので少々お持ちください」


さっき支部長と話した時にこの事に気づけてたらなー。

ほんと俺は色々詰めが甘い。


10分ぐらい石見ダンジョンの入口で待機していると警察の機動隊が着ているような装備を身にまとった人が2名ダンジョンの入口まで走って来た。


「よし。じゃ、人も揃ったしダンジョンに入ろっか」


「新藤さん。自己紹介とか良いんですか?」


「別にいいでしょ。今回一緒にダンジョンに入るだけだし」


別に名前知らなくても問題ないし。


という訳で、自己紹介もせずに石見ダンジョンの中に入っていった。


ーーー


「そこらじゅう岩がゴロゴロしてるし。穴ぼこだらけだな」


石見ダンジョンの通路は穴ぼこだらけだし、そこらじゅうにサッカーボール大の岩がゴロゴロ転がっていてもの凄く歩きづらそうだ。


「穴はモグラの魔物が掘ったもの。岩に関しては岩モドキって言う魔物……なんだよな?」


事前情報は調べてあるから間違いないはずだけど。岩と穴の数が想像以上で少し驚いた。


モグラに関しては穴の数だけいる訳じゃないけど。

地面に転がっている岩は全部、岩モドキつまり魔物だ。


広いフィールド型のダンジョンだったら分からなくもない数だけど。

大して広くない坑道風の迷路型ダンジョンとして考えるとかなり多い。



「さて、早速魔物の一掃って行きたいけど。その前にナディアさんひと暴れするでしょ?」


「無論。その為に同行した訳だしな。ただただドロップ品を拾うだけの役になるつもりは無い」


「ですよね。ではどうぞ」


そう言って先頭をナディアさんに譲る。


桃源郷にいる間リーリンさんと模擬戦をしたりして腕がなまらないようにしていたみたいだけど。

模擬戦を一回も見ることが出来なかったので、ナディアさんが戦闘するのを見るのは初めてなんだよね。




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読んでいただきありがとうございます。



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