第195話
「まぁ兎に角、エリックさんたちはこれから忙しいでしょうけど頑張ってください」
アルカディアの本拠地を潰しただけで、まだまだ残党はいっぱいいる見たいだからな。
本拠地のダンジョンでレベルを上げることが出来なくなった以上、これまで以上に戦力が上昇する事は無いだろうけど、残党がいるのはE国の中だけではなく、ヨーロッパの各地に存在する。
なので、ヨーロッパ各国との連携が重要になってくる訳だけど……
今の情勢でどこまで上手くやれるか、怪しいところだし。
新たな火種になったりしかねない。
個人的には頑張って下さいとしか言いようがない。
俺も話に加わったら日本も話に入ってくる事になるからね。
確実に話がややこしくなる。
だからこそ、E国的には俺が直ぐに帰国してくれた方が都合が良いだろうし、日本的にも
ダンジョンの一般開放の日が近づいて来て、色々動きが活発化して来てるらしいし。
何かあった時の為に俺には日本にいて欲しいだろうし。
早く帰ってくる事は大歓迎だろう。
「映司にぃ、魔女関連の話を忘れちゃったの?」
宮殿側のワープホールの警備をしてもらっていた彩夏がこちらにやって来て会話に加わる。
「流石に覚えてるよ。ニワトリじゃあるまいし、さすがに、今すぐ帰る訳じゃないよ?数日はE国でゆっくりしてから帰るつもりだから、その間に魔女に会いに行けば良いでしょ」
酒で雇った。ドワーフの鍛冶師カイゼルも回収しないと行けないし。
ソフィアの防具として俺の抜け殻を使ったローブを作って貰わないといけないので、忘れる訳が無い。
「それに、風魔さんを置いて帰る訳にいかないし」
風魔さんはアルカディアの情報を集める為にこの場に居ないので、今帰ってしまうと風魔さんがE国に置き去りになってしまう。
本拠地の情報を入手した時点で、情報収集しなくて良いよって説明しても良かったんだけど。
本拠地の情報を掴んだことがアルカディアに悟られない様に、風魔さんには伝えず。
本気でアルカディアの情報収集をして貰っていた。
「そう言えば、リアル忍者の人もいたね」
そう言えばって……彩夏、風魔さんの事忘れてたの?
E国に来てからほぼ会ってないからって、忘れられる程、影の薄い人じゃないと思うんだけど。
「今回の功績を称えて勲章が授与される予定だから。じゃ、やること終わったしもう帰るねって帰られると、それはそれで問題だから、後1週間ぐらいはE国に留まっていて欲しい」
勲章か……流石にそんなの要らんとは言えないよな。
1週間でもかなりキューピッチで準備を進めているだろうし、1週間ぐらい大人しく待っているか。
その間に、アトランティスに遊びに行くのも良いかも。
でも、勲章授与となると大きな式典を開くことになるよね?
服は……魔力で作れば良いから仕立てて貰う必要は無いけど、魔力で服を作るには俺がしっかりその服についてイメージ出来る必要があるので俺にサイズがあってなくても良いから、見本を1着用意して貰う必要はあるか。
何だかんだ言って、自由にフラフラする時間はないかも知れない。
「そういう事なら、1週間E国で羽を伸ばす事にします」
羽を伸ばすと言えば、桜島ダンジョンの雪の階層にある温泉に入るのも疲れが取れそうだよね。
あそこまで来れる人は居ないだろうから、邪魔も入らないし。
それに、あの温泉から採集出来る泥は美肌効果が有るから、ソフィアや母が毎日使っていて、そろそろ無くなっちゃうって話だったし。
泥を採集するのにもあそこには行かないといけない。
理外がある今なら、入口から入って1階層目から順番に攻略して行かなくても、温泉の場所に直接転移する事も可能だし、直ぐに行って帰って来れるから部屋で休んでるって事にして温泉に浸かりに行くのもありだな。
「1週間の間、何をするかは後で話し合うとして、部屋に戻るか。後、ワープホールはそろそろ閉じますけど良いですよね?」
潜水艦との行き来が面倒になるけど。
それが普通だし、ワープホールはさっさと破壊してしまおう。
「これがあった方が便利ではあるけど。作り出して維持しているのは映司君だし、閉じると言われたら、それに従うしかない」
話が早くて助かる、ワープホールに理外を突っ込んでグリグリしてワープホールを破壊した。
「これでヨシッと。今度こそ部屋に帰ろう」
「そうね。早く戻りましょう。ここにいても邪魔になるだけだし」
手伝う事は出来るけど、俺が手伝いすぎるとE国のメンツを潰しちゃうからな。
アルカディアの本拠地を制圧出来た以上、俺に協力要請が来る事はよっぽどの事が起きない限り無いだろう。
ゆっくりお茶でも飲みながら部屋で大人しく休憩しよう。
後は河村さん経由で、今回の報告をしておいた方がいいか。
紙の報告書は風魔さんに作って貰うとして、取り敢えず現状を口頭で報告しておこう。
アルカディアの連中から空白の書を使って回収したスキルの話は早めにしといた方がいいと思うし。
それよりまずは、風魔さんにもう情報収集はしなくて良いですよって連絡した方が良いか。
今も1人で情報収集している筈だし。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます