第67話
「〈圧縮〉って言うスキルなら小さくなって尚且つBPも上昇させられるぞ」
自分のことを圧縮して小さくなるスキルで、骨密度や筋肉が圧縮されることで攻撃力 、防御力、素早さがアップするって言うスキルらしい。
「私が使ったらただでさえ小さい身長がさらに縮むことになるからスキルの書のまま持ってるし、宿代代わりにプレゼントしてやろう」
やっぱり数千年こう言った物を溜め込んでるんだろうな。
やっぱりリーリンさんにはこれからも物納でお願いしよう。
早速スキルの書を使って〈圧縮〉を習得。
龍の姿のまま人間の姿と変わらない姿まで小さくなる。
「やっぱりこっちの方が体を動かしやすい」
翼や尻尾があるので人間の姿と重心が少し違ったりするけど、ほぼ人間の時と同じ感覚で体を動かせる。
「まぁ、圧縮があれば通路型のような狭いダンジョンでも龍の姿で戦えるからかなり重要なスキルだぞ」
確かに天井が5mより小さい場所じゃ龍の姿になれなかったけど、圧縮があればその問題も簡単に解決する。
「またエルフっ子に勘違いされる前にそろそろ帰るぞ」
派手に暴れるつもりだったから2人で来ちゃったけど、確かにまたソフィアに勘違いされるかもしれない。
「早く帰りましょう。その前にここの桃って持って帰っていいですか?」
「ただ美味しいだけの白桃だけど。それでも良いなら好きなだけ採って行ってくれて構わない」
寿命が延びたり若返ったりするとんでも桃ではないか。
フィールド中に沢山ある桃がそんなとんでも桃だったら逆にびっくりだけど。
むしろそのぐらいの方がお土産として渡しやすい。
白桃をいくつか採集してから家に帰る。
「お土産に白桃採ってきたよ」
お土産を母に渡してソフィアと出かける準備を始める。
「2人で出かけるとなると歩きと公共交通機関を使うことになっちゃうのがね」
16歳じゃ車の免許取れないし、公共交通機関を利用するしか無いんだよね。
周りからの視線が凄い。
ソフィアはあえて恋人繋ぎしてるところを見せたりして周りの視線を逆に利用してるけど。
「映司の学校が再開したら私が教習所に通うのもありね」
と言うかソフィアの国籍だとかどうなるんだろう?
そこら辺はクラリスさんがお任せ下さいって言ってたから大丈夫だと思うけど。
1軒目は布団を買いにお値段以上なお店に向かう。
バッグの入口より大きい物でも収納できるトートバッグ型のマジックバッグを持ってきているので、車じゃなくも持ち帰りで布団を買って帰れる。
これだけだったらソフィアと2人で来る必要なかったので当然ほかのお店にも行きますよ?
お値段以上なお店で素早く新しい布団を買ったあとは服屋だったりゲームショップだったりをハシゴする。
ソフィアと一緒にお店に行ったのに服屋さんよりゲームショップにいた時間の方が長かったのがびっくりだけど。
と言っても服屋さんで全く服を買わなかったわけではなく、ソフィアさんは迷ったりせず気になった服は全部買うスタンスだからすぐに終わっただけで、服の購入料金はそれなりの金額になっている。
あれ、ほんとに全部着るのかな?
それと何かしら事件に巻き込まれるかなって思ってたけど、何も起きないし。
龍王効果かソフィアさんをナンパしに来る男もいないし。
ここまで平和に街を歩くのは久しぶりかもしれない。
「マジックバッグ本当に便利よね。もうそれ無しで生活するのは無理って思えるぐらいには」
今回はコソコソマジックバッグを使うんじゃなくて堂々と使っている。
じゃないと持てない量買い物してるし。
そのうちバレることだし、バレたところでって話だしね。
実際アイテムbox系のスキルを持っている人もいるだろうし。レアはレアだけどそれなりの人が持っているって感じに収まるだろう。
人工マジックバッグも作れるし。
「そうだね。1人1個マジックバッグの時代がきそうだよね」
ちなみに今はカフェでお茶を飲みながら休憩中だ。
俺はアイスコーヒーとチーズケーキを食べてるけど。
ソフィアは1人でバカでかいパフェを食べている。
よくあんなに食べれるな。
チーズケーキを食べ終わっても当然ソフィアのパフェは無くならないのでアイスコーヒーのおかわりを注文してソフィアの話に相槌をうちながらパフェを食べ終わるのを待つ。
「あの人ヴァンパイアみたいな肌の色してるわね」
たった今、カフェに入ってきたお客さんの肌の色をみてソフィアがヴァンパイアみたいと発言する。
若干青白い肌をしていて確かにヴァンパイアっぽい感じがする。
と言ってもこんな真昼間から堂々と街中を歩くもんかねヴァンパイアが?
「あっ倒れた」
滅茶苦茶体調が悪くて顔色が悪かったのかな?それにしては悪すぎだったけど。
店の中でぶっ倒れたから店員が駆けつける。
もし、やばいようだったらポーション飲ませちゃうか。
そんなことを考えていると倒れた人が突然立ち上がり、駆けつけた店員の腕を噛み付いた。
まさか本当にヴァンパイア!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます