第181話
「自動で消えてくれないのは、ちょっと不便なところだよな」
魔女が通過してお店に帰った事を確認してから空間の切れ目を理外を使って破壊する。
現状、理外はどんな使い方をしても、一度に最大魔力量の3分の1消費してしまう。
なので、空間お切れ目を作り出すのと消滅させるので、最大魔力量の3分の2消費することになる。
魔力回復ポーションで回復出来るとは言え移動に3分の2も魔力を消費するのは燃費が悪すぎる。
「それはどうでしょうか?映司様は魔力の3分の1を消費するだけで、永続的に利用出来るワープホールを作り出すと言うことですよね?本当に永続的な利用が可能なのか、同時に設置できる数に限りがあったりするのか。把握しておかないといけない事は多くありますが、世界の物流を牛耳る事だって可能になるかも知れません」
消えないなら、そのまま継続利用すれば良いじゃないってことか。
空港と空港を繋ぐ空間の切れ目を用意するだけで航空会社を潰せちゃうよね……
クラリスさんが言った通り、空間の切れ目は理外を使って破壊しない限り永続的に使用が可能なのか。
空間の切れ目はいくつも同時に作り出す事は可能なのか。
この2つは最低限確認しないと実行することは出来ないし。
使用料とか空間の切れ目を勝手に使われないように戦力を常駐させないといけなかったり。
空間の切れ目以外の問題も沢山あるので、実際、空間の切れ目を使って外国に一瞬で行けるようになるのは難しいかなと思う。
そんな事しなくても、俺は自由に使えるわけだし。それを実行するのにそこまで乗り気じゃないってのもあるけど。
「そんな事しても、無駄に恨まれるだけだし、実行する気は無いけどね」
「そうですね。多くの失業者を生み出すことになりますし。ワープホールの一般利用を商業化するとしても、超高額に設定して。使用を制限したりする必要は有るでしょうね」
そこら辺、色々考えるの面倒臭そうだし、やっぱり空間の切れ目…もう、ワープホールでいいか。
ワープホールで商売するのはやめておこう。
今はダンジョンに潜ってお金を稼ぐ事ができるけど。
将来的に隠居した時はワープホールで商売してお金を稼ぐのもいいかもしれない。
その頃には、転移魔法とかを使ってワープホールを使った商売と似たような商売をしている人がいそうだし。
第一人者って言うのは稼げるだろうけど。
その分、苦労も多いだろうから、俺は後から参入して、程々に稼がせて貰えれば充分だ。
そもそも、俺が隠居する事になるのかっていう疑問もあるし。
寿命伸びまくってるし、このままいけば寿命で死ぬことは無くなりそうだし。
「新しい事業を初める余裕なんて映司様にはないでしょうし。どの道実行するのは難しいでしょうね」
やらなきゃ行けないことが既に沢山あるからね。
自分から進んで新しい仕事を増やしたくない。
「という訳で、ワープホールで商売する話はこれで終わり。さっきの魔女の話をエリックさんに話さないといけないからアポをとって来て欲しいんだけど」
「畏まりました」
元々、エリックさんに魔女について報告するために、空いてる時間を確認してもらうのをお願いする為だったのに、話が脱線してしまった。
「あぁ、そうだ。これから日本に帰る予定だから。ワープホールは残しておくから、直ぐに帰ってくることは出来るけど」
日本が朝になったらソフィアに電話をしようと思ってたけど、転移で行き来できるようになったし電話じゃなくて直接帰る。
なんだかんだ、いい感じの時間だし。
と言っても、あっちで朝ごはん食べて直ぐに帰って来るつもりだから。
長くても一時間ぐらいでこっちに帰ってくる予定だ。
俺が派手に動きすぎるとアルカディアの連中の動きが三ツ目族に占って貰ったものから変わってしまいそうだし。
転移を使えるようになった事は、アルカディアの連中を壊滅させるまでは公にしない。
その後は公表して自由に使う予定だけど。
「と言うか。俺が直接報告する必要ないか。空飛ぶほうきを渡しておくからクラリスさん報告よろしく」
俺が報告するより客観的に魔女についての感想を話してくれると思うし。
「畏まりました。エリック様を報告した結果を後ほど報告させて頂きます」
魔女と会うか会わないか、俺が聞かない方が決めやすいと思うし。
結局、他国の人間だからね俺は。
「それじゃ、彩夏はこっちでワープホールに人が入らないように見張ってて」
「了解。流石に、見張り無しで放置するのは不味いからね」
自分の家を頭の中に思い浮かべて、理外で空間を斬り裂いてワープホールを作り出す。
あっちは丁度これから朝ごはんを食べるところだったみたいだ。
ソフィアが箸を持った状態でこっちを見て固まっている。
リビングに転移するのが一番事故る可能性が低いかなって思ってたけど。
みんなが食べてる瞬間とかだったら大惨事だったな。
取り敢えず。早くあっちに行って説明した方が良さそうだ。
声は届かないみたいだし。
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読んでいただき有難うございます。
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