第108話
「正確に言うと映司の体温の上昇だけでこの大惨事なんだが?」
バーニングソウルで上げられる体温は1万℃が限界でどんなに体温をあげようと周囲30cmぐらいにしか影響しなかったはずなんだけど。
それどころかダンジョン全体に影響を及ぼしてる?
ちなみにリーリンさんと水神龍はこの状況でも火傷ひとつ負ってない。
ほんとどうやったらこの化け物たちにダメージを与えられるんだろう。
俺が何かやったのは確からしい。
とりあえずステータスを見てみるか。
そうすれば理由がわかるかもしれない。
そう思い自分のステータスを確認してみると〈バーニングソウル〉が消えて〈憤怒〉が増えていた後は備考欄の表記が称号に変わって〈ラースオブドラゴン〉というものが増えていた。
そう言えば新しいスキルを獲得しましたって言うアナウンスが頭の中で流れてた気がする。
バーニングソウルが大罪系スキル憤怒に進化しました的なアナウンスが。
と言ってもなんでバーニングソウルが進化すると憤怒になるの?
怒ると体温が上がる気はするけど。
別に怒ってなくても体温を上昇させられるしBPもちゃんと上昇している。
それってホントに憤怒ってスキル名でいいの?
憤怒だったら怒れば怒るほどBPが上昇するみたいな効果なんじゃないの?
まぁ、バーニングソウルが強化されたんなら便利だし有難く使わせて貰うけど。
「なんかバーニングソウルが憤怒って言う滞在系スキルに進化していました」
こうなった理由はこれしかないのでリーリンさんにそう報告する。
「なるほど確かに龍は七つの大罪の中で憤怒のスキルを獲得出来たな」
水神龍の攻撃にムカついた結果獲得できたってことはそれだけ俺がブチ切れてたってことだよな。
確かに死ぬかもってガチで思ったし。
そんな攻撃を挨拶がわりにしてきやがってって思ったけど。
「まぁ、憤怒は映司が取得した現状映司専用スキルだからラッキーぐらいに思っていいと思うぞ。水神龍にもダンジョンの修復で大量のリソースを消費させられたことだし」
ダンジョンが生成した構造物や魔物が全て蒸発または溶岩になって、空にヒビが入ったって言うのはダンジョン自体がダメージを与えたってことだろう。
修復するにはそれなりのリソースを消耗するはず。
例えるなら水神龍のお財布にダメージをあたえたようなものかな?
そう考えるとすごいすっきりした気持ちになってきた。
「いや、自分の角やら牙やら自分の龍素材をリソースに変換すれば良いだけだから意味ないじゃん」
俺だって自分のダンジョンじゃないけど、雷太のダンジョンで自分の牙をリソースとして利用してるし。
「心配しなくてもダンジョンマスターやダンジョン内にいる魔物から素材をとってリソースに変換することは出来ない。そうじゃないとリソース獲得し放題になってしまうからな」
そうなんだ。そうじゃなきゃ雷太がリソース節約に力を入れる理由が無くなっちゃうか。
無効じゃなかったら自分の素材をリソースに変換すれば良いんだから。
出来ないからこそリソースの節約に力を入れてたわけだ。
「そろそろ俺も会話に加わっていい?」
「どうぞ」
ダメージを与えることは出来なかったけど、リソースを無駄遣いさせることが出来たのでとりあえず怒りは納まったので、そろそろ水神龍とはなしをしよう。
「それじゃ先ずは自己紹介だね。ヤマタノオロチ、伊吹童子、酒呑童子色々な名前で呼ばれてきたけど。俺の名前は須佐之男命、須佐之男って呼んでくれ」
はぁ!?なんでヤマタノオロチが須佐之男命なんだよ!
「須佐之男命ってヤマタノオロチをたおした神様なんじゃ?」
「そうだよ?実際にたおしたんだけど。そしたら自分がヤマタノオロチになっちゃったんだよね」
じゃあ、二代目ヤマタノオロチ的な存在ってことか。
そういうものだって納得しておこう。詳しく聞いたって理解できないだろうし。
「で、須佐之男さんはなんで俺を呼んだんですか?俺が神龍になる可能性を持った龍だからですか?」
リーリンさんはそうだろうって言ってたけどもしかしたらそれ以外にも理由があるかもしれないし。
「それもひとつ。さっきの出来事でお前は神龍まで到達すると俺は確信したぞ。直ぐには、無理だろうが」
神龍か……ホントに目の前の化け物と同じ存在になれるって今はイメージが湧いてこないけど。
「それと、もうひとつ正直こっちが本題だな。これを今の天叢雲剣、今は草薙剣だったか。まぁ、どっちでもいい。、とにかく持ち主にこれを渡して欲しい」
そう言って謎の光球体を渡される。
それにしても草薙剣の持ち主って天皇家に渡せってことか。
河村さんに丸投げしよう。
「ちなみにこれなんなんですか?」
絶対ろくなものじゃない。だって三種の神器に関係するアイテムなんでしょこれ?
「草薙剣の真の力を解放する為の宝玉だ」
そんな超重要アイテム俺に渡さないでよ。
天皇家の人を直接呼んで渡せばいいじゃん。
須佐之男命ならそれぐらい許されるでしょ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます