第480話
「俺たちのメインの目的に関わっているであろう存在を逃がすわけにはいかないよな」
来てそうそう面倒事を引き寄せてしまったわけだけど。目的達成に大きく近づける可能性があると考えると、悪くない。
微かに神力を感じる存在で神滅者を試す事も出来るので一石二鳥だな。
問題なのは俺に、その存在を感知出来てないってところ何だよな。
というか推定人間の方も気付いたきっかけは感知じゃなくてガチャガチャという鎧が擦れる音でだし。
音を頼りに決め打ちで感知系のスキルを使って
ようやく分かった事を考えると、こっちも相当面倒くさい相手の可能性も考えられる。
それにしてはガチャガチャ音を立てながら移動するというとチグハグな行動もしているわけだけど…
「ここで、考えても無駄か。連中を倒せば直接情報を得られるわけだしな」
ミニ地球ちゃんのサポートもあるわけだし万が一も無いだろう。
────────
「何だっ!!貴様ら。……いや、貴様らが何者なのかはどうでも良い。私は侍だというのにこのような足軽のするようなことをやらされてムシャクシャしていたところだ。ちょうど良い、貴様らで発散させても─────」
やっべ。ソフィアに舐め回すような視線で見てくるもんだから、ついつい反射的にやっちゃった。
まっいっかミニ地球ちゃんなら生きてようが死んでようが、情報抜き取れるだろうし。
それにしても、チグハグな行動の理由が分かったな。
本人は恐ろしく無能だが、高性能なアイテムだけは色々持っているタイプだな。
そんなことより。本命の相手をしなくちゃな。
全身に紫色の斑点が浮かんでいるカバ?のような魔物の方に視線を向ける。
少しでも動きをみせるようなら容赦なくやろうと思ってたけど、全く動かないんだよね。
(本来は好戦的ではないどころか土地神のような扱いをされていた普段はとても温厚な魔物のようですね)
倒す前にそんな事言われるともの凄く倒しにくくなるんだけど…
後々あのカバ?を倒したのが俺たちだってバレたら土地神として崇めてた地域の人と敵対するかもしれないってことでしょ?
後味悪いし無駄な敵はつくりたくない。
上記の理由で敵対した場合、和解なんて絶対出来ないだろうしな。
と言ってもな~この状態のカバ?を放っておくのは不味い筈だ。
カバ?の現状がいったいどんな感じなのか詳しくはわからないけど、放っておくと良くないってのだけは何となく分かる。
(ああなっている原因は『自分以外の存在が神扱いされるなんて耐えられない。ムカツク』等といった全く持って醜くしょーもない理由でかけられた神力由来の呪いなので、神滅者の能力を使えば、あの魔物を殺さず救う事が可能です)
なんか凄い面倒くさそうな神だな。そういう性格のやつって自分のすることは全てが正しいと信じて疑ってなかったりするし。
何をしでかすか分からないからなマジで面倒くさい。
それに、自己主張が超絶高いからこそ巨大宗教とか築き上げていそうで、ただ神を倒せば今回の話は終わりってな感じにはならなそうだな…
最悪の場合、神だけでなく宗教に関わるものは生き物含めて全て焼却する必要も出てくるかもな。
まぁ、それは本当の最終手段だけど。
頂点である神を秘密裏に倒して宗教まるごと上手いこと利用するなんて事もできるかもしれない。
多分ミニ地球ちゃんのバックアップがあれば
そんな事だって割りと実現可能なんじゃないかなとおもってたりする。
(宗教の教義次第ではありかも知れませんね。我々にとって必要ない、寧ろ邪魔な教義が存在した場合、突然その教義を廃止するとか言っても意味ないでしょうし)
純粋に信じている人や教義を理由にやりたい放題している人は従わないかもね。
その結果、宗教に関わるものは全て焼却するって事態にまで発展したら、それだったら最初からそうしておけば良かったじゃんってなるし。
クソみたいな教義が存在する前提で話しているのなんなの?って思われそうだけど。
寧ろ、存在しないと思う?
元々、神が一柱しかいない異世界じゃなかったらしいし、眼の前のカバ?に態々こんな事している事を考えると相当性格悪いだろうし。
寧ろない方がおかしいレベルだと俺は考えている。
あのカバ?だって態々こんな事しなくたって楽に殺せる筈だ。
魔物としてはそこそこ強いとは思うけど。
神が相手じゃどんな手を使おうが勝負にすらならない程度だからな。
ただ倒すより、利用したほうが合理的だと考えた可能性もゼロじゃないけど…
ミニ地球ちゃんの反応からそれはないだろう。
それと、俺もようやくカバ?から微かに発せられる神力を感知できたけど。
いつしかのピエロ姿のテロ集団達から、いやもっと正確に言えば奴らが持っていたクソ悪趣味な指輪とおんなじだ。神力についてほぼ知識のなかった、あのときはこれが神力と分からなかったけど。間違いない。
指輪を渡した元凶の悪魔は処分したって話だったはずだけど…
その悪魔も結局はトカゲの尻尾。
本命はこっちにいたって訳か…
そう考えると。少なくとも一度は地球のことを
騙すことに成功しているわけだけど…
「はぁ、やっぱり一筋縄ではいかないか…」
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