第481話
(私がこうやって色々やっているのは数千年ぶりですし。油断があったのは認めます。ですが同じ失敗を何度もするようなマヌケでは有りません)
ミニ地球ちゃんそれってフラグじゃぁ……
いやまぁミニ地球ちゃんがそう言うなら信じるけどね。
相手が既にこちらにちょっかいをかけて来ていたと判明した以上、帰りますかとはならない。
今後もちょっかいをかけてくるかもしれないからな。
一旦、この話は此処まで。そろそろカバ?の救出をしないと。
例の神は俺と敵対したピエロ面達に指輪を提供していたわけだから既に敵対していると拡大解釈して、カバ?に対して神力の剥奪を行使。
それと同時にカバ?から例の神の神力が消失していき紫色の斑点も消えていく。
今のところ神滅者の能力を使うことによる不具合みたいなのは大丈夫そうだな。
「これでもう大丈夫だろ。よし、もう帰って大丈夫だぞ」
紫の斑点が消えて神力もカバ?から一切感じ無くなったのを確認して、もう帰って良いぞと声をかけると。
ひと鳴きして頭を下げるような動作をした後、自分の縄張りに帰って行った。
(因みに彼、周囲の人々からは大口ノ神と呼ばれていて地龍の1種だと思われているようです)
そう言えば、龍信仰が盛んな地域って言ってたっけ。
「とはいえ、亜竜ですら無かったけどね。さっきのカバ?」
まぁ、確かに顔や体系はカバだけど、尻尾はトカゲとかの爬虫類系っぽい感じだし。
首辺りからその尻尾の先まで鱗甲目のように硬そうな鱗で保護されていた。
見た目からリュウと勘違いしてもおかしくはないのかな?
リュウの姿ってホントに色々あるから見た目だけでリュウかどうか判別するのは案外難しかったりする。
これぞ竜って見た目である西洋竜の姿をしていてもリュウじゃないってのもいたりするから尚更だね。
「大口真神?って白い狼じゃ無かった?」
(それはオオクチノマカミ。先程の彼はオオクチノカミですから別物ですよ。それにここ異世界ですからね)
全くおんなじ名前だったとしても別の存在だよって事ね。
確かにその通りだわ。
まぁ、何にせよ。大口君を助ける事が出来たし神滅者の能力も試すことが出来たので万々歳だな。
ここにいる理由はもう無いので、今度こそ向かう予定だった人の暮らしているところに向かって移動を開始した。
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「凄いな。ホントに昔の日本の城下町を歩いてるみたいだ」
と言ってもゲームとかで見る戦国時代の城下町だから実際にこんな感じだったのかは微妙だけど。
少なくとも俺の想像する戦国時代の栄えた城下町にはそっくりだ。
少し、違うところがあるとすれば獣人の方たちが結構歩いているところかな。
人間も髪の毛がピンクだったり水色だったり中々カラフルな人が多いい。
まぁ、異世界だからね。そういうことも有るだろう。
(この城下町に獣人が多いのはウルティマ聖教が獣人を迫害しているからというのが大きいでしょう)
なんか知らない宗教の名前が突然出てきたけど……
まぁ、考えるまでもなく俺達が倒しに来た神を崇めている宗教だろう。
龍信仰が盛んなここならウルティマ聖教の迫害を受けなくてすむから集まって来ているって事ね。
なんか俺だけ獣人達から警戒されてるなって思ってたけど、そういう事か。
何となく、ウルティマ聖教は人間こそが至上の存在とか謳ってそうだし。
獣人達からすれば姿が人間ってだけで警戒の対象という事だろう。
それだけウルティマ聖教の迫害が酷いという事だろうな。
…本当はどんなに小さい迫害だろうが迫害をした時点で悪で大小なんて考えるべきじゃないのかも知れないけど……
と言っても。今回の俺達の敵はウルティマ聖教ではなく。ウルティマ聖教が崇める神のみだ。
酷いことを言うようだけど。俺はこの世界を救いに来たわけじゃ無いからな。
こっちの世界にちょっかいをかけてきたやつに落とし前つけに来ただけだ。
……ただまぁ、反ウルティマ聖教の連中に少し手をかすぐらいのお節介はしても良いかもな。
一先ずは、他所者で人間の姿をしている俺は
獣人と接するときは細心の注意を払う必要があるってことだな。
いきなり。ウルティマ聖教をぶっ潰しに行くのは手伝って上げるよなんて言ったって怪しさMAXで信用してくれないだろうし。
…ウルティマ聖教と敵対しているからって、それが良い組織とは限らないしね。
そこら辺の情報は俺が収集しなくても、ミニ地球ちゃんがササッと集めてくれる筈だ。
そんな事を考えながら歩いていると突然、突然何かがドスッとぶつかってくる。
獣人の子供が眼の前で尻もちをついている。
考え事しながら歩いてて周囲を気にしてなかったせいでぶつかっちゃったか。
「ごめんね。ちょっと考え事をしていたせいで周りを見てなかった。怪我してない?」
いや~周りからのさっきが凄いな〜と思いながら気にせず。膝をついて尻もちをついてる獣人の子供に話しかける。
普通だったら、周りの殺気を放っている大人に文句を言いたいところだけど。
まぁ、この世界だったらしゃあないだろうってことで気にしないでおこう。
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読んでいただきありがとうございます。
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