第271話
「ウーパールーパー。正式名称はシーサラマンダーか。そいつ以外は倒したから。早く」
巨大なシオマネキは俺からしたら他のシオマネキとサイズ以外何も変わらなかったので既に殲滅してある。
残っているのは突然のこと過ぎて状況が飲み込めず、固まってしまっているシーサラマンダーだけだ。
それにしてもシーサラマンダーか可愛い顔してかっこいい名前をしているな。
サンショウウオは英語でサラマンダーだから見た目がウーパールーパーなこの魔物もサラマンダーってのも何も可笑しくはない。
シーサラマンダーは外鰓が発達しているし息継ぎなしで水中を泳ぐことも可能だろう。
SCSF隊員がオドオドしながら〈両生類使い〉のスキルの書を使用してシーサラマンダーに近づいていく。
「テ、テイム!」
SCSF隊員がシーサラマンダーに触れてテイムスキルを発動させる。
シーサラマンダーが一瞬だけピカッと発光する。
「成功したみたいですね。それじゃダンジョン内でやる事は終わったし、外に出ましょう」
そう言えば、さっきスタンピードの核モンスターを討伐した報酬としてレベルが55まで上昇しましたってアナウンスがあったな。
本来だったらその程度の報酬?ケチじゃない?って思うところだけど。
レベルが上がりにくくなっている現状、かなり美味しい報酬だ。
それにスタンピードの核モンスター大して強く無かったし。あの程度の魔物を倒しただけで報酬が貰えるだけラッキーだしね。
「良し。お前の名前はメルルカだ」
シーサラマンダーをテイムする事に成功したSCSF隊員が出口に向かって歩きながら名前を考えていたようだけど。ようやく決まったようだ。
因みにシーサラマンダーのメルルカは全長30cmぐらいのサイズになってSCSF隊員の肩の上に乗っている。
こっちのサイズの方が何時ものサイズのようで、巨大なシオマネキと戦っていた時は〈巨大化〉と言うスキルを使ってサイズを大きくしていたようだ。
そりゃ大きくなるスキルも存在するよな。
どちらにせよ大きい状態だと連れ歩くことが出来ない訳じゃ無いけど、目立つし結構大変だったと思うけど。
今のサイズなら目立つだけで済むだろう。
ーーーーー
「と言う訳で、うるまダンジョンはひと段落したと言って問題ないかと。他の場所はどうなってますか?」
「雷太くんとフィロさんが一箇所ずつ核モンスターを討伐。土御門総理率いる陰陽師〈土御門一門〉が一箇所核モンスターを討伐。合計3箇所は現在残党の討伐中。今回スタンピードの発生が確認出来たのは8箇所。現在、核モンスターが討伐できていない残りの四箇所はSCSFと自衛隊が2箇所ずつ対処に向かっている。精鋭を向かわせているから時期に核モンスターが討伐されるだろう」
「それなら俺が救援に向かう必要はなさそうですね」
あんまり活躍しすぎても、無駄に敵を作るだけだからね。
俺が出張らなくても問題ないなら救援しに行く必要も無いだろう。
「ここまで早くスタンピード終息が見えて来たのは、映司君のおかげでSCSFの戦力をある程度バラけさせずに投入することが出来たお陰だ、有難う」
「来るであろう本番の事を考えると喜んでいられませんけどね」
今回スタンピードが同時に発生したダンジョンは8箇所。
本番って言い方はアレだけど、半年前後でスタンピードが発生しないようにダンジョンマスターに設定させたダンジョン以外でスタンピードが一斉に発生するはず何だよな……
現状のままだと確実に凄い被害が出るだろう。
実際にスタンピードが発生したということで、対策しないとって言う流れが強まってくれるといいけど……
被害がゼロでは無いものの比較的マシな被害で対処出来てしまったからこそ次も大丈夫だ見たいな雰囲気になってしまったら困る。
「本番か……今後地上に出てくる魔物の対策をする必要が有るけど。順調に進めることができるか……」
河村さんには上手くいかない未来がハッキリと想像出来ているんだろう。
俺もそう思う。
あれ?ソフィアから電話だ。
「河村さんちょっと待っててください。どうしたのソフィア」
「リーリンが旧C国から飛行能力を持った魔物が飛んで来てるって」
国が滅んだとしてもダンジョンは消えないし、新しいダンジョンが発生しない訳じゃ無いもんな。
厄介だな。
「飛行能力を持った魔物は全てが真っ直ぐ日本に向かって来てる感じなの?」
「日本に向かって飛んできているのはごく一部で、世界中に向かって飛んでってるみたい」
大迷惑ってレベルじゃねぇぞこれ。
「って事らしいんですけど。河村さんどうします?最低限、日本海で飛行能力を持った魔物の討伐はしますけど」
幾ら、どの国の土地ではない場所のダンジョンだからと言って勝手に中に入ったら国際問題になるからな。
そんな事言ってる場合じゃ無いだろうって思うんだけど。
1部の政治家はここぞと問題行為だって叩いて来るだろうからな。
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読んでいただき有難うございます。
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