第79話
「お酒を呑むのは良いけど程々にしないとダメだよ」
「はいっす」
酔いを強制的に醒ました後。ちょっとお説教してから雷太が用意した転移魔法陣で交差点ダンジョンに移動する。
忘れる前にもう片方の転移水晶に交差点ダンジョンを登録する。
「凄い霧ね」
ダンジョンの改修をするとは言ってたけど。
天候を濃霧にして迷路の難易度を上げたようだ。
今回は1階のギミックをクリアして3階に行ってみると言うのが目的だ。
なのに迷路の難易度が上がったとなると時間が足り無くなるかも。
だからと言ってゴリ押しでクリアするのも可哀想だし。
「迷路を破壊すると怒られるし。物量作戦でクリアするか」
昨日大量に作った竜牙兵に迷路攻略させる。
出口を見つけたやつは帰ってくるように命令すれば早めに正解の通路が分かるんじゃないかな。
「いや、ギミックをダメにしてるのは変わらなわよ?」
たしかにそうかも。
まぁ、でも一定時間で正解の通路が変わる迷路って面倒だし。
正解の通路を見つけた竜牙兵が帰ってくるのを待っていると地面が突然揺れる。
「ダンジョンの中なのに地震?」
そう思って辺りを見回して見ると迷路を作っている生垣が移動を始める。
タイミング悪く通路の変更が始まってしまったらしい。
竜牙兵達がここまで帰ってくる道順が分からなくなってしまったと思うので1回送還で戻して再召喚して、もう一度入口から迷路を挑戦させる。
すると10分程々たったぐらいでまた生垣が移動を始める。
「ちゃんと迷路を攻略してくださいって事じゃない?」
そう言うことなんだろうね。
仕方ないので竜牙兵を送還して自分たちで迷路の中に入る。
迷路の難易度が馬鹿みたいに上がっていたので出口を見つけるまで2時間ぐらいかかった。
「もう大分やる気を削がれたんだけど」
特に魔物は変わってなかったしね。
鍵を使って城の中に入る。
城の構造は変わってないようだ。中央の大階段を登ればすぐに2階に行けるけど。
2階からは3階に上がれないと聞いているので2階には上がらず。
1階の探索を始める。
「もしかしてあれフロアボス?」
階段的なもの見つからないな〜と1階を探し回っていると頭を手で抱える首なし騎士が部屋の中央で待ち構えていた。
「調べるまでもなくデュラハンだよな」
折角なら竜牙兵の性能テストしようか。
俺とソフィアは後ろから観戦するだけで、盾使いタイプと魔法使いタイプを一体づつ召喚してデュラハンと戦闘させる。
「時間はかかってるけど普通に完封しちゃってない?」
「まぁ竜牙兵のBP2000有るし。デュラハンには特殊能力も無いみたいだし」
盾使いタイプがデュラハンの攻撃を完全に防ぎ、後ろから魔法使いタイプがデュラハンに火球を飛ばして攻撃している。
「と言ってもお互いに決定打がない感じ?」
魔法使いタイプの竜牙兵が使う火球は純粋に当たった相手を燃やす魔法なので、鎧を溶かすほどの火力はないのでほとんどダメージなさそう。
鎧の中身であるミイラっぽい何かも全然燃える感じがしないし。
これは魔法使いタイプじゃなくて剣士タイプに交代した方がいいかも。
そう考えているとデュラハンが後ろに下がり距離をとったと思うと手に持っている自分の頭を掲げたと思うと盾使いの竜牙兵の頭上に砂時計が現れた。
特に攻撃して破壊できる感じじゃないみたいだな。
魔法使いタイプの竜牙兵の火球がすり抜けるのをみてそう判断する。
普通に考えて何かスキルなどが発動するまでのタイムリミットだよな。
何が起こるのか気になるので特に援護したりせずに見ていると60秒程で砂時計の砂が落ちきる。
その瞬間盾使いタイプの竜牙兵がバラバラになって地面に骨が散らばった。
「わざわざあんなにわかりやすいエフェクト出すってことは強い効果なんだろうなとは思ってたけど。こいつも即死攻撃使えるの?」
なんでデュラハンが即死攻撃?って思ったけど、どっかの国ドームは死を告げる妖精なんんだっけか?デュラハンって。
そう言われるとさっきの攻撃も死の宣告をした相手が一定時間後に死ぬって感じでピッタリだし。
だとしても厄介じゃない?
BP詐欺モンスターとか言われそう。
死の宣告をされたら60秒以内にデュラハンを倒さないと死人が出るってことでしょ?
相性が良くなさそうだったとは言え火球が全く効いてなかったし。普通の人にあのデュラハン倒せるの?
あ〜でもデュラハンって何か弱点があった気がする。
もう少しで思い出せそうなのに出てこない。
デュラハンの弱点を思い出そうとしているとまたデュラハンが自分の頭を掲げる。
今度の対象はソフィアだったようだ。ソフィアの頭上に砂時計が現れる。
「弱点はダンジョンから出たらネットで調べれば良いや」
このままじゃソフィアが死んじゃうので、俺が火球を投げつけてデュラハンを消滅させる。
ソフィアの頭上にあった砂時計も消えた。
デュラハンがいた場所には魔石と羊皮紙が落ちていた。
羊皮紙は魔導具とかではなく3階の行き方が書かれていた。
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