第78話

「今日は起きてからもずっと部屋に篭ってたけど、何をしてたの?」


夕飯を食べているとそう質問される。


「学校の課題と竜牙兵の改修」


「そう言えば映司ってまだ学生だったわね」


学校が休校中だから分かりずらいかもしれないけど、一応高校生ですよ?


「映司がギリギリでも無いのに課題を進めるなんて珍しい。なんならやらないことだってあるのに」


「高校でそれをやると最悪留年しちゃうじゃん」


流石に留年はしたくない。


しかも有名人になっちゃた現状で留年なんてしようものなら確実にネットで玩具にされる。

それだけは絶対に回避しないと。


そんな感じの話をしながら夕食を終える。

後は適当に眠くなるまでゲームをしようとゲームをしてたらそのまま次の日の朝になっていた。


「これは不味い。生活リズムがおかしくなってる」


1日ぐらい問題ないと思うけど。

そんな気持ちでいると修正しないでどんどん生活リズムが狂ってく気がする。

これからは生活リズムがおかしくならないようにちゃんと夜は寝よう。


「何を騒いでるの?」


目をゴシゴシしながらソフィアが起きてくる。


「このままじゃ生活リズムがおかしくなると思って」


「ダンジョンに入ってると仕方ないんじゃない?1日以上活動してた訳だし」


たしかにダンジョンのせいでも有るけど。

今日のは完全に俺が悪いからな。


「それを考慮してもだよ」


「まぁ、映司が気になるなら気をつければ良いんじゃない?で、今日に学校の課題をしたり竜牙兵の改修するの?」


今日どうしよっかな。特に何かしなきゃ行けない要件とかはないけど。

ヴァンパイアっ子もまだ起きないだろうし。


とは言え2日続けて課題をやりたくないんだよな。


ダンジョンに行きたいけど1番近くのダンジョンはゾンビの階層があるから行きたくないし。


交差点ダンジョンに入る為だけに電車使って都心に行きたくないし。


どうしよ。


そう言えばダンジョンマスターなら自分のダンジョンまでの転移魔法陣を外に設置できるんだったな。


犯罪者を拘束するのに使ってたし。

行きは雷太に交差点ダンジョンに行く転移魔法陣を設置してもらって。帰りはリーリンさんに桃源郷に移動できる転移魔法陣を設置してもらえば電車とかを使わないでダンジョンに行ける。


それなりにリソースを消費するって言ってたから、その分のリソースをこっちが用意すれば、手伝ってくれるんじゃない?


と言うわけで2人に相談するために2人を探しに行く。

家にはいなかったので桃源郷に探しに行くと

大吟醸が湧き出る。大吟醸の池で2人でお酒を呑んでいた。

と言うか雷太は通常サイズに戻って池に顔を突っ込んでいる。

あれ死んでないよね?


「おお、映司も呑むか?」


「未成年なんで呑みません」


当然のように俺に酒を呑ませようとしないでください。


「はぁ〜詰まらんやつだな。未成年が呑んじゃダメってのは人間だと体に悪影響を及ぼす可能性があるからだろう?龍が酒を呑んだぐらいで体に害などおきん」


大丈夫だからとかそう言う話ではない。

俺は日本国民で日本では未成年は飲酒しては行けないと言う法律が有るんだから呑まない。


「それに龍と酒って相性悪そうじゃん」


酒を呑ませて龍を討伐する話なんていっぱいあるし。


「毒とか呪いに気をつければ大丈夫だ」


「まぁ、だとしてもお酒は呑まないんですけどね。そんなことより、2人に用があって来たんです」


さっき思いついた考えを2人に話す。

雷太には聞こえてなさそうだけど。


「なるほど。私たちに転移魔法陣を用意して欲しいと言うことだな」


「そう言うことです」


「まぁそのぐらい用意してやらんことも無いが、折角なら持っと便利なものをやろう。代わりに龍酒が呑みたい」


転移魔法陣より便利な物ってすごい気になるけど。代わりに俺のことお酒に漬ける積もりじゃない!?


「流石にハブみたいにお酒に漬け込まれるのは嫌なんですけど」


「そんな惨いことをするつもりはない。

昨日炎を結晶化させてただろう。アレをこの池に投げ込むだけで良い」


それで良いのか。

自分が漬け込まれないならなんでもいいか。

昨日作った残りの炎の結晶を大吟醸の池に投げ込んだ。


「これで少し待てば大吟醸が龍酒に変わる。これが報酬だ」


そう言ってリーリンさんが八面体にカットされた水晶を2つ投げてくる。


「それは転移水晶。登録した場所に転移できる魔導具だ」


転移アイテム!わざわざ2つ渡してきたと言うことは1つにつき1箇所しか場所の登録は出来ないんだろう。


リーリンさんに場所の登録方法を教わりながら貰った転移水晶の片方に桃源郷を設定する。


「これで帰りは問題ない。で、そこの酔っ払い竜が自分のダンジョンに移動する転移魔法陣を設置するだけだ」


それが1番大変なんだよな〜


普通に話しかけても話は進まないだろう。

雷太の首を掴んで酒の池から顔を引っ張り上げて状態異常回復ポーションを無理やり呑ませる。


ポーション的には酔いも状態異常らしいのでこれで問題ないだろう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んで頂きありがとうございます。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る