第21話

「ホテルの人が話のわかる人で良かった。おい雷太、ペットが泊まるのを特別に許可してくれたんだからちゃんとお礼を言いなさい」


「映司様 、俺はペットじゃないっす。でもホテルの人俺が泊まる許可を出してくれてありがとうっす」


しまった雷太は喋らせる必要なかったかも。

見た目はかっこいいのに喋り方が残念な残念ドラゴンって言われるかもしれない。


ほら、現にホテルの人なんて言えばいいか分からないって顔をしてるよ。


もう一度ホテルの人にお礼を言ってホテルの最上階に移動する。


「申し訳ございませんソフィア様色々あって遅くなりました」


「お疲れ様。その色々について教えて欲しいのだけど?」


雷太のことを見ながらソフィア様はそう言う。


「簡単にならいいですよ」


雷太がダンジョンマスターってこととスタンピードは実際に起こるってことぐらいは教えといた方が良いだろう。


俺がペラペラ喋りすぎると国から怒られる気がするし。

俺が手に入れた情報なんだから誰に話そうと俺の勝手だって言うこともできるけど。

じゃあ俺から直接はなしを聞けばいいって外国から人が凸してきたら困るし。

やっぱりそこら辺は政府にお願いするために、情報は勝手に与えすぎないようにしないと。


日本政府の味方をする代わりに海外から俺の事を守って貰う。

それに頼りすぎると日本政府から奴隷のように扱われちゃいそうだから上手い感じの距離感を保てるといいんだけど。


って考えると、E国の王族のソフィア様と仲良くしておくってのは割と良いと思うんだよね。

日本政府的には俺のことをないがしろにするとE国に逃げられるって思ってくれるだろうし。


どうすれば俺の事を奴隷のように扱おうと考えるやつは出てこないだろう。


って考えると今回この護衛の仕事が回ってきたのはラッキーだったな。


「ちょっと映司大丈夫?やっぱり疲れてる?」


あぁ1人で考え込んじゃった。


「ごめんない。ソフィア様の護衛になれたのは幸運だったなと考えてました」


「なぁ!いきなり何言ってのんよ!」


ソフィア様が顔を真っ赤にしてぷいと横を向かれてしまう。


俺なんかやっちゃいました?って思ったけど

さっきの発言受け取り手によっては告白っぽく聞こえるかも?


でもそれで顔を真っ赤にして顔をそらすって、もしかしなくても俺にチャンスあったりしちゃう?


一旦落ち着こう。まだハニートラップって可能性もある。それに勘違いだった場合のショックが大きすぎる。


あってまだ1日しかたってないんだからただの護衛と雇い主の関係で充分だ。


物語の主人公はこの後、告白じゃなくてですね……って感じで説明してビンタされたりするけど。とりあえず黙ってオロオロしとけば良いか?


「ソフィアお嬢様は予想外のジャブでやられてしまったので、私がお話を聞くと言うことでいいでしょうか?」


俺がなにかする前にメイドさんに放置でいいと言われたのでその通りにする。

それでいいのか?メイドさん。

と言うか今気づいたけどメイドさんの名前知らないな俺。





「大丈夫ですよ。あぁ、でもご飯食べながらでいいですか?ご飯買いに行ったのに結局食べれてなくて…」


眠くはないけどお腹はすいた。


「もちろん大丈夫ですよ。でしたら先にシャワーを浴びるのはいかがですか?そうすればソフィアお嬢様も復活してると思いますし」


確かにダンジョンに行って帰ってきたんだからまずは風呂に入るべきだよな。


「そうさせてもらおうと思います。風呂場ってどの部屋にありますか?」


スイートルームだから部屋がいっぱいあってどこにどの部屋があるか把握しきれてないんだよな。


「それでしたらこちらのです」


部屋の地図を見せてもらい説明してもらう。


「ありがとうございます。雷太お前も洗うから風呂場行くぞ。すいませんタワシってありますか?」


「了解っす。それと映司様俺のことタワシで洗おうとしてるっすか?」


「そうだけど?鱗があるしタワシ使わないと汚れ落ちないでしょ?」



「そんなことないっす。使わなくなった歯ブラシとかで充分綺麗になるっす」


それタワシと大して立ち位置変わらないぞ?

それにしてもやっぱりこいつ現代日本の知識がしっかりあるよな。


ダンジョンから出たことないはずなのに。


雷太が言うにはダンジョンから生み出された存在って話なのに…

ダンジョンから日本の知識を与えられたって言ってもしたらダンジョンに日本の知識を与えたのは誰だ?って話になっちゃう。

そっかダンジョンって人間のために神が直接作り出した特殊な魔物なんだっけ?


ダンジョンに日本の知識を与えたのは神?

と言うかあっさり神の存在を認めていたわけだけど。神って存在するんだね。


まぁ一々教える手間が省けて助かったって思っておこう。


ちなみにタワシはホテルの人に頼んで用意してもらいました。


「なんか俺の扱い雑じゃないっすか?」


タワシで体をゴシゴシ現れながら雷太が言う。


「寧ろ美味しいキャラだと俺は思うよ。俺はそう言うキャラやりたくないけど」


全ては雷太の喋り方が行けないと思うんだ。




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読んで頂きありがとうございます。




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