第148話
悪い物を燃やして祓う。そんなイメージで炎を作り出す。
作り出した炎は白色で何かキラキラしてる。
呪いとかそう言うのを祓うだけじゃなくてアンデッドとかにも効きそう。
そのまま浄化の炎とかにしようと思ってたけど。〈聖炎〉にしとこうか。こっちの方が短いし。
試しに〈聖炎〉を体に纏わせると、さっきまでが嘘みたいに体が軽くなった。
軽くなったんじゃなくて元に戻ったと言うのが正解なんだろうけど。
「これでようやくまともに戦うことができる」
と言っても、途中から攻撃を避けることに専念しなきゃ行けないレベルで身体能力が下げられちゃってたからその間、敵はやりたい放題やられちゃったせいで、分身いっぱい増えちゃったし、恐らく本体含め分身のうち数体が透明になって隠れてるんだよね。
不意打ちに注意しながら分身の数を減らさないと。
大人気なく全体攻撃すれば直ぐに解決すると思うけど。
このダンジョンのダンジョンマスターが雷太なので、あまりダンジョンを傷つけたくないのと、それじゃ何時まで経っても戦闘が上手くならないだろうという理由から今回は全体攻撃は取り敢えず封印。
ヤバくなる前に解禁する予定だけど。
1番厄介だったのは、かすり傷だけでも相手の身体能力を下げられるデバフを使って来ることだったから、かなり余裕はできたので大丈夫だろう。
分身事に役割があって、魔法を使う遠距離、弓とかの武器を使った遠距離。
近距離も様々な武器を使ってこっちが対処しずらいようにしてくる。
とにかく攻撃を掠らせて相手を弱体化させるためだな。
デバフはもう気にしなくて良いので、致命傷にならない攻撃は躱さず、くらうと致命傷になる攻撃だけ躱す。
「そこ!」
いくら攻撃をくらっても動きが鈍くならない俺に相手が焦って、本体が背後から不意打ちを狙って来たので、冷静にカウンターを入れる。
突然、背後からの攻撃して来なくなって、正面からの攻撃が増えたら、透明になってるやつが後ろから攻撃しますよと言っているようなものだ。
本体がダメージを受けたことで、大量にいた分身たちがいっせいに消える。
新しい分身を出される前に敵にトドメを刺す。
デバフで弱体化させて、物量で倒すって感じの戦法だったんだろうけど。
デバフさえ対処出来ちゃえば、負けることはないかな。
分身もBP100,000ぐらいはありそうな感じだったから油断していい相手では無かったけど。
「やっぱり数は力だな。BP500,000前後の敵とタイマンするより、BP100,000の敵10数体と戦う方が被弾が多かったし」
ここまで被弾したのは分身たちの連携が完璧だったってのもあるけど。
ちなみに宝箱の中身はトランシーバーが2つ入っていて、このトランシーバー同士でしか通信できないけど、ダンジョンの中でもつうしんできる通信できる物だった。
今までダンジョンの外から中にいる人(勿論中から外にいる人にも)に連絡できる通信機は存在しなかった。
なので、ダンジョン攻略中は地上で何かあっても気づけなかった。
核ミサイルを撃たれた時も俺があと少しでもダンジョンから出てくるのが遅かったら、核ミサイルが日本の何処かに着弾してたかもしれないし。
このトランシーバーがあればそういったことも防げる。
片方は俺が持っていて、もう片方はた家に置いておこう。
緊急事態の時に俺に連絡できるように。
従来の電波を使った通信じゃないから盗聴される危険がないってのも地味に利点だよな。
マジックバッグに仕舞っちゃうと連絡来ても気づけないから、ズボンにくっつけるなり何なりして持ち歩くようにしないと。
欠点としては後々新しい、トランシーバーを手に入れても、それとは通信できないことか。
トランシーバーで連絡できる人を増やそうとすると、トランシーバーをいくつも持ち歩かなきゃいけない。
まぁ、そう何個も手に入るかは微妙だけど。
出来れば、番号を設定できて複数のトランシーバーと連絡できるものが手に入るといいんだけど……
取り敢えずは今のトランシーバーで満足するか。トランシーバーで連絡する分には電話料金を取られないって地味にありがたいし。
E国に行ってから連絡したら、国際電話で凄いお金取られちゃうし。
そう言うプランに変更する為にケータイショップに行くのも面倒臭いし。
E国に行く前に手に入ったのは運が良かったな。
時間はまだまだ有るので、引き続き闘技場に挑戦しよう。
明日は天皇陛下との会談とヴァンパイアっ娘と八咫鏡が安置されている場所に行かなきゃ行けない。
明後日はSCSFの隊員採用の実技試験に付き合わなきゃなんないし。
今日以外、E国に行くまで闘技場でアイテム集めをする時間ないだろうしな。
一番の目的は転移水晶だからな。
確率が低いのはわかってるけど手に入れば、毎日、日本に帰って来れたりするし。
転移ポイントの再設定が出来れば、今持っている転移水晶の転移ポイントを再設定するだけで済んだんだけどな。
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