第147話

「本当は、アンデッドダンジョンの攻略を進めた方が良いんだろうけど。転移結晶がドロップする可能性が高いのは闘技場だろうし」


E国に行くのは確定事項として、直ぐに日本に帰って来れるように転移場所を設定していない転移結晶を手に入れたい。


E国に転移ポイントを設定出来れば日本とE国を転移で行き来出来るようになるし。

国を跨いだ転移は色々決めなきゃ行けないルールが有るだろうけど。

出来た方が絶対楽だし。


でも、転移結晶は国外に持ち出し禁止ぐらいしないと国を跨いだ犯罪に利用し放題だよね。


そんなこと言ったら、魔導具には犯罪に利用出来る物ばっかりだし。

そもそも魔導具がなくても犯罪は起こってるか。


とは言えそんな簡単に転移結晶が手に入るとは思ってないけど。

リーリンさんに貰った2個以外手に入ってないし。


「今回も、転移結晶じゃないか」


考え事をしながら闘技場に出現した魔物を倒して宝箱の中身を確認する。


今回の宝箱の中身は、ミスリルで作られた

あおぐと強風を発生させる扇が手に入っていた。

強風を発生させる機能は魔石を消費するけど。


鉄扇として戦闘に使う場合は魔石を消費しない。ミスリル製なので魔力を込めてBPを一時的に上昇させる効果もしっかり持っている。


悪くない武器として使える魔導具なんだろうけど。

鉄扇ってどうやって使えばいいだろうね?

リーリンさんならバッチリ使いこなせそう。

何時もチーパオを着ているし鉄扇似合うと思うんだよね。

青龍刀か素手で戦ってるイメージ強いけど、その気になれば他の武器も達人以上に使いこなせるだろうあの人なら。


リーリンさんへのお土産が手に入ったのは良いけど。目標のアイテムでは無いからな…


「こればっかりは試行回数稼ぐしかないか」


レアなアイテムが手に入るように一度に50本ぐらいの牙をリソースとして捧げてるけど。

それで出現する魔物はBP500,000前後なので、毎回しっかりとした戦闘になるし時間もかかる。


その分レアなものも手に入ったけど。


鑑定モノクルLv2って言う鑑定モノクルの強化版とか。魔力を貯蔵しておける指輪。

ミョルニル・レプリカなんて言う凄そうな武器まで手に入った。


ミョルニル・レプリカは雷を纏わせることが出来るので、投げて敵に当たるとその敵に電流を流すことが出来たり、自分の手に戻ってくると言う投擲武器だ。もし壊れても時間で自動修復されるおまけ付きだ。


サイズは工具のトンカチぐらいで武器として考えると小さい。

サイズを自動で変えられたり、自動ホーミング機能はついていないようだ。


レプリカと言っても神の使う武器だ弱い理由がない。

じゃあ、使う?と言われたら使わないけど。

投擲して電流で攻撃するより、炎で攻撃した方が強いし連射も聞くからね。



俺が使おうって思うレベルの武器って手に入る時が来るのだろうか?


まぁ、その内手に入るかな。

ミョルニル・レプリカはソフィアにサブ武器として使って貰うか。

もしくは、家に襲撃があった時に誰でも使えるように置いておく武器にしておくべきか。


まぁ、どちらでもいいかな。


「流石に疲れたし一度休憩しよう」


強敵との連戦で疲れたので、一度桃源郷に転移して仮眠を取る事にする。


「丁度良いところに帰ってきたな。追加の龍酒を作りたいから炎に結晶をくれ」


前回作った龍酒の量、そんなすぐに無くなる量じゃ無かった気がするんだけど。

と言うか、大吟醸の池に炎の結晶を投げ込んで有るから数ヶ月は徐々に龍酒に変わり続けるって話じゃ無かったっけ?


「あそこだと大吟醸が湧き続けるから一気に飲みすぎると折角の龍酒が大吟醸で薄まっちゃうんだ」



「そうなったらまた少し放置しておけば、湧き出た大吟醸も龍酒に変わるでしょ?」


「好きな時に呑めなかったら嫌だからな。池以外の場所でも作っておこうと思ってな」


リーリンさんにはお世話になりまくってるので炎の結晶程度いくらでも渡すけど。


その場で炎の結晶を作りだしてリーリンさんに手渡した。

桃源郷の中でも木が密集しているところに移動して、ハンモックを設置する。


フレーム付のハンモックなら、木が無くても設置できるけど。マジックバッグを圧迫したくなかったので、布だけのタイプだ。


「さてと後半戦も頑張りますか」


30分程度の仮眠をしてから闘技場への挑戦を再開する。


今度の敵は尻尾が5本生えてる狐獣人だった。


敵は分身を生み出して、多角的に攻撃してくる。

〈憤怒〉を使って周りの温度をあげれば分身は消せるんだろうけど。

それをやるとダンジョンの地形も滅茶苦茶になるんだよね。

ここは雷太のダンジョンだし。

あんまりダンジョンは壊したくないんだよね。

修復するのにリソースだって使うし。


取り敢えず、分身たちの攻撃を避けながら熱線で分身を消していく。


「被弾する度に動きが鈍くなる…再生の炎で傷は治してるんだけどなんでだ?」


かすり傷程度だけど。避けきれずに何度かダメージを受ける。

正直、再生の炎を使わなくても動きが鈍くなるとは思わないんだけど。

ダメージを受ける度にデバフをかけられてる?

狐の魔物なら呪いを使ってきてもおかしくないし。

再生の炎は肉体的ダメージを回復させるものだから、呪いには対応してない。

呪いをどうにかするには他の炎を作り出さないとダメみたいだ。


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