第341話
「どうしようか?」
「この街を拠点にして情報収集するつもりなら。街に戻って手伝った方がいいと思うわ。予想通りさっきの鐘が緊急事態を知らせる物だとしたらだけど」
助けといた方が心象が良くなって、神を目覚めさせる為の情報収集をする時に助けになってくれる人が出てくる可能性も有るか。
「なら。街に戻ろうか……その前にウィー手を綺麗にしてくれる?」
ウィンナーを手に乗せて熱して調理したので手が油でベタベタになってしまっている。
このベタベタの手のままなのは嫌なのでウィーに綺麗にしてもらう。
やっぱりフライパンとか調理器具は必要だよな。
街で売ってたスキレットは買ったけど。
シーズニングされてなかったから使えなかったんだよね。
「あっあの時のドラゴニュート2人組だ」
この際、飛んで街に帰ろうか?翼が生えてるんだし飛べてもおかしくないだろうと考えていたら。
街を囲む壁を飛んで超えてこちらに向かって来る。
これでドラゴニュートは飛べるってことが実証されたな。
これなら俺が飛んでも騒ぎにならないな。
ドラゴニュート2人組がここまで到着するのを待ってるのも時間の無駄なので、ソフィアをお姫様抱っこして飛び上がりこちらから合流しに行く。
「ワイバーンの群れがこの街を目指して飛んできていると言う情報が入り冒険者全員に緊急招集がかかった。ウッドランクとは言えドラゴニュートだ。放っておける戦力ではないので呼びに来た。ついてきてくれるな?」
ワイバーンの群れか……地球でスタンピードが起きた時にもいっぱい倒したな〜
それにしても、ワイバーンとこんな感じで戦闘になる事多い気がする。
まぁいいや。取り敢えず予想通り街の緊急事態みたいだし。
ここは大人しく姫様と呼ばれていたドラゴニュートに従って防衛戦に参加するか。
目立った活躍をしたら。特例で冒険者ランクが上がるとか有るかも知れないし。
「分かりました。それじゃ先導をお願いします」
そうして連れていかれたのは俺たちが出た門から真反対の位置。
どれだけ離れているのか分からないけど。
かなり標高の高そうな山が見える。
あの山がワイバーンの縄張りだったりするのかな?
「それじゃソフィアは魔法を使ってワイバーンを地上にたたき落とす部隊に、俺は空を飛んで直接ワイバーンと戦う部隊にって事ですね?」
ワイバーンとの戦闘方法は基本魔法使いや弓使い等の遠距離攻撃部隊がワイバーンの翼を狙って攻撃して地上に墜落させたところに近接攻撃部隊が接近してトドメを刺すと言った戦い方をするらしい。
地球で出現するワイバーンと同じならそんな事し無くても俺一人で殲滅出来るけど。
素性がよく分からない男が1人でワイバーンを殲滅したとなると無駄に警戒される事になるし。
大人しくこの世界の基本的な作戦に従おう。
空を飛べるドラゴニュートは空を飛んでワイバーンのヘイトを集めて地上の部隊に攻撃をさせないのが仕事のようだ。
と言っても、ドラゴニュート部隊は俺と2人組を含めて5人しかいない。
と言っても、2人組ならワイバーンぐらい簡単に倒せるぐらいの実力は持っていそうだけど……
不謹慎だけど。金儲けの機会を独占すると周りから恨みをかうとか?
まぁ、理由はどうだって良いや。ワイバーン達も来たみたいだし。
まだ豆粒程度にしか見えないけど地球でスタンピードが起きた時に戦ったワイバーンと比べると倍ぐらい強さだ。
ワイバーンの上位種なのかそれとも。
この世界のワイバーンはこのぐらいの強さなのがデフォなのか。
「あと30分もすれば戦闘開始だな。全員何時でも戦闘を始められるように気を引き締めろ!」
今の大声は現場の総指揮を取っているムキムキのオッサンのものだ。
この街の領主に連なる貴族家の関係者なのか。冒険者ギルドのギルドマスターなのか分からないけど。
まぁ、偉い人だろう多分。
俺はこれと言って準備する事は無いので、そのままワイバーンとの戦闘が始まるまでそのまま待機している。
「武器は使わぬのか?」
「ん?あ〜まぁ、武器を持っていない訳では無いけど。あの程度だったら使うまでも無いかな」
姫様と呼ばれているドラゴニュートに武器は使わないのかと質問されたので、適当に返事をしておく。
フランと呼ばれていたドラゴニュートは俺の反応に対して特に表情を変える事は無かったけど。
今日初めてあったドラゴニュートの2人は俺に怒りの感情を向けて来た。
姫様と呼ばれているだけあってドラゴニュートからは慕われているようだ。
「あの程度の相手か……妾でも1対1でも負ける事は無くても 、それなりに消耗する相手なのだが……嘘をついている様には見えないからな。ドラゴニュートの指揮は私が取る事になっているが、お主は自分の判断で自由に動いて良いぞ」
「それは助かる。正直連携とか得意じゃないし」
「自由にしていいとは言ったが今から飛び出すのはなしだぞ?遠距離部隊の攻撃が戦闘開始の合図だ。飛び出すのはそれからで頼む」
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