第340話
「そうだ。今日泊まる宿とか全く決まって無いんですけど。何処かオススメの宿って有りますか?」
戦闘試験が終わって、他には新規登録者が受ける試験は存在しないと言うことなので現在の冒険者ランクで受ける事が出来るクエストを軽く確認してから冒険者ギルドから出ようと思ったけど。
そう言えば今日泊まる宿のあても無いなと思い出したので受付の人にオススメの宿を聞いてみる。
ディメンションルームが有るから宿に泊まる必要もないけど。街にいるのに宿に泊まらないし。街のどこにも見当たらないって不気味すぎて警戒されそうなので宿で一部屋確保しておいた方が良いだろう。
「銀の黄昏亭とかセキュリティもしっかりしていてお貴族様も泊まる事が有るぐらいにはしっかりしている宿ですよ」
見た目からお金は持っているだろうなと判断された訳か。
まぁ、泊まるならそのぐらいのランクの宿がいいと思うけど。今はそこまでお金持ってないからな……
それと名前がちょっと……
いやまぁ偶然の一致なんだろうけど。
ちょっと気になってしまう。
泊まる時は別の宿にしよう。
銀の黄昏亭を教えてくれた受付の人にお礼を言って地下1階から1階に移動する。
「私たちのランク。ウッドランクだと街の外での採集系のクエストばかり。討伐系のクエストは常駐クエストのゴブリン討伐のみ。報酬は安いし。クエストを受けずダンジョンに入って魔物を討伐して戦利品を売った方が良さそうね。私たちなら」
初心者冒険者のランクウッドランクが受ける事ができるクエストは街の外に有る森で行うような内容のものだった。
初心者にはダンジョンは危険って事なのかな?
もしくは、外の森に全く冒険者が行かないってのは問題だからこういう感じになっているのかな?
クエストを受けて達成しないと冒険者のランクを上げる事が出来ないからな。
初心者だけ森に行かせるのもどうなんだろう?と思うけど。強い魔物は森に出現しないとか人が活動する森の浅い部分には強い魔物は現れないとかなのかも?
そもそも、そういう魔物を倒すクエストなら報酬もその分高くなるし。
高ランクの冒険者もクエストを受けてダンジョンじゃなくて森に行ってくれるとか?
まぁ、上手くいっているからこうなってるんだろう。
「確かにソフィアの言う通りだろうけど。ダンジョン関係のクエストが存在しないって言うならウッドランクはダンジョンに入れないんじゃない?」
クエストを見てダンジョンの存在を確認しただけで、ダンジョンに関するルールに関して何も知らない。
ウッドランクの冒険者が受けられるクエストにダンジョン関係の物がないと言う事は入場制限をかけられている可能性もある。
受付の人に話を聞けば直ぐに分かる事なんだろうけど。
徐々に冒険者達が冒険者ギルドに帰ってきているんだよね。
これからクエストの達成報告や納品。ダンジョンや森での戦利品を売却する冒険者が集まってくる時間なんだろう。
話を聞けるような暇そうな受付の人が居ない。
2階の冒険者の新規登録をしていた人なら今の時間なら暇かも知れないけど。
今の時間は1階の受付の応援として働いてるんじゃないかな。
「取り敢えず今日は食べ物を買って森に行こう。ウッドランクの受けれるクエストを10個達成すれば次のランクに上がれる見たいだし」
それに森の中なら何処でディメンションルームを使っても問題ないし。フェイクのための宿代をケチれる。
「映司がそう言うなら、そうしましょうあれのおかげで野営も快適だし」
街で食材をある程度買ってから門から街の外に出る。
ここから森の入口までは歩きだと一時間ぐらいかかる。
「ねぇソフィア。お腹すいてこない?」
「なんだかんだこの世界に来てから私が持っていたクッキーとかしか食べてないものね。今まで少し気を張っていたから気にならなかったけど。こうやって食材を手に入れてある程度余裕が出てきたら確かに何か食べたくなってきたかも」
「だよね。短時間で調理できて歩きながら食べれる物を作ろうか」
調理も歩きながらでいいや。
マジックバックからさっき街で買ったソーセージを取り出して憤怒の王を使ってソーセージの温度を上げて火を通す。
これまた街で売っていたコッペパンのような細長のパンに切れ込みを入れてホットドックの完成。
ケチャップやマスタードは買えなかったんだよな。
野菜を挟んだりも考えたけど生のまま使うのは安全か分からないし。
歩きながらなので切ったりするのがちょっと難しそうなので、パンとソーセージのみと言う滅茶苦茶シンプルなホットドックだ。
いや、もはやホットドックと読んで良いのか分からない品物だな。
「と思ったんだけど。ウィンナーの中に入っている香草の主張が結構激しいから案外ケチャップをつけない方が正解だったかも?」
思っていたよりは美味しかったな。
「ん?街の方から何か鐘の音が?」
食べながらだったのでゆっくり歩いていたので、まだ街からそこまで離れていなかったので。
街で鳴らされている鐘の音を聞く事が出来た。
イメージだけど短時間に何度も鳴らされて緊急事態を知らせているような気がするけど……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます