第431話

「こう言うのを実際に見せつけられると映司くんは神様なんじゃ?って思えて来るよね」


「実際の神様はもっとデタラメな存在ですよ。そう言えば、早嶋さんは何時退院するんですか?」


「念の為、数日は入院して検査をするみたいな事は言われました」


それじゃリンゴは、また数日早嶋さんと離れ離れになる訳か。


ワイバーンは病院の中に入れないし仕方ない。


まだまだ赤ちゃんのリンゴからしたら数日間早嶋さんと離れるのは辛いかも知れないけど。

何とか耐えて貰おう。

毎日、ここに連れてくるのは面倒臭いし。


ーーー


「それじゃ、映司くんまた近いうちに」


「そうですね。近いうちに」


あの後、リンゴが満足するまで早嶋さんと遊んで貰ってリンゴが寝たタイミングで早嶋さんを病室まで送り病院の入口付近で河村さんとも別れる。


例のアイテムは帰ったら直ぐに用意しておこう。

できるだけ早い方が良いって言ってたし。


「なんか最近比較的平和だった反動か、ちょっと面倒な件に巻き込まれちゃったな。と言ってもほぼ解決しているようなものだし。これ以上面倒なことにはならないだろう」


出雲に行く日もどんどん近くなっているから、俺がでばらなきゃいけないレベルの面倒事に発生されるのも困る。


そう言えば、神々の宴会に持っていくお酒と食材の用意もしなくちゃな。

楓さんから、この宴会では神々が酒や食材を持ちよって行われるから映司様もお忘れなきようって言われてるんだよね。

お酒は龍酒を大量に用意すれば良いとして。

野菜、果物はフィロにお願いしてあるから。

フィロに確認すれば既に用意されてはず。


肉とか海鮮系もマジックボックスにストックは有るけど。

どれぐらいの量を持っていけば良いんだろう?


神々の宴会な訳だから半端な量じゃ駄目な気がするし。


こう言う疑問は悩んでも解決しないだろうし楓さんに相談するか。


「はい。ただいまー」


「おかえり映司にぃ。リンゴは私が抱っこするね〜」


車に戻ると寝ているリンゴを彩夏にひょいっと取られてしまう。


まぁ、彩夏が面倒見てくれるならそれでいいや。


「映司様。このまま帰宅と言う事でよろしいでしょうか?」


「帰る前にゲームショップが中に入っている大きなショッピングモールに寄って帰りたい。今日、気になってたゲームの発売日だから」


ゲームが買いたいのは本心だけど。

このまま帰ったら彩夏は車の中に一日中いただけになってしまうからな。



今からだと、何時間もショッピングモールで買い物できる訳じゃないとしても、車の中にいただけでお出かけ終わりってよりはマシだろう。


ーーー


「ねぇ映司にぃ、これとこれどっちが私に似合ってると……何をそんなに警戒してるの?」


「いや、こう言う時はだいたい面倒事に巻き込まれるからさ。因みに俺の好みは右の服かなぁ」


こうやって買い物していると、高確率で何か良くないことに巻き込まれるからなしっかり警戒しておかないと。



ショッピングモールに到着した後。

先ずはゲームを買って、そのあとは彩夏の行きたいお店にって感じでショッピングしているんだけど。

何か起こるんじゃないかと警戒していたら不満そうな顔をした彩夏に文句を言われてしまった。


ここで、彩夏って俺みたいに魔力で自分の服作れるよね?とか言おうものなら本気で拗ねられると思うので口にはださない。


「いや、何か起きるって。そんな都合のいい事……そう言えば、リンゴの件もソフィアねぇとデートしている時に巻き込まれたんだっけ?」


「ソフィアとデートしていると、なにかに巻き込まれてデートどころじゃ無くなる事が多いんだよね」


ほんと非リア達の呪いなんじゃないかって疑いたくなる。

ダンジョンの中にいた方が2人でのんびりできるレベルだし。


そんな話をすると入口の方で爆発音が聞こえた。


「…………ねぇ」


「爆発音した方に向かおう」


やっぱりこんな感じになるみたいだ。


爆発音のした方に急いで向かった。


ーーーー


爆破音がした場所に到着すると、道化のお面を被って顔を隠した集団がいた。


うーん。見た目的には怪しい。けど、見た目で敵と判断するのは……



「ウヒョヒョ。爆発音に釣られて新しい玩具がやってきましたよ?」


「ほんと日本人って馬鹿だよね〜爆発音がしたのに逃げるんじゃなくて近づいて来ちゃうんだから」


「えぇ全くもってその通りです」


敵決定だな。


全員。腹パンで気絶させてやった。


胸糞悪い奴らの匂いがプンプンしたし。


「ね、そいつら世界中で虐殺テロを繰り返してる狂ったテロ集団じゃない」


「そう言われてみれば、そんな集団がいるってニュース良くやってた気がする。転移スキルを所持したメンバーがいるらしく派手に暴れているのに未だに捕まえる事が出来ないって」


「そ、その通りです。龍王ともあろう御人が油断しましたね。転移が出来れば相手が龍王であろうと逃げる事ができる!」


どうやら一人意識の残っている奴がいたようだ。


加減をミスってしまったらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る