第329話
「良しっとこれで終わりっと」
既に発射された状態で保管していた核兵器の廃棄は少し派手になってしまったけど。
鹵獲した潜水艦に保管されていた予備の核兵器に関してはダンジョン内に置いておけば勝手にダンジョンが吸収してくれるので特に見届け人として参加している人達が驚くような事は起きなかった。
と言うよりか地味すぎて二個目、三個目と処理しているのに気づかれなかった。
「それじゃ俺のやる事は終わったので帰りますね?」
本来ならこの場で現地解散見たいな事は許される分けないんだけど。
俺がいる方が、俺と関わりを持とうとして変な事をしないとも限らない。
そんな事が起こる前に俺がこの場から消えてしまえば良いと言うことで、途中で勝手に帰ることを事前に了承して貰っている。
俺だったら、駄目って言っても勝手に帰るだろうなって思われているからってのも有りそうだったけど。
まぁ、帰れるんだからどっちでも良いや。
「と言う訳で、借りてた腕輪型のマジックバッグをお返しします。遅くなってしまい申し訳御座いませんでした」
核兵器を廃棄する事が出来たおかげで、ようやく借り物のマジックバッグを返す事が出来る。
「私でも貴重な物とは言ったが、これ一つしか持っていないという訳では無いから。無理に今返さずに、もう少し後になっても大丈夫だぞ?」
リーリンさんは俺の後ろに積み上がったダンジョンで手に入れた物やおやつ代わりの果物や俺の日常品の山を見ながらそう言った。
「借り物なのにいっぱい入るからって何でもかんでもマジックバッグに収納していた俺が悪いので、大丈夫です」
返す前にマジックバッグの中身は空にしないとって、全部外に出したら俺もちょっと想像以上に物が入っていてちょっとビックリした。
マジックバッグの中に入れておけば整理する必要無いとは言え、定期的に何が入っているのか隅から隅まで確認しないとダメだなって反省した。
「1つのマジックバッグに纏められないだけで、複数のマジックバッグに収納すれば良いだけなので」
「映司様頼まれたマジックバッグ持ってきたっす」
荷物の山が出来た時点で、これはダメだと思って家でダラダラしてた雷太にマジックバッグを持ってくる様にお願いしていたんだけど。
タイミングが良かったな。
偶にしか使わないけど、眷族となら念話できるって地味に便利だよね。
「それもそうか。ならこれは今返して貰おう。後、桃源郷の景観が悪くなるからその荷物の山は早く片付けるように。片付けるのが余り遅いと吸収して処分するからな?」
「直ぐに終わらせます!と言うわけで雷太も手伝って」
「分かったっす」
吸収されちゃ困るものも沢山あるので、雷太に手伝って貰って急いで荷物の山を複数のマジックバッグに収納した。
「あ〜疲れた。複数のマジックバッグに収納するならある程度ジャンル事に分けた方が良いかなとか思っちゃったせいで地味に時間がかかった」
今は、荷物の山を収納し終わって家に帰って来て、クラリスさんが入れてくれた紅茶を飲みながら休憩中。
複数のマジックバッグを使うと、どのマジックバックに何が入っているのか分からなくなっちゃうので。
少しでも分かりやすいように、ジャンルごとに纏めてマジックバッグに仕舞うことにしたのは良いけど。
山のような荷物を1つ1つ分類していくのは普通に時間がかかってしまい大変だった。
それにしてもクラリスさんの入れてくれる紅茶はほんとに美味しい。
「そうそう。映司様、金曜日の19時45分発、EG国行きの航空券を確保出来ました」
学校が終わってから急いで空港に向かう感じだね。
まぁ、転移を使えば余裕を持って空港に到着出来るし問題ないだろう。
マジックバッグが有れば学校に旅行に必要な物を持って行っても邪魔にならないし、バレる事は無い。
……やっぱりリーリンさんにマジックバッグを返すの、もうちょっと後にすれば良かったかも。
俺が持っているマジックバッグでもそれなりの重量を収納出来るけど。
リーリンさんに借りてたものの方が持っと物を入れられるし。
色々と余裕があった方が何かあった時も安心だ。
今更、やっぱりもうちょっと貸してくださいって言いに行くのも恥ずかしいし。
闘技場で今、俺が持っている物より性能の良いマジックバッグが手に入らないかチャレンジしてみるか。
性能の良いマジックバッグを手に入れる為に本日二度目の交差点ダンジョンに向かうことに決める。
物欲センサーが仕事しそうな気もするけど。
何でか闘技場では欲しいと思ったものが意外とすんなり手に入る気がするので多分、あっさり手に入るんじゃないかな?
それに手に入るまで闘技場に挑戦すれば確率は100%な訳だからな。
手に入るものはどれもレアなものだし。全然マジックバッグより便利な物が手に入る可能性だってあるしな。
何度も作業のように挑戦するのも苦にならないからな。
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