第330話

「マジックバッグより便利な物がドロップするかもとは思ったけど……これは凄いな」


現状俺が持っているものより性能の良いマジックバッグを手に入れようと、いつも通り闘技場でアイテム集めをしていたら凄い効果を持った魔導具が手に入った。


神器のレプリカとかも手に入ったけど。それより凄いと思う。


見た目はただのドアノブ何だけど。

このドアノブを使用すると30畳程の広さの部屋に入れるようになるらしい。


この部屋は異空間に存在するらしくドアノブを持っていれば何処からでも入室する事ができる。


「転移が使えるから何処からでも入れる部屋の価値は少し下がるけど。転移を使えない状況ってのも有るだろうし。兎に角一回使って見よう」


ドアノブに魔石をいくつか吸収させて効果を発動させると、何もなかった空間にドアが現れる。


ドアノブを回しドアを開けると、中には鑑定モノクルで確認した通り広い部屋が広がっている。家具が何一つ設置してないし、フローリングなので俺には何畳分の広さが有るのか良く分からないけど。

鑑定で分かった情報通30畳有るんだろう。


「とは言え鑑定モノクルで分かった情報に無かったドアがあるし。もしかしたら違う可能性もあるけど……とにかくドアの先に何が有るのか気になるし、ちょっと見てみるか」


鑑定モノクルで調べた時は30畳の広さの部屋に繋がっているドアを作り出すドアノブって話だったのに、俺の入ってきたドア以外にもう1つドアがあった。

ドアの先には部屋がもう一室あったりするのだろうか?


少しだけ警戒してドアを開けてみると、ドアの先はトイレだった。

ウォシュレット付きで便座を暖かくすることも出来たりと結構高性能そうな洋式便器だ。


気になるのがウォシュレットとかを操作するボタンが一纏めになっている操作盤に、

トイレをした後に水を流し足りする時に押すボタンがなくて『分解』ってボタンが有るのが凄い気になる。


鑑定モノクルで調べてみると、どうやらこのトイレ大とか小を分解処理するらしい。


確かに異空間にある部屋なんだから下水道なんか通って無いだろうし、水を流した所で大とか小を処理する事は出来ないだろうけど。

分解って随分物騒な処理方法な気がする。


この分解機能が付いた武器とかあったかなり凶悪な武器になりそう。


分解レーザーを照射するレーザーガンとか。


そんな武器は存在しない事を願っておこう。


今は、トイレがある事でトイレをする度にこの亜空間にある部屋から出る必要無くなった事を喜んでおこう。


それにしても異空間にあるけど、窓があって庭っぽいものが見えるんだよね。

窓を開ける事はできないので見た目だけ見たいだけど。


だから窓と言うか巨大なスクリーンに庭の映像を移しているイメージ?

でも、これが有るおかげで閉鎖空間感がかなり和らいでいる。意外と重要な設備かも?

何かが起こって長期間この部屋で暮らす事になった場合、閉鎖空間感が和らいでいると言うことはかなり重要になってくるんじゃないかな?



「後は、ここで住めるように最低限の家電とか家具を運び込んでおかないと……コンセントは見当たらないけど。魔石を燃料に動く家電ならちゃんと動くだろうしそれを搬入すれば良い」


何か隠れ家を用意している感じがしてだんだん楽しくなってきたな。

いやまぁ、俺一人で使う予定は無いから隠れ家ではないと思うけど。


取り敢えず確認はここまでにして外に出よう。


「そう言えば部屋の中から外の様子を見たり出来ないのかな?」


入ってきた時に使ったドアを開ければ、この魔導具を使ってドアを出現させた場所に出ることができるはずだけど。


出る前にクリアリング出来ないとちょっと不安だよね。


入口のドアは閉まっている状態なら外から見える事はないらしいから心配しすぎかも知れないけど。


そう言えば入口のドアの近くの壁ににインターホン見たいのが設置されていたな。


スイッチを押してみると、魔導具を使いドアが現れた周辺の映像がインターホンの液晶部分に映った。

こうやって簡単にクリアリングがする事が出来るようだ。


それにしてもドアを開けたらすぐに部屋で玄関が存在しないので、靴を脱がないで土足で上がる感じの部屋になるかな。

と言っても、泥まみれの靴で上がられてフローリングが汚れるのは嫌だし、小さい靴箱を用意して、部屋の中では室内履きで生活する感じにしようか……


ダメだ内装に付いて考えてると何時までも考えてしまう。

この魔導具は凄い当たりのアイテムだけど。

俺の願いは高性能マジックバッグだからな。


早く外に戻って闘技場でのアイテム集めを再開しないと。


一瞬、家具を一切設置せず。30畳分の広さのある持ち運び自由の倉庫として使うか?と言う考えが浮かんだけど流石に勿体ないと直ぐに却下した。


なお、マジックバッグやレア度が低い物でもかなりの収納量を持っていて、時間停止機能まで標準装備されている代わりに中に物が1つでも入っていると動かす事が出来なくなるアイテムボックスをこの部屋に置いておけば。

生活スペースとして使いつつ倉庫としても使える事に気づくのはもう少しあとの事である。



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読んでいただきありがとうございます。

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