第265話

「魚を獲る為に那覇ダンジョンに通うのは確定だな」


それにしても、ほんとに動画で捌き方を確認しただけなのか?と言いたくなるような鮮やかな手つきで捌いてたな母は。


ウィーを連れていけば那覇ダンジョンで魚取り放題だし、母がいれば捌くのも問題ない。

一度に多くの数を捌いてって言ったら自分でやれって言われるだろうけど。

ダンジョンで採ってきた海藻で作った海藻サラダも美味しかったな。


そうだ。フィロにアボカドを育てて貰おう。

山芋とかも、マグロと相性いいよな。


新しい野菜を育てるなら追加で畑を用意する必要があるか……

現状、畑として使える場所はフル稼働中だからな。

と言っても直ぐに農地として使える場所は残ってないんだよな……

今、フィロが農地として使っているところも野菜や果樹を凄い速度で育てているから土を休ませないといけないとも言われている。


そう考えるとすぐに育てて貰うのは無理か……


ダンジョンで肥料に使えるような物が手に入ったら譲って欲しいとも言われている。


それなのに新しい野菜を育てて欲しいってのはちょっと難しいか。

桃源郷の土地を借りれば、それだけで解決する問題でもあるけど。

それは最後の手段だな。


まぁ、今は好きなだけマグロを堪能しよう。


ーーー次の日ーーーー


「昨日まですっかり忘れてたけど地球からプレゼントがあるって話だったな」


すっかり忘れていたけど。魔石発電炉の危険性の排除の為に新しいアイテムを用意するって話を地球からされていたのを思い出して交差点ダンジョンの闘技場に来ていた。


闘技場のクリア報酬として用意しておくって言われていたからだ。


「少し試したいこともあるしね」


敵として現れた体が炎で構成された炎の魔人と戦闘を始める。


スゥと違ってやる気満々なようで助かった。


いくら魔物と言ってもやる気のない相手と殺し合い何てするつもり無いからね。


憤怒の王を炎の魔人に対して使用して魔人の体温を急激に下降させる。


憤怒の王の能力のひとつはあらゆる温度を上昇させる事が出来るというものだと思っていたけど。

実際にはあらゆる温度を操る事が出来る。

つまり温度を上げるだけではなく下げる事も出来るというものだった。


気づいたのは最近だけどね。


憤怒の王を何度も使う事で理解度が高まったのか、俺が種族進化したことで憤怒の王を今までより使いこなせる様になったからか。

理由は分からないけど。

憤怒の王にはまだまだ先がある気がする。


「取り敢えず体温をゼロ度まで下げて見たけど。動きが悪くなるだけで、これだけで倒せるって感じじゃなさそうだね」


炎が消えて岩で出来たゴーレムの様な見た目になってしまったけど。

動きが少し悪くなった程度でこのまま待っていれば倒せると言う感じじゃないな。


「まぁ、もっと温度を下げる事も出来るんだけどね」


初めて使うし最初から全力で温度を下げるのはリスクがあるので取り敢えずゼロ度まで下げただけで、それが限界という訳では無い。


使って見た感じ、暴発したりする感じはないので更に炎の魔人の体温を下げて行く。


今度は一気に絶対零度まで体温を下げる。


炎の魔人は体が徐々に氷ついて行き最終的には氷像になってしまった。


砕かないと倒した事にならないかなと近づいて行くと、氷像になってしまった炎の魔人が消えた。

代わりに宝箱が出現したので、あれで倒した判定になったと言うことだろう。


「スポーンチェッカーの設計図か」


魔物が出現する場所を音を出して知らせてくれる魔導具らしい。

結局このスポーンチェッカーがどれだけ信用できるかという話になるだろうけど。

魔石発電炉を稼働させたから、周囲に魔物が出現するようになる訳ではないって証明はできるか。


でもやっぱり魔石発電炉を稼働させるのはレッドムーンが過ぎてからにした方が良いか。


レッドムーンはダンジョン関係なしに地球上に魔物が出現する人間からしたら悪夢のようなイベントだからな。


魔石発電炉を稼働させたからレッドムーンが発生したなんて言われたら面倒だ。


どちらにせよレッドムーン前に魔石発電炉を実用段階まで持っていくのは無理な話か。


それに魔石発電炉の存在が無くても、俺のせい、見たいな逆恨みをしてくる人は出てくるだろう。

目立つってのはそう言う事だからな。


「最低限用は済んだけど。一回だけで帰るのもね」


便利な物がドロップするかも知れない。

もしくは面白いもの。


河村さんにスポーンチェッカーの設計図と両生類使いのスキルの書を渡しに行く必要が有るけど、今すぐ行かなきゃ行けない訳でもないからな。


ーーー


「うーん。まぁまぁかな?」


何回か闘技場を挑戦して魔力を流し込むことで魔力の刀身を形成するマジックブレードと言う見た目は柄しかない剣とか生命の泥と言う 錬金術のスキルを使って人工魔物を創造する時に使う素材とか薬草とかを入れるとそれを元に温泉の元的なものを作ってくれるちょっと変わった魔導具もドロップした。


マジックブレードは物理攻撃判定では無く魔法攻撃判定なので、物理攻撃にやたら耐性を持った魔物と物理攻撃しか出来ない冒険者が戦う時に重宝しそうだなと思った。


俺が使うことはないと思うけど。


生命の泥に関しては……どうなんだろうね?

この泥を使って人工魔物を創造したらすごい魔物が誕生しそうだけど。

何となく制御が効かなくて暴走しそうだし。

しばらく放置かな。

人工魔物関連がどうなっているかよく分からないし。

そういえば、SCSFと残念猫の話がどうなったのかも聞いてない。

騒ぎになっていないと言うことは問題は発生していないってことだろう。


この後、河村さんに軽く聞いてみるか。


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読んでいただきありがとうございます。

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