第361話
「酷い目にあった……」
「あぁ 、全くだ……」
「反省が足りないみたいだね?」
「そのようですね?」
「いやいや、そんな事ないよ。ねぇメナージュ?」
「ああ、ソフィアの言う通りだ。物凄く反省してるからな。もう説教の必要はないぞ」
ソフィアと姫さん(メナージュ)が何かいつの間にか仲良くなっている。
同じ条件で怒られた事で友情が芽生えたとか?
いやまぁ、仲良くなった事自体は悪いことではないけど。
「それにしても。魔法を使ってならまだしも、ああ言う方法でエルフに武器を奪われるとは思わなかったぞ」
「映司と一緒に行動するならこれぐらい出来ないとね」
いやいやそこまでは……と言いたいところだけど。
実際、俺と一緒にいると色々巻き込まれるからある程度強い方がいいと思う。
「確かにドラゴンと共にとなるとあれぐらい出来ないといけないのかも知れないな。それではソフィアよ、また模擬戦をしよう」
そう言ってメナージュは帰って行った。
「思ったより時間を取られたけど……まぁ、現地の人と仲良くなったと考えたら無駄な時間ではなかったか」
そもそも。絶対にこれをしなきゃって予定は無かったしな。
「今日はこれから何する?森に行くにはちょっと微妙な時間だし」
1番近くの森が無くなっちゃったから、森まで歩きだと時間がかかっちゃうからな。
今の状態だと転移を連続で出来ないし、飛んで行けばまぁ、そこまで時間かからないけど。
飛んでまで行く気にはならないな。
「なら 、服を買いに行きたいかも。そんなに沢山マジックバッグに収納してた訳じゃないし。ウィーがいるなら最悪1着しかなくても毎日綺麗な服を着る事は出来るけど。気持ち的には流石にもうちょっと服が欲しいなと……」
俺は服を魔力で作ってるから服の心配は要らないけど。
ソフィアはそう言う訳にはいかないからな。
寄生茸の件の報酬も貰っているから服ぐらいは余裕で買えるだろう。
好きなだけとはいかないだろうけど。
服とか高そうだし。街を歩いている人達を見るにそこまで衣類のレパートリーは無いからそんなに沢山買わないだろうけど。
「確かに服は必要だよね。服買いに行こっか。冒険者が行くようなお店は行ったけど。それ以外のお店はほとんど行った事が無いから。そう言うお店をまわって役立ちそうなものを買うのも良いかもね」
この街に来て数日経つけど、行ったことある場所は冒険者が使うようなお店とか食材を売ってるお店、冒険者ギルドと図書館ぐらいだからな。
この機会に色んなお店を見て回るのもいいだろう。
女性が服を買いに行くのにそんな事をする時間が有ればだけど。
ーーー
新品となるとオーダーメードが基本だけど。
ソフィアに古着を着せるにもなんかな〜と思ったので、オーダーメードじゃないけど。
新品の服を売っているお店を探して街をうろちょろ。
途中で香辛料を売る露天商がいたので、調味料を買わせて貰った。
少し話を聞いたら、その行商人は例の大陸全体が砂砂漠の大陸ズレロタ帝国から来ているらしい。
香辛料貿易ってやつか。そこそこ値段がしたし稼げるんだろうな。
この世界、魔物もいるし長距離を移動する行商人はかなり命懸けなんだろうけど。
ともかく香辛料が手に入ったのはラッキーだった。
宿とかで胡椒とか料理に使われてはいるけど。
個人では使う量を売っているお店が無かったから、自分で料理する時にかなり味気ない料理になっちゃってたからな。
現状、自分で料理しなきゃ行けない状況って少ないけど。
ゼロでは無いだろうからね。
その後は新品では有るけど。練習中の服飾士が作った平民向けの服を売っているお店を見つけて、そこでソフィアの服を買うことが出来た。
服屋さんには1時間ぐらいいたけど。まぁ、早い方じゃないかな?
その後も目に入ったお店を冷やかしたりしっかりお客さんしたりしていると。
ダンジョンの入口周辺が少し騒がしい。
少し聞き耳をたててみるとダンジョンで出現する魔物の数が減っているという事で、ダンジョンに何が起こっているのか?と話しているらしい。
多分だけど。混沌大陸の穢れを浄化し続けているせいだよな?
穢れを浄化する聖炎をどうにかしようとそちらに力を使っているとか……
ってそれって可笑しくないか?
ダンジョンの核として使われている邪神の1部はダンジョンの運営に強制的に力を使っているから他のことに力を使う事が出来ないんじゃ無いのか?
そうだとすると既に邪神が力を取り戻しつつあって色々出来るようになってるとか?
ちょっと想定外だな。現状を詳しく説明出来る存在いないかな。
もし本当に邪神が力を取り戻しつつあるとかだと俺が思っているよりタイムリミットは少ないかも知れない。
とりあえず。ダンジョンの最奥に行って核を確認……したところで何がどうなっているのか俺じゃ分からないだろうし。
核の破壊も無理だろうしな。
俺で破壊できるなら創造神がバラバラにして封印なんてことしないだろうし。
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