第28話
撮影機材の準備があるとのことで廣瀬博士と一度別れて、ホテルに帰る。
ホテルのロビーで人が行ったり来たりして凄い忙しそう。
会場の設営で忙しいみたい。
お疲れ様ですと心の中で思いながらスイートルームに帰る。
ご飯を食べて会見の時間までソフィア様の話し相手になりつつ時間を潰して開始30分前に河村さんから連絡が来たので下の階におりる。
「直接会うのは2日ぶりぐらいですか?お久しぶりです。河村さん」
「毎日電話は来てるし、報告が毎回重要なものすぎて久しぶりにあったと言う感じがしないけどね。まぁ今回は酷いマスコミはいないはずだから」
それは良かった。早くこんなこと終わらせてダンジョンを探索したい。
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記者会見は思った以上に平和に終わった。
まぁ結構ギリギリな質問も来たけど、あのぐらいはまだマシだろう。
「まぁ信じてくれるかは微妙だろうな」
スタンピードが起きるかも?って思っていた人はいるだろうけど。
実際に起きますって言われても実感が湧く人はいないだろう。
こう言うのは1回起きないと実感が湧かないからな。
「ところで廣瀬博士さんはほんとに良かったんですか?」
結局廣瀬博士はSCSF(スキル犯罪鎮圧部隊)
に俺と同じ特殊隊員として所属することになった。
と言うかSCSFが警察から迷宮省に所属が変わって特別隊員の大規模募集をするらしい。
名目上は廣瀬博士もそれで採用ということになるそうだ。
「あの会見を聞いた後だとね。まぁ法螺話だと決めつけて実際にスタンピードが起きて後悔するより。力をつける方が重要だと思うし」
「映司様騙されちゃダメっす。こんなにすぐにSCSFに所属するのを決めたのは俺がダンジョンマスターの機能で始祖鳥をポップさせてテイムさせてあげるって言ったからっす」
恐竜で釣ったのね。
まぁテイマーが従魔を仲間にすることはいい事だし雷太が良いなら良いけど。
従魔が育ってダンジョンマスターより強くなっってダンジョンが気に入ればダンジョンマスターになることも有るみたいだし。
「じゃあ今から交差点ダンジョン行ってみますか」
廣瀬博士も合法的にダンジョンに入れる訳だし。
という訳で交差点ダンジョンに入ってトラップウィードの生垣迷路の前で雷太が始祖鳥をポップさせるのを見守っている。
「始祖鳥Jrっす。魔物は強ければ強いほどテイムが難しくなるっすから1番弱い状態の魔物が狙い目っす。テイムしたあとレベリングして強くするのが堅実で確実っす」
テイムには成功確率があって魔物が強いほどテイムの成功確率は下がる(魔物が認めた場合は自動成功)と言う仕様らしい。
強い魔物が人間の獣魔になることを認めるなんてほぼないので、強い魔物を獣魔にするにはその魔物の進化前を探してテイムして育成して進化させる。
そう言う方法を取った方が確実らしい。
「ってことは始祖鳥って強いの?」
わざわざ進化前をポップさせたってことだよね?
「ちょっと大変っすけど始祖鳥Jrを進化させずにずっとレベルアップさせていくとアルパガスって言う強い魔物に特殊進化するって言う理由もあるっす。姿はちゃんと始祖鳥のままっす」
魔物の育成も奥が深そうだな。特殊進化とかも有るみたいだし。
特定のアイテムを使用して進化とか他にも条件がありそう。
雷太とそんなことを話している間に廣瀬博士がフラフラ歩く始祖鳥Jrに近づいて行きコミュニケーションを取ろうとしている。
「成功しました!名前はアルにします。と言うかあっさり魔物をポップさせましたけど。そう言うのを見るとほんとにダンジョンマスターなんだなって実感が湧いてきますね」
確かに…なら今の状況を録画してもらって動画として投稿してもらうのもありか……
いや今ダンジョンの中の動画を投稿なんてしたら一般人のダンジョン入って見たい欲が振り切れちゃう可能性があるから却下だな。
「それにしても可愛いな。俺も可愛い魔物を仲間にしたい」
そう言いながらアルの方を見ると
アルは廣瀬博士の足と足のに挟まりながらビクビク震えている。
もしかしなくても俺怖がられてる?
「恐竜も竜近い魔物っすから本能的に龍だと感じとって怖がっちゃってるっすね」
マジか。俺もしかして龍になったせいで小動物とかと触れ合えない体になっちゃった?
「ショックすぎてやばい」
「そんなことはどうでもいいっす。早速
アルのレベル上げをするっす」
アルが怖がるので少し離れて後ろからトラップウィードの生垣迷路に侵入する。
アルは火属性のブレスを吐くことができるらしいので植物系の魔物なら楽々倒せるからちょうどいいらしい。
ちなみにトラップウィードは迷路系って1度攻略されると次から簡単に突破されてしまう。
そうならないようにするには短期間で経路を何度も変えるしかない。
それをするにはリソースを消費しすぎる。
なら生垣迷路の役割ができる魔物を使えば良いじゃない。魔物なら自動で迷路の経路を変更してくれるし、ダンジョンのリソースを消費しない。
迷路としてしか利用しないため、このトラップウィードは攻撃できないように設定してあるので、さらにリソースが少なくなっている。
小リソースで地図が作成出来ない生垣迷路なんすと雷太が自慢していた。
意外に考えてダンジョン作ってたんだなとちょっと雷太のことを見直した。
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