第10話

「そのデカムカデの体液。デカムカデを呼ぶ効果があるみたいです」


とりあえずすぐに伝える必要があると思ったので大声でデカムカデの体液の効果について教える。


その後すぐに追加のデカムカデ正式名称はヒュージセンチピードだったかが来ていないか、通路の両側を確認すると。


予想通り両方から3匹づつヒュージセンチピードがきている。


「両方から3匹づつデカムカデが来ています。こっちは俺一人で何とかするので、そっちの追加は皆さんにお任せします」


そう言ってヒュージセンチピードを倒すことに集中する。

と言ってもコウモリのときみたいにブレスを吐けば終わりだけど、せっかくそれブレス以外にも火を使った攻撃ができることがわかったんだから、それを試してみるか。


理想は攻撃力はあるけど、周りにはあんまり被害を出さない攻撃。


ブレスは周りごと蒸発させちゃうから使いどころが少なそうだし。

せっかく攻撃力はあるのに、周りにも被害が出ちゃうから使えないってのはもったいない。


普通にファンタジーでよく出てくる火の矢を飛ばすのが良いんだろうけど、なんかそれじゃ普通だよね。


ブレスを圧縮して吐き出すのはどうだろう?

ブレスと言うよりかレーザーを吐き出す感じ。


ポケットなモンスターのてっていこうせん的な感じかな?

でもあれ自分もダメージくらっちゃうわざだし。それをイメージに使ったら反動ダメージくらいそう。

そういえば別に口から吐き出す必要ないよね?


例えば指先に魔力を集めて火を圧縮して熱線を発射するみたいな。


ドラゴンなあれのデスなビームっぽい感じで


「今新しいわざを考えてるんだから邪魔しない!」


のんびりと新技を考えている間に接近して噛み付こうとしてきたヒュージセンチピードに警棒を叩きつけて頭を叩き割る。

まだ動き回ってるけどそのうち倒れるだろう。頭潰れても即死しないのはさすが虫といったところか。


ヒュージセンチピードにダメージを与えたのはいいけど。

力が強かったらしく警棒が1発でひしゃげてしまった。

俺が使うならもっと頑丈な武器が必要みたいだ。

やっぱり火を使った攻撃がメインになりそうだな。


後ろでは同じくヒュージセンチピードと戦闘をしている河村さん達がいるので、後ろには下がらず。人差し指を無傷のヒュージセンチピードのうちの一体に向けて熱線を発射する。


熱線はヒュージセンチピードを蒸発させて貫通する。

今回蒸発したのは熱線が触れた場所だけなので周りの被害は最小限だ。


コウモリに向かって吐いたブレスと火力は変わらなそうだし。

被害も抑えられる。思いつきで作ったにしてはいいんじゃないかな?


正直最初に考えた火の矢でも同じ火力を出せそうな気もするけど…


まぁ熱線なら人差し指からだしたまま人差し指を動かして敵をスパスパ切っちゃうみたいな使い方もできるだろうしきっと無駄ではなかった!そう思うことにしよう。


そう言えばもう一体残っていたなと思い出しもう一体のヒュージセンチピードも熱線で倒しておく。


(Lvが上昇しました)


3匹目のヒュージセンチピードが黒いモヤになって消えるとそんなアナウンスが頭の中に響く。

どうやらLvが上がったようだ。

龍だからLvをあげるための必要経験値が高いみたいなこともあるかもなって思ってたけど。コウモリ2匹のヒュージセンチピード3匹倒しただけでLvが上がったんならそんなことはなさそう。


それと魔物は死ぬと魔石だけ残して消えるようだ。

死体を素材として活用したりはできないらしい。

確率で魔石と一緒にドロップしたりするのかもな。


地面に落ちてる魔石を回収して追加のヒュージセンチピードが来てないか確認する。

どうやら追加は来ていない。

魔物の総数が少なそうな1階だから増援は6匹だけで打ち止めなのかも。

そう考えるともっとエンカウント率が上がった階でこう言う魔物と戦闘することになったら厄介だなと思った。

ヤバそうだったらブレスで通路ごと燃やしちゃえば良いか。


河村さんたちはまだ戦闘しているようだ。

ただし最初と違ってスキルも普通に使用している。

やばそうだったら手伝おうかなと思っていたけど。大丈夫そうだしゆっくり観戦しとくか。

そう言えば母さんにスパムおにぎり渡されて持ってきてたな。

ちょうどいいのでお昼ご飯にしよう。


主婦スキル持ちの母さんが「疲れが取れるように気持ちを込めて作った」って言ってたので実際に疲れが取れる追加効果がついてるだろうし。食べといて損はないだろう。


「うん美味しい」


特に疲れたって感じはしていなかったけど体が軽くなった気がする。

初めてのダンジョンで無意識に体に力が入って無駄に体力を消費してたのかも。


河村さん達にも戦闘が終わったら食べてもらった方が良さそうだな。俺より疲れてるだろうし。


桜さんが手でピストルを作ると指先に火の弾丸が作り出される。

指先から火の弾丸が発射されてヒュージセンチピードの甲殻を貫通する。


鑑定スキル持ちの人が手のひらをヒュージセンチピードに向けると手のひらの前に三日月状で緑色の刃が現れる。

あれは風魔法だな。

三日月状の刃がヒュージセンチピードを真っ二つにする。しばらくピクピク動いていたけど動かなくなって黒いモヤになって消える。

素材が手に入らないのは残念だけど体液とかも綺麗に消えるみたいで通路が綺麗になるのはいいよね。



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読んで頂きありがとうございます。









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