第11話
「皆さんおつかれ様です」
センチピードとの戦闘を終えて肩で息をしている河村さん達と合流する。
スパムおにぎりを食べながら……
「あっ皆さんもスパムおにぎり食べてください。主婦スキル持ちの母さんが作ったものなので疲労回復効果があるので」
そう言ってなにか言われる前に河村さん達にスパムおにぎりを渡していく。
そこまで言うのならという感じで河村さんたちはスパムおにぎりを食べ始める。
1口食べると皆驚いた顔をしてスパムおにぎりを平らげる。
「主婦スキルパネェ。ほんとにスパムおにぎり食べただけで疲れが吹き飛んだんだけど」
まだ名前の知らない中隊長さんがそうつぶやく。
「河村隊長これは早急に主婦スキル持ちをスカウトするべきでは?食事の追加効果が想像以上に優秀です」
まぁそう思うのもわかる。
「別に料理に追加効果をつけれるのは主婦スキルだけじゃないと思いますよ。コックとか料理人だとか料理に特化したスキルを持ってる人もいるんじゃないですかね?」
特化してる分そっちの方が追加効果が強力な可能性もあるだろう。
料理の追加効果だけが目的ならコックとか料理人だとかそういった料理関係するスキル持ちを探した方が良さそう。
「この話はダンジョンを出てから検討しよう。料理の追加効果の強さは私も実感したが、今ここで検討する必要はないだろう」
河村さんの言う通りだな。
「そう言えば、河村さんたちはLv上がりましたか?」
「私は上がってないが、上がった人はいるか?」
そう言って中隊長達に河村さんが質問するが
中隊長達は全員首を横に振る。
あれ?おかしいな。俺が上がったから他の人も上がってると思ったんだけど。
河村さんたちはコウモリは倒してないけど、ヒュージセンチピードは4体倒しているし、
合計経験値的には同じぐらいだと思ってたんだけど。
龍なのにLvアップに必要な経験値が低い?
いやいやさすがにこれはないだろう。
おそらく…
「河村さんたちは6人で戦ったから獲得経験値が6等分されてる?」
等分かは分からないけど、6人で分配はされてるだろう。
「なるほどそのせいで1人で戦ってる映司くんと取得経験値の差が出て映司くんだけLvアップしたということか」
単純な計算だけど。そのまま6人で戦うとすると俺の6倍魔物を倒す必要があるってことだな。結構キツくない?
1人あたりの負担は減るわけだから一概に非効率だという訳じゃないけど。
「そうなると下の階に降りてヒュージセンチピードにちょっかい出して集めて倒してって言うのが1番楽にLvを上げれるかな?」
魔物の出現率が低い1階でLv上げをするのは非効率すぎる。
階を進むごとに魔物の出現率は上がるみたいだから下に降りつつ、ヒュージセンチピードにちょっかいを出してヒュージセンチピードを集めて倒す。それがわざわざ魔物を探して倒して回る必要ないし効率がいい気がする。
階が変わるごとに出現する魔物が全て変わるんだったら意味ないけど。
こう言うダンジョンは数階は1、2種類追加されるだけで出現する魔物が全部変わるってことはないだろう。
河村さんたちは正気か?って顔をしてるけど。そこまでヤバいやつを見る目で見ないで欲しい。
ヒュージセンチピードなんて対して強くないしどうとでもなるだろう。
「それよりかは5階まで降りてボスモンスターを倒す方が効率が良いはずだ。自衛隊はボスモンスターを周回してLv上げをしているようだからな」
ダンジョンには5階ごとにボスモンスターという特殊な魔物がいて、その魔物は倒すと数時間でリポップするらしい。
ボスモンスターは同じBPの魔物に比べて手に入る経験値が高いようだ。
なのでボスモンスターを倒してリポップをまって倒してというのを自衛隊は繰り返してレベルを上げてるらしい。
「なるほど。もっと効率がいい方法があるのはわかりました。でも自衛隊が使ってるんですよね?ここの5階でそれ俺たちはできるんですか?」
河村さんの目をみてそう質問すると河村さんはぷいっと俺から目を逸らした。
「というかなんで自衛隊とあんまり仲が良さそうじゃないんですか?」
「簡単に言えば指示系統の違いだ。上層部の政治家たちが互いに蹴落とそうと妨害をするからそのせいで仲が良くない」
はぁ、無能な政治家のせいってわけね。
早めに失脚してくれるといいんだけど…
そう上手くは行かないよな。
かと言って俺がなにかできるレベルの話じゃない。
「そうなると、まだ発見されてないダンジョンを発見して、スキル犯罪鎮圧部隊で管理するしかないんじゃないですか?」
無能な政治家も自分の勢力が管理するダンジョンは喉から手が出るほど欲しいだろうから、全力で手伝ってくれるだろう。
そうすればボスモンスター周回でLv上げができるだろう。
それにゲームだったらボスモンスターは初回討伐報酬とかあるからな。もしかしたらリアルダンジョンも初回討伐報酬が存在するかもしれない。
「と言ってもすぐには無理でしょうし、今日はヒュージセンチピードの特性を利用したレベル上げですね」
みんな絶望した顔をしてるけど、強くなるために必要な事だと諦めて欲しい。
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