第133話
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アンデッドドール
生き物の死体を利用したゴーレム。
使用した死体によって強さや獲得しているスキルが全く違うので注意が必要。
死体を継ぎ接ぎして、複数の生き物の特性を獲得させることも出来る。
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とりあえず、初めて見る魔物なので鑑定モノクルを使って魔物の情報収集をする。
死体を使ったゴーレムか…
複数の死体を繋ぎ合わせたアンデッドドール
はかなり厄介そうだ。
まぁ、今回のアンデッドドールは狼系の魔物オンリーのアンデッドドールなので、雑魚だろう。
既に殺さないように、炎をひも状に加工してぐるぐる巻きにして無力化はしてあるからすぐに倒せるし。
鑑定するために態々こんな回りくどいことをしたけど。もう要は済んだしさっさと倒しちゃうか。
と思ったけど、折角だしヴァンパイアっ娘の練習台になってもらうか。
ヴァンパイアっ娘がどれぐらい戦えるのか確認しておく必要もあるし。
「丁度いいし、ヴァンパイアっ娘戦ってみよっか。後、早く新しい名前決めて」
前の名前は使いたくないって言うから、ヴァンパイアっ娘って呼んでるけど、呼ぶには長いんだよね。
「名前はまだ考え中だからもうちょっと待って。と言うか恥ずかしくない名前を真剣に考えてるんだから、時間がかかるのは仕方ないじゃん」
まぁ、それもそうか。
「名前はわかったけど、戦闘はどうする?増援が近づいて来てるから早めに決めて欲しいんだけど」
狼型だから仲間意識があるらしく、後ろからぞろぞろ集まってきているのが見える。
「いずれ戦わないと行けないんだから戦うよ」
「じゃあ、拘束解除するから、ヴァンパイアっ娘一人で戦ってね。増援の方は俺が倒しといてあげるから。あとトラップ踏まないようにね?」
増援を熱線で貫きながら、アンデッドドールの拘束を解除する。
「〈シャドウバインド〉」
ヴァンパイアっ娘の影から鎖が飛び出してアンデッドドールに巻きついて拘束する。
血を操るだけじゃなくて魔法も使えるようだ。
「〈シャドウエッジ〉」
鎖の次は影ガセリ上がってきて、三日月状の刃になってアンデッドドールに向かって飛んで行く。
拘束されていて回避できないアンデッドドールは縦に真っ二つになった後、黒いモヤになって消えた。
「思ったよりあっさり終わっちゃった。映司にぃ魔物ってこんなにあっさり倒せるの?」
「まぁ、1階層目に出てくる魔物だからね。強い魔物はちゃんと強いよ。それとヴァンパイアっ娘が強いってのもある」
さっきのアンデッドドールはBP400程度で、ヴァンパイアっ娘は現時点で3000超えてるからね。
まぁ、ヴァンパイアって明確な弱点がある限りほぼ不死身の化け物ってイメージだし。
弱いわけが無いんだよな。
しかもその弱点が減る爵位持ちなわけだし。
ぶっちゃけ戦闘だけに関しては、慣れればヴァンパイアっ娘一人でダンジョンマスターまで行けるだろうしな。
実際はトラップが多いから、ヴァンパイアっ娘一人で行くとトラップで酷い目にあうことになると思うけど。
「確かに最初から強い魔物がいたらクソゲー認定待ったナシだもんね」
「まぁ、ダンジョンの難易度が上がると、普通に強い魔物が出現するけど」
ここは下位ダンジョンだからね。
もっと難易度が高いダンジョンは全然あるし。
「まぁ、油断はするなってことでしょ?
そういえばあれが魔石だよね?」
そう言ってアンデッドドールがドロップした魔石を拾いにフラフラ歩いていってしまう。
トラップいっぱい有るって言ったのに…
思った通りヴァンパイアっ娘がトラップを発動させて床から生えて来た槍で串刺しになっている。
「映司にぃ見てないで早く助けて」
「助けるって言っても、どう助ければいいの?ヴァンパイアなんだし霧になって脱出すればいいんじゃない?」
正直、串刺しになった人をどう助ければいいのかわからんし根元を追って引っこ抜けばいいのか?
「霧になれーって念じればなれるのかな?」
その後数分う〜う〜唸っているとヴァンパイアっ娘が霧になった。
「脱出できたー!!」
「このダンジョンはトラップが多いから勝手に歩いてっちゃダメだよ?今回はただ槍に串刺しされる程度だから大丈夫だったけど。他の階層に転移させる罠とかだったらたいへんでしょ?」
普通は串刺しになる程度なんて言えないんだけど、ヴァンパイアだからな。
「身に染みてわかったよ。絶対、映司にぃの前に出ないよ」
まぁ、ヴァンパイアっ娘が歩き出した瞬間に止められなかった俺にも問題はあるんだけどね。
「そういえば、初めて生き物を殺したわけだけど。気分とか大丈夫?」
「飛び道具を使ってるようなものだし、特に気分が悪くなったりはしてないよ。それより、串刺しになった方が衝撃的だった」
それもそうか、ヴァンパイアになったことで精神構造が少し変化してるだろうし。
生き物を殺すことに躊躇したりはしなそうだな。
串刺しになっても冷静だったし。
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読んで頂きありごうございます。
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