第237話

あの後、そんな大袈裟なことを言いやがって調子に乗るなよと騒ぎ出す奴らが出てきたので、試しにトスバッティングをしたら黙ったので、俺が打席にたった場合はバントのみと言うことで試合が再開された。


ボールの着地地点に小さなクレーターができて金属バットがボールの形に大きく凹んでいるのを見たら文句を言うようなチャレンジャーはいないだろう。


バントした後走っても余裕でセーフ取れるし、その気になればランニングホームランだって余裕だけど、それをやると風圧とかで被害が出ると思うので、これまた手加減して一塁で止まる。


ここまで楽しくないスポーツは初めてかもしれない。


昼休みになったら闘技場に行って暴れよう。

そうすれば溜まったストレスも発散できるだろう。


昼休みにがっこうを出るのは校則違反だけど、そんなのしったこっちゃねー

何とか体育を乗り越えて3時限目4時限目と授業を受けてようやく昼休みだ。


マギアイアンワイバーンの唐揚げの入ったお弁当を食べた後、人目のつかない場所で交差点ダンジョンに転移した。


「昼休みが終わるまで後40分。それなりに暴れられるな」


そう思って闘技場に入ろうと思ったけど、闘技場に入る為の魔法陣が存在しない。


誰かが闘技場に挑戦していると言うことだ。


雷太には俺の身内しか入れない専用サーバーを用意してもらっている。


なので今闘技場に挑戦しているのは……


「あれ、映司。今は学校にいる時間じゃないの?」


予想通りソフィアが闘技場から出てきた。


「体育の授業が手加減に手加減を重ねる必要があってストレスマッハだったから、昼休みにストレス発散をと思ってここに来たんだよ」


「あぁなるほど。確かに映司の身体能力からするとそうなっちゃうわよね。それと、本当はもっとレアなスキルの書を手に入れてからと思ったんだけど……」


そう言って二冊のスキルの書をソフィアが手渡して来た。


〈地魔法〉と〈火魔法〉のスキルの書のようだ。


「私にスキルの書を融通してくれる代わりに、私は映司にスキルの書二冊を代金として用意するって約束したでしょ。本当は映司が使えるスキルの書を用意したかったんだけど。現状で私が手に入れられるスキルの書の中で一番価値が有るのは魔法系スキルのスキルの書だって雷太に言われたから……。これ以上スキルの書を渡すのが遅くなるのも申し訳ないし」


そう言えば、ソフィアと出会ってすぐの時にエルフだけど、エルフであることを生かせる攻撃スキルを持っていないと言うことで、俺がソフィアの役に立つスキルの書を用意する代わりに、ソフィアは俺にスキルの書を二冊用意するみたいな約束した気がする。


あの時とは関係も違うし、そこまで気にしなくてもと思うけど。

ソフィアからしたら、そう言う訳には行かないか。


「そんなことないよ。俺がソフィアに上げたスキルの書と同価値のものを2冊だからね。俺の方が得をしている訳だし」


スキルの書を2冊受け取ってマジックバッグに収納した。

その後は闘技場で暴れるよりソフィアとイチャイチャしていた方が癒されるので、キャンプで使う組立式の椅子とテーブルをマジックバッグから取り出して、お茶をしながら話をして昼休みの時間を過ごした。


「そろそろ学校に帰らないと授業が始まっちゃうな」


「それじゃ私も交差点ダンジョンを出ることにするわ。リソースとして捧げるウィーの抜け毛も無くなっちゃったし」


そう言えばソフィアは闘技場を利用するためにウィーの抜け毛を利用してるんだったな。


「それにしても交差点ダンジョンにはどうやって来たの?クラリスさんに車を運転してもらって?」


「ウィーのレベルが上がった結果。池から池に転移できるようになったから、雷太にお願いして交差点ダンジョンに池を設置して貰って、桃源郷のお酒が湧き出る池から転移して来たの。映司がE国に行って私が日本で留守番している間に出来るようになってたんだけど。映司が自力で転移できるようになっていたし。お披露目する機会がなかったのよね」


ウィーそんな事まで出来るようになっていたのか。

ウィー万能過ぎないかな?


水のあるところなら何処でもという訳ではなく。一度でも訪れた事のある池限定とは言え転移出来るようになったってのは凄いことだ。


そう言えば、その池判定はどう言った基準で誰が決めてるんだろう?

ウィー本猫なのかな?


ここで考え事をしていると授業に遅刻するのでソフィアと別れて学校に転移した。


「いい感じにリフレッシュできたし。これで午後の授業も乗り切れるな」


転移で学校に戻ってきた瞬間。昼休みの終了を告げるチャイムがなったので急いで教室に向かった。


何とか授業を担当する先生より早く教室に戻ることに成功して、遅刻は回避する事ができた。


午後受けた授業は体育程気をつけないとと思う教科はなかったので、特に何事もなく授業を受ける事ができた。


化学の実験で火を使うってなった時にガスバーナーじゃなくてナチュナルに自分で火を出そうとしてちょっと危なかったけど。



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読んでいただき有難う御座います。


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