第45話
人工マジックバッグならこれも空間を拡張するためのバックが必要なんじゃ?って思ったけど元がクラリスさんの小収納だし。
小収納は何処かの異空間にしまってる感じだからバックなんて要らないんだろう。
「とりあえず俺が試してみますね」
魔法陣が刻まれた宝石を受け取り魔石をいくつか吸収させて。
人工マジックバッグを使ってみる。
収納したいと念じると目の前に黒い渦が現れる。
自分の魔力が消費された感じは無い。
そこら辺は燃料の魔石からってことだろうな。
じゃないと魔石を吸収させる意味ないし。
黒い渦に手を突っ込んでいくとするする入っていく。反対側から手が出てきたりはしない。
やっぱりこの渦に物を仕舞えるってことだろう。
適当にマジックバックから取り出した物を渦に投げ込んで、一旦渦を消す。
すぐに渦を再出現して中のものを取り出したいと念じながら手を突っ込んだら、さっき中に入れた魔導具を取り出すことができた。
何を取り出すのか迄しっかり念じればちゃんとお目当てのものを取り出すこともできる。
「ちゃんとマジックバッグですね。バッグと言うより異空間収納ですかね?」
効果的には同じようなもんだし人工マジックバッグでいいと思うけど。
「マジックバッグと同じで吸収した魔石がゼロになると中身を吐き出すっすから魔石を切らさないようにだけ注意が必要っす」
中身が消失しないだけマシってやつだな。
「と言っても残量が分からないってのがちょっと不便だよね」
これは人工じゃないとマジックバッグもそうだけど吸収させた魔石の残量が分からないってのはかなりの欠点だと思う。
「人工の方は魔石が少なくなると魔法陣が薄くなってくるっすからそれでわかるっす。人工じゃない方は残りの魔石が少なくなると物をしまえなくなるっすからそこで判断するっす」
もっとわかりやすい見分け方があってもいいんじゃない?と思わなくもないけど。
見分け方がないという状況よりマシなので黙っておく。
実際試したあとだけど鑑定モノクルで容量とかを確認してみると重さ50kgまで物を入れられるようだ。
小収納の半分だけど。10ctの宝石に50kgまで物を入れられると考えたら凄い収納アイテムと言えるだろう。
これ運送業者やばくね?
スキルが使えるようになってダンジョンが生まれて、働き方に変化が求められているってことだろう。
宝石の時も行ったけど政府の対応によってはかなり荒れそう。
「というわけで、人工のマジックバッグが作れることを証明してしまったわけですけど。とりあえず他を試す前に勝彦のレベルを上げに行こうと思うんですけどどうでしょう?」
1回宝石を魔法陣が刻める状態にするのに毎回ポーション使って魔力を回復させるのは効率が悪すぎるのでレベルをあげて魔力を増やした状態でほかのことを試して貰う方がいいと思う。
「私たちは映司に任せるわ」
河村さんもそれで構わないと言うのでダンジョンに向かう。
勝彦は初めてスキルを使ったことに興奮してうるさかったのでスルーだ。
「すげ〜。城が建ってる!」
初めてここに来た人はみんなそう言ってびっくりするよね。
「とりあえず。勝彦はこれ使って」
勝彦に羊飼いのスキルの書を渡す。
「映司くんあれはなんのスキルの書なのかな?」
「羊飼いって言う羊だけテイムできるスキルです」
そう言えば言うの忘れてたな。まぁ良いか。
「護衛にもなるしいいかなと思いまして」
勝彦がスキルの書を使用したのを確認して雷太に羊系の魔物をポップさせてもらう。
「とりあえず。敵対しないように設定してるっすから安心して仲良くなるっす。仲良くなった後に羊飼いを発動させるとテイムできるはずっす」
見た目はほんとにただの羊なんだけど本当に魔物なの?
「あの羊、護衛になるの?」
「あの羊はソードシープと言って普段はフワフワな毛が戦闘時になると剣山みたいになるスキルを持ってるっす。鉄ぐらいなら簡単に貫ける鋭さっすからそれなりに役に経つはずっす」
なんか面白いスキル持ってるんだね。戦闘時以外は毛はフワフワってのはポイント高い。
モフることも出来るわけだから。
勝彦が恐る恐るソードシープに近づいて行き頭を撫でる。
するとソードシープが手の甲に頭を擦り付ける。
やっぱり魔物じゃないだろうってレベルで温厚だな。
雷太の設定のおかげもあるんだろうけど。
ただチラチラと俺の方をみて警戒してる気がするんだよね。やっぱり魔物には恐れられる運命なのか?
警戒されてるのに無理に近づくのは可哀想だし。そのせいで勝彦のテイムが失敗したら嫌なのでソードシープから距離をとる。
と言うか雷太はなんで怖がられないんだよ。
竜だって充分恐怖の対象だと思うんだけど。
やっぱりダンジョンマスターだからか?
距離をとっても結局こっちが気になるみたいなので、俺は1人闘技場で宝石を集めてようかな。
宝石は人工魔導具のコアになるしもっと必要だろうからね。
フォスフォフィライトみたいな世に出せないレベルのものが出るのが少しこわいけど。
あれはリソースに牙を一度に10本以上使った時に手に入ったものだから今回は1本づつの予定だからあれレベルの宝石が出ることはないだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます