第154話

「こっちの事を舐め腐ってくれて、ほんとに助かった。お陰で絶炎を当てる事が出来たし」


予想通り旧C国に近づいたら憤怒の王サタンが襲いかかって来たので、最初っから全力。


地球の理を全て拒絶し否定する絶炎を使って瞬殺させて貰った。


相手が憤怒の王だから〈憤怒〉が使えなくてBPを上昇させることが出来なかったからな。

戦いが長引いたら俺が殺されてただろう。


と言っても絶炎の魔力消費量を馬鹿にならないレベル。

人間の姿の時の手に一瞬纏わせるだけで、魔力がすっからかんになるレベル。

使って避けられたら、こっちが何も出来ずに殺される。

本当なら、かなり慎重に使わないといけ無かったんだけど。


サタンが油断しまくりあったので、丁度良いやと初手絶炎を使った。


現在はポーションをガブ飲みして魔力を回復しているところだ。


後、サタンを倒した報酬として〈憤怒〉が〈憤怒の王〉に進化した。


〈憤怒〉の時は自分の体温や気温を上昇させることしか出来なかったけど。

〈憤怒の王〉は他人の体温も自由に上昇させる事ができる様になった。


これ以外にも〈憤怒〉の効果全てが上昇した。


「それにしても、この心臓の形をした魔石で良いのか?」


サタンを倒したら体が灰になって心臓の形をした魔石のようなものだけが残った。


鑑定モノクルLv2を使えば色々調べられるんだろうけど既に飛行機と離れちゃってるからな追いかけないと。


悪魔を倒しちゃえば旧C国にようなんて無いので、急いで飛行を追いかける。


「流石に悪魔以外に襲撃を仕掛けてくる存在はいなかったな」


日本を出発して10数時間後、E国の空港に到着していた。


「それにしても、熱烈な歓迎だな」


空港には沢山の報道陣が押し掛けて来ていた。


龍の姿の俺を撮って特ダネだとか思ってるのかね?


まぁ、遠くから映像や写真を撮るぐらいだったら好きにすれば良い。


直ぐに人の姿に戻るし。


「映司君、長旅お疲れ様。10数時間飛び続けた訳だけど。疲れは大丈夫かな?」


「お気遣いありがとうございます。あのぐらなら問題ないです」


飛行機から続々と人が降りて来た。

エリックさんを先頭に日本組がこちらに向かってきた。


「とりあえず。ここから移動しよう。人が多すぎるからね」


確かにその通りだけど、やけにこっちに殺意を向けてくる連中がいるんだよね…そいつらをどうにかしてからだな。


殺意以外にも色んな感情を向けてる人がいるけど、対処するのは殺意を持った連中だけで良いだろう。


「風魔さん…」


「映司さん。流石に敵対していない国で、こちらに殺気を向けているからと言う理由だけで排除するのは難しいですよ。監視するのがギリギリです」


「それもそうですね。風魔さんお願いしますね?」


「こういう時の為に私が派遣されてますので。必ず情報を入手してきます」


取り敢えずこれで大丈夫って事にしておこう。

襲われたら大義名分が出来るからそれはそれで有りだし。


「エリックさんに案内させるなんて、本来は不味いんでしょうけど。案内お願いします」


「映司君はE国の将来を寄り良いものにする為に欠かせない人物だ。下手な人物に案内させる訳にはいかないからね」


まぁ、下手な人物を案内に付けられるよりエリックさんに案内して貰った方が100倍マシだな。


エリックさんの案内で車に乗り込み空港を後にする。


「やっぱりついて来てますね。風魔さんどう思います?」


こちらに向かって明確な殺意を向けて来ていた人物はやっぱりこちらを追いかけてきている。

件の建国をしちゃうぐらい巨大なテロ組織の人員だったりする?


だったとして俺にそこまで殺意を向ける意味が分からないんだよね。


エリックさんが言うには寧ろ俺と敵対しないように立ち回ってるんじゃなかったっけ?

もう敵対は避けれないから、不意打ちで殺してしまおう的な感じか?


それにしては殺気がダダ漏れすぎてお粗末だけど。


「会話内容的に旧C国の残党。もっと言えばC国が健在な時期に送られてきた諜報員の可能性が高いかと」


なるほどね…それなら俺に殺意を向ける理由にもなる。

国を滅ぼした原因見たいなもんだしな俺。


先に手を出して来たのはあっちだけどね。


それにしても、分身を作って操れる能力は強いな。

こう言う情報種集には持ってこいなスキルだ。


「旧C国の諜報員は発覚した人物は送り返したりしたんだけどね。やっぱり全部は排除しきれてないか……」


本当、いつまで経っても迷惑かけてくれるな旧C国の人間は。


「ここで排除するよりも、泳がせて一掃する方が良さそうですね」


「そうですね。そう言う連中は十中八九裏の組織と繋がっている。帰る国が無くなっている分。そう言う連中と協力しないとやっていけないでしょうし。今回の目的のテロリストの情報が手に入るかもしれないですし」


スポンサーがいないと活動出来ないって事か……確かにその通りかもな。


襲われると撃退しなきゃいけないので、目視した生き物に幻覚を見せる炎で車を覆って

旧C国の残党をまく。


俺を見失った事で拠点に引き返してくれると風魔さんが拠点を特定してくれるんんだけど……


「そう言えば。エリックさん俺たちって何処に向かっているんですか?」


「あぁ、言っていなかったね。私たち王族の住居でもある。B宮殿だよ」


アレ?もしかしなくても、ソフィアさんを俺に下さいイベント?


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読んでいただきありがとうございます。

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