第228話
「それにしても 立食形式で助かった。着座式だとテーブルマナーとか目立つし」
着座式なら予め座る席が決められているし、会話をする人間は周辺の席の人間に限られる。
その分テーブルマナーが完璧じゃないとすごい目立つ……と俺は思っている。
今日の晩餐会に来ている人はデーブルマナーはできて当たり前と言う人が招待されてるんだから尚更ね。
立食形式なら自由に動けるので人との会話は増えるけど。マナー方面に関しては着座式よりマシだ。
出席者だって俺にずっと構っていればいいという訳ではないので1人につき数分程度の会話時間って感じだし。
「ほかの出席者からしても着座式だと映司と席が離れてしまった場合一言も喋れないと言う事も有り得るから立食形式である事に文句を言う出席者はいないわ」
なら良かった。テロリストの襲撃見たいな問題事も起こってないし。
想像以上に平和な式典に晩餐会だ。
こんなフラグを立てたら次の瞬間大事件が発生したりするもんだけど、今回に関してはフィロの植物を使った警戒網もある事だしこのまま平和に終わってくれることだろう。
「それにしても、オークションに出品する物についてそろそろ決めておかないと」
話をした人達の中にこんな物が出品されたらな……と遠回しにこういう物を出品して欲しいと言ってくるような人もいたので、そう言えばオークションに出品する候補を全くきめてない訳では無いけど。しっかりと決定してはなかったなと思い出した。
武器になるようなものは出品できないけど、
多くの人間の興味を引きつけるもの……
宝石とかは確定してるけど、他はな〜
魔石で動く家電は言い方は悪いけど電気ではなく魔石で動くだけで、ほかの機能は普通の家電と変わらないからな。
注目はされるだろうけど、インパクトが足りないだろう。
マッサージチェアみたいな通常のものより効果が高いものも有るけど、そういった物は数が少ないし俺が使いたい。
俺が存在を忘れているアイテムも有るだろうし帰ったら一度整理してみるか。
オークションは日本でダンジョンの一般開放が行われてから約1ヶ月後に行われる予定だからまだ時間はあるし。
「目玉商品のうちいくつかは事前にお披露目したりするだろうから、決めるのは早めの方が良いと思うわよ」
「早めに決めないとまた忘れるだろうし日本に帰ったら決めることにするよ」
その後はちょこちょこ話しかけてくる参加者の対応をしているうちに晩餐会が終わり泊まっている部屋に帰ってくることが出来た。
「フィロが手伝ってくれたお陰で、特に何事もなく式典と晩餐会を終えることができた有難う」
フィロの警戒網のおかげで怪しい連中はすぐに補足することが出来た。
そのおかげで騒ぎは起きなかったと言っても過言では無い。
「新藤様のご期待に答えることができて光栄です」
フィロになにかお礼をと思ったんだけど。
フィロは植物の苗や種が欲しいとの事だったので、日本でフィロ専用の農地を用意してからと言う事になった。
土地の購入に関しては両親に頼るしかないか。お金は用意できるけど、未成年が土地を買えるのか怪しいし。
フィロは果物のお世話があるのでダンジョンまで送り返して夜も遅いのでこの日はそのまま眠りについた。
ーーー
「これでやり残したことは無いな」
式典と晩餐会が終わってから数日。テレビ局の取材だったりロイヤルナイツをボコッ…鍛えたり、フィロが7日かけて育てた果物の美味しさに驚いたりと色々あったけど。
そろそろ日本に帰らないと……
と言うか帰ってきてくれと河村さんに泣きつかれた。
アルカディアと言う巨大テロ組織が壊滅したおかげか、俺のヘルプをお願いされるような大きな事件が起きないからのんびり出来るからついつい長居してしまった。
フィロはもうダンジョンから連れてきているので後はカイゼルと合流するだけだな。
そう言えばオベロン王の短剣はしっかり完成したのかな?そんな事を考えながらドロテアのお店に向かった。
「当然完成してるぞ。まぁ、短剣と言うより杖みたいな感じになってしまったが」
ドロテアのお店に行くと既にカイゼルがお店でスタンバイしていた。
オベロン王は忙しいようで既にティル・ナ・ノーグに帰ってしまったらしい。
なんでもティル・ナ・ノーグにもダンジョンが発生したらしい。
こちら側に比べたら大きな混乱が起こることは無いだろうけど通常通りとは行かないだろうから、オベロン王が忙しいのは当然だろう。
そう考えると短剣を送ったのはタイミングが良かったな。
カイゼルの説明では短剣の効果で火柱を発生させたり、俺の龍の姿そっくりの炎を作り出して敵と戦わせたり出来るそうだ。
当然、斬れ味も凄まじいけど。そう言った追加効果の方が強いので、短剣と言うより杖として使われているようだ。
俺としては役に立ったならどちらでも構わないけどな。
そんな事より素材さえ集めれば、カイゼルはそんな感じの武器を
作れるとわかった事が一番の収穫だな。
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読んでいただき有難うございます。
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