地球「ファンタジーアップデートを開始します」
塩分過太郎
第1話
「なぁ映司放課後暇だろう?カラオケ行こうぜ!」
「何が悲しくて男2人でカラオケに行かなきゃ行けないんだよ。それに今日は新作ゲームの発売日だから暇じゃない」
俺の名前は新藤映司。映司という名前は特撮好きの父親によって名ずけられた。
俺にカラオケ行こうぜと誘ってきたのは俺の数少ない友達である渡瀬勝彦。
お互い陰キャオタクで友達が少ない同士意気投合して初対面ですぐに仲良くなった。
これはお互いが同族だと確信したから上手く言っただけで、じゃあクラスの陽キャにも話しかけて仲良くなるみたいなことはできない。
「そんなんだから友達が少ないんだぞ?」
「お前もな」
学校を休んで一日中ゲームしようと思ってたのにそんなことしたらゲーム中古で売っちゃうよ?と母に脅されたので渋々学校に来たんだ。1秒でもはやくかえってゲームをしたい。
席をたって教室を出ようとした瞬間突然頭の中に直接声が聞こえてくる。
(ファンタジーアップデートを開始します。それにより魔法やスキルが使用可能になります。詳しくはステータスをご確認ください)
教室中が騒がしくなる。
どうやら幻聴じゃなかったみたいだ。
オイオイラノベの世界かよ!とか火魔法って書いてある!とか聞こえてくる。
早速ステータスの確認した人もいるらしい。
順応性高すぎだろ。
かく言う俺もちょっとワクワクしている。
と言ってもラノベでは町中に魔物が溢れかえって文明崩壊とかマイナススタートなものもあるから浮かれず冷静に行動しよう。
頭の中でステータスと念じて見ると以下の情報が浮かび上がって来た。
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名前:新藤 映司
年齢:16
種族:ドラゴニアン
スキル 【龍化】【竜牙兵制作、召喚、送還】
BP 5000
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色々言いたいことがあるけど。1番はコレだ人じゃ無くなってる!?
そんなことってありかよ。
龍化ってスキルのせいで種族が変わったのか?もしくはその逆?
もうどっちでもいいか。
なっちゃったもんはしょうがない。
とりあえず家に帰ろう。父は下っ端だけど公務員だから今日は帰ってこれないだろう。
何が起きるか分からないから母とは早く合流しておきたい。
魔物が溢れて人を襲い出すってことはなくてもスキルを手に入れて気が狂った人間が人を襲い出すみたいな事件が起きる可能性は充分存在する。
「おい、新藤はどんなスキルだったんだよ」
クラスの陽キャが突然話しかけてきた。
最悪だ。スキルなんて教えるわけねぇだろうが。
実際はこういってやりたいけど、度胸のない陰キャなのでもうちょっと柔らかく拒否する。
「何馬鹿なこと言ってんの?大事な個人情報教える分けないじゃん?」
もし殺し合いになった時に事前に対策されないようにスキルは隠すに決まってるでしょ?
スキルを手に入れてスキルがあればなんでもできると勘違いして人を殺し始めるキチガイがクラスから出ないとも限らないのに。
もしかしてこの陽キャが正しくそのタイプか?
今まさに情報収集の途中です的な?
「うるせぇ、お前みたいな陰キャは黙ってスキルを教えれば良いんだよ!」
いきなり殴りかかってきたので、体を捻って躱して足払いして転ばせる。
転んでる間にさっさと教室を後にする。
「おい、映司さっきの動きなんだよ!武術が使えるようなスキルでも手に入れたのか?」
「さっきあんな事があったのによく聞けるな勝彦。まぁあれだ、そう言うスキルじゃない単純に身体能力が上がっただけ」
ドラゴニアンに種族が変わった結果身体能力がかなり上がっているらしい。
さっきのパンチもはっきり見えてたから避けただけだ。
「ちなみに勝彦はどんなスキルだったんだ?」
俺は言わないとかなしだぞ?と圧をかける。
「わかってるよ。俺のスキルは【魔法陣】だ。魔法や一部スキルを魔法陣にして物に刻むことができるらしい」
使い方次第で化けそうなスキルだ。
「ちなみに勝彦のBPはいくつだった?」
「1だったけど、そう言う映司はいくつだったんだ?」
小声で5000と答える。
たぶんだけどBPはドラゴンなあれで言う戦闘力なんじゃないかな?
5000って言う数字は低くはないはず。
「冗談抜きでその数値なの?どんなスキルなんだよ」
また小声でドラ〇ラムと答えた。
「マジでやべぇやつじゃん……とりあえず今日は解散だな。何が起きるか分からないから早く家に帰って親と合流しときたいし。非常食とか準備しないといけないからな」
やっぱり勝彦も混乱が起きるかもって思ってるわけか。
勝彦と別れて帰るために駅に向かって歩いていると駅の方で突然爆発がおきる。
何が起きた!と思い走って駅に向かうとたくさんの人が倒れたり崩れた建物の下敷きになっていた。
それを見ながら笑う男が1人。
その男は手のひらに火の玉を乗せている。
この惨状はあの男がスキルで引き起こしたと言うことだろう。
どうしたもんかなと考えていると目があってしまう。
どうやら逃げるのは無理そうだ。
かとって下手にやり返すと過剰防衛とかで俺が捕まるかもしれない。
警察が来るまで、適当にやり過ごすしかないか。
最悪、龍化を使って龍の姿を見せれば気絶するんじゃないかな?
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読んで頂きありがとうございます。
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