第410話
「さてと。例の男は何処にいるかな〜っと」
ゲーム会社の案件を受ける為に放置していると世界中で混乱が起きかねない問題を解決する為に旧C国のダンジョンを管理する連合軍の基地に足を踏み入れた。
元凶の女に関しては受付しているから何時でも接触出来るし。そもそも接触する必要ないからな。あるとして最後の最後だけだからな。
因みに今回、透明になって不正に連合軍の基地内に侵入している。
俺が堂々と動くと 目立つってレベルじゃ無いからな。
褒められた行動じゃないけど。相手も情報で世界を牛耳ろうと本気で考えているやつだからな。
本心は正方向で解決しようとすると物凄く時間がかかりそうだからだけどね。
歩いて例の男を探すのは面倒くさすぎる。
ということで、例の男と女が密会していた場所で待つことに。
鍵を持ってないから、家の目の前でのんびり待つことになったけど。男が帰って来て鍵を開けて家の中に入るタイミングで一緒に家の中に侵入した。
透明化を解除して直ぐに男と接触しても良かったんだけど。女もこの家に来るみたいなので透明化を解除せずに、そのまま女が到着するのを待つことにする。
男がお茶などの準備をしながら待つこと十分ほど。
ガシャンとドアが勢い良く開けられる音が聞こえて来る。
「これはこれは随分機嫌が悪いようで」
「悪いいも何も突然受付業務から担当を変更させられたのよ!アンタが何か下手うったんじゃないでしょうね?」
「下手打つも何も俺が指示されたのは龍王がアンタのスキルを防いだ方法を探ると言う内容だ。ご存知の通り龍王は、あの日以来この基地に顔を出していない。だから俺はなんにも行動を起こしていないから、ボロの出しようがない」
「それじゃ━━━━ゴフォ」
あれ?透明になって後ろに付いていた悪魔。
味方じゃ無かったんだ。
「この女のお陰で、いい感じに力をつける事はできたが……かのお方に目を付けられる前に契約を破棄して逃げるべきだったな」
姿を現して女の心臓を貫いて殺した悪魔が透明化している俺の方を見ながらそう言った。
俺は憤怒の王って言う大罪系の上位スキルを持っているからな。
悪魔からしてもそれなりの地位にいることになっているらしいんだよね。
俺にバレた時点で協力者の女を殺して降伏したってことで良いのか?
正直、悪魔に関してしっかりとした知識がある訳じゃないんだよね。
「魔力も感知されないようにしてたんだけど。やっぱり悪魔とかそう言う存在にはバレちゃうか……それで、お前の望みはなんだ?」
「なっ!」
男が完全に置いてきぼりで若干可哀想な事になっているけど。
取り敢えず放置。悪魔の方が重要だからね。
「相手の弱みを握るだけじゃ、暗殺とかされるだけだろうし。どうして上手くいっているのかな?ってちょっと疑問だったんだけど。悪魔が協力者だったなら武力も十分って訳か」
「そう言う事でございます。私には貴方様と敵対する意思はございません」
「そう。じゃ、今回の責任は全てお前が持つと言うことで見逃してやろう」
そう言って熱線で頭を貫いた。
ダンジョンによって生み出された魔物としての悪魔じゃなければ、魂さえ無事ならそのうち復活しそうだし。
と言うかマーリンがそんな事を言っていた気がする。
魔物でない悪魔は本来魂だけの存在で悪魔たちだけが暮らす精神世界で暮らしていると。
その精神世界に暮らしている悪魔の魂を人間が生贄を用意して呼び出すことで、悪魔は受肉し地球で活動できるようになる。
それで受肉した悪魔は肉体が死のうと魂が無事なら精神世界に送り返されるだけで死ぬことは無い。そんな説明をして貰ったのを思い出した。
次いでにサタンを倒した時に心臓の形をした魔石っぽいものあれはデーモンハートと呼ばれるアイテムで、悪魔が魂にダメージを与えられて完全に死んだ時のみに手に入るものらしい。
なんかまぁ呪いの武器とか防具の材料になったり。悪魔が取り込むことで力を増幅させる事も出来るらしい。
それでちょっと思ったんだけど。今の俺は悪魔因子も持っているから。サタンのデーモンハートを取り込んだら俺も強くなるのかな?
悪魔成分が高くなりすぎると逆に弱くなるとか嫌だし。直ぐに使わないでリーリンさんとかマーリンに確認して問題なさそうなら使おうかな。
つまり、一見俺が無慈悲に降伏した悪魔を殺したように見えるけど。
実際には精神世界に帰って貰っただけってことだな。
それに世間一般の認識として悪魔って悪者だし。俺が無慈悲に殺したところで特に問題視されないだろう。
今回の悪魔は実際に人間の女と協力して結構悪どいことしていた訳だし。
問題はその証拠を手に入れられるかって話なんだけど……
まぁ、何とかなるだろう。
関係者の男もいる訳だし。
そもそも女の方も突然受付業務から外されたとか言っていたので、女がしていた事に気づいて行動を始めた人が俺以外にもいるっぽいし。俺が証拠を探すまでもなく既に確保されてるかもだし。
そこまで心配する事はないだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます