第32話
「闘技場は経験値が一切手に入らないのは残念だよな」
昨日の予定通り、鑑定を阻害する魔導具をゲットするために交差点ダンジョンの闘技場で自分の牙をリソースに宝箱をゲットしまくっていた。
牙1本だと3級ポーション類と宝石が宝箱の中身であることが多くて。
牙5本ぐらいまでは中身は同じで数が増えると言う感じ。
牙を10本以上リソースにすると魔導具がちょこちょこ混ざり始める。
多分魔導具としてはそこまでレアじゃないものだとは思う。
虫除け効果のあるランタンとかかけてると視力が徐々に回復していくメガネとか切れ味が落ちない包丁とか、IHコンロとか。
どれも使うには魔石を燃料として使う必要があるけど 、まぁ便利ではあるよね。
視力が徐々に回復していくメガネなんて目が悪い人からしたら絶対欲しい魔道具じゃない?
俺は別に悪くないからいらないけど。ドラゴニアンになって悪くなるどころか更に良くなっているので、俺が使うことは確実にないだろう。
「牙の数を増やすか、それとも今の本数のままで戦うか悩むな〜」
魔導具は手に入るようになってるけど、鑑定を阻害する魔導具はレアだから今のリソースじゃ手に入らない可能性もある。
「とりあえず1番ランクの低い鑑定阻害の魔導具で良いなら今のままで良いはずっす」
鑑定阻害をしてくれる魔道具にはランクが存在しているらしい。
とりあえず1番ランクが低いものでいいからリソースにする牙は10本のままでいこう。
今回は身長が3mぐらいある銀色のオーガが相手のようだ。
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シルバーオーガ
オーガの特殊進化。高い攻撃力に素早さ耐久をあわせ持つ。
オーガと言えど竜種にタイマンで勝つこともある。
BP5,470
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竜なみの強さを持つオーガか、今の俺とBPが130しか変わらない。
このままの状態で戦うとかなりの死闘になるだろうし、武術の心得がない分俺が滅茶苦茶不利になるだろう。
シルバーオーガはなんか武術が超得意ですよって構え取ってるし。
そんなシルバーオーガに対抗するのはBPを上昇させて能力の差でボコるそれしかない。
人の姿のままバーニングソウルを発動させて
BPを上昇させる。こないだ龍の姿の時と同じく体温を500℃まで上昇させてBPを6倍まで上昇させる。
構えて待ち構えるシルバーオーガに急接近して殴りつける。
「あっやっべ」
パンチの威力が高すぎてシルバーオーガを貫通してしまう。
シルバーオーガは体に力を入れて腕が抜けないようにして俺を攻撃するつもりらしい。
殴りも気をつけないとこうなっちゃうってことを忘れないようにしないと。
このまま殴られても死にはしないと思うけど
痛いのは極力回避したので、シルバーオーガの胸部を貫通している腕に火を纏わせて内部からシルバーオーガを燃やす。
胸部を貫かれたよりよっぽど効いたらしく、大声をあげる。
思いっきり腕を引いて、シルバーオーガの胸部から引き抜く。
シルバーオーガはその場に倒れて火を消そうと暴れるけど火が消えることはなくそのまま動かなくなり黒いモヤになって消失した。
「シルバーオーガとならいい感じに避ける練習ができるかなって思ったけど、こっちから攻撃しちゃダメだったね」
もし被弾しても死なないようにBPをあげて防御力を上げたんだけど。当然攻撃力も上がるわけで、シルバーオーガをちょっとやる気にさせるためのジャブ程度のつもりだったのが胸部を貫いちゃったからな。
心臓貫いた程度で死ぬ相手ならあれでも良いけど。
魔物は基本タフだからさっきみたいに隙になりかねない。
それに人型じゃない魔物だと、基本さっきみたいになるだろうし。
1番不味いのはちに毒が含まれてる魔物とかをさっきみたいに貫通したり突き刺しちゃったりした場合。大惨事だろう。
まぁ、火を操って戦えば良いじゃんって話だけど。ちょっとぐらい近接戦ができるようになった方がいいかなって。
火を使っての攻撃も火力が高すぎて周りに被害を出しちゃうから使えない時もあるし。
それにメリケンサック手に入っちゃったし。
「まぁ、いつもみたいに手に火を纏わせて手刀で袈裟斬りで良いんじゃないっすか?あれならさっきみたいに体を張って動きを止められることもないと思うっす」
確かに、でもそれだとメリケンサック使えないんだよな。そもそもメリケンサックをつけた状態じゃ火を手に纏わせられないんだよな。
緋緋色金が溶けちゃうから。
1回試してみたら溶け始めてびっくりしたもん。
とりあえず。俺が緋緋色金メリケンサックを使うには魔物を倒して強化する必要があるってことだ。
強化するためにもメリケンサックを使って魔物を倒す必要がある訳だけど。
せっかくの緋緋色金だしダメだと手放さないで、頑張って強化してみようか。
また牙100本をリソースとして捧げても手に入るとは限らないし。
とりあえず今は宝箱だなと宝箱の中を確認するとペンダントがひとつ入っていた。
鑑定モノクルで確認してみると。
つけると鑑定を阻害してくれるペンダント型の魔導具だったようだ。
鑑定できちゃってるけどホントに阻害できるの?とちょっと不安だ。
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