第51話

「また報告書を書かなくちゃ行けない情報が……」


河村さんお疲れ様です。


「とにかく異常種のことは一旦忘れよう。出現場所もC国なわけだし」


河村さんもC国にたいしてかなり頭にきているようだ。まぁ、当然だろう。


「そういえば勝彦、宝石渡すからドンドン加工して」


多少顔色が良くなった勝彦に宝石を渡す。

返事は無いけど。宝石を握ってスキルを発動しているので問題ない。



加工された宝石を握って竜牙兵関係のスキルを魔法陣にできないか試してみる。


「できるのは召喚と送還だけかそれに宝石ひとつにたいして一体……せめて五体ぐらい使えるようになってくれないと」


俺以外にも竜牙兵を使えるようになれば便利かもって思ったけど一体しか出せないんじゃそこまでかな。

それに竜牙兵は結局俺が作らなきゃ行けないみたいだし。


「ねぇ。もしかしなくてもその宝石を使えば映司の竜牙兵を一体使役できるの?」


「一体だけですけどね」


「現時点でBP1000の竜牙兵を一体使役できる魔導具ってかなりオーバースペックだと思うんだけど」



「だけど、人数で押せば1000ぐらい倒せちゃうし」


BPが1013のレッサーデーモンもソフィア様が動きを止めてたと言えど。

BPが300ちょっとのクラリスさんがとどめさしてたし。


一撃でかなりのダメージを与えていたのは奪った剣のBPがそれなりに高かったからってのもあるかもしれないけど。


「だとしてもいるといないじゃ大違いでしょ?私とか完全に後衛タイプだしいざとなったら犠牲にしても問題ない前衛がいるって結構ありがたいと思ったけど」


確かに使い捨ての前衛ってのは便利っちゃ便利か。


「じゃあソフィア様にあげます」


もったいないけどこの魔導具を量産するってのも一つの手か。


宝石ひとつにたいして一体ならいっぱい宝石を用意すれば良い。

かなり頭の悪い考えだけど、今のところはそれしかないか。


割とみんな欲しがったので、勝彦に加工してもらった宝石の大部分を竜牙兵を使役する魔導具に加工した。


「普通のビルですね」


到着した迷宮省の建物はどこにでもありそうな普通のビルだった。


とりあえず嘘つく必要もないので建物の中に入ると先端に赤い水晶が埋め込まれた木製の杖を持つ父を発見した。


「何をしてるの父さん」


「何って映司来るのを待ってたんだよ」


「それはいいんだけど。その杖は?」


「これはファイアーボールを発動できる魔導具だよ」


中々物騒なもん持ってんな父も。

と言うかもしかしなくてもそれ迷宮省の備品だろう。

父個人でそんな魔導具を手に入れられるわけないし。


「父さんそれ持ち出して大丈夫なものなの?」


「大丈夫だよ。攻撃スキルを持たない鑑定スキル持ちの自衛手段として貸し出されているものだから」


そう言う感じなのね。まぁ持ち出して問題ないならいいけど。


「とりあえず。車に行こう。びっくりすると思うけど驚かないでね?」


たぶんソフィア様を見てエルフ!って驚いて

なんでE国のお姫様が!ってもう一度驚くことになるだろう。



想像通り父はソフィア様に驚くことになるけどそれは割愛。


「じゃあ私は勝彦くんを送っていく」


「お願いします河村さん」


家の前まで送ってもらい。勝彦のことをお願いして車を見送った。


「ほんとに襲撃があったのってぐらいキレイだな」


主婦スキルのおかげかソフィア様の護衛を始める前より家がキレイになってる気がする。


「母さんただいま」


「あら。大丈夫って言ったのに帰ってきたの2人とも。それに可愛いお客さんまでとりあえず中に入って」


「そういえば。スリッパってある?」


ソフィア様とクラリスさんからしたら靴を脱ぐ文化はなれないだろうしせめてスリッパがあるといいんだけど…

でも、スリッパあったっけ?


「外国人の方には必要よね。シゼルちゃんお願いできる?」


母が天井に向かってそう喋ると天井を透過してメイドさんが現れる。

主婦スキルの家妖精召喚で召喚できる家妖精さんだな。


俺以外は初めて見るので全員びっくりしている。


「映司のお母様はテイマーなの?」



「母さんのスキルは主婦って言ってクラリスさんのメイドみたいにスキルを複数使えるようなスキルなんですけど。それで召喚した家妖精さんです」


そう説明していると家妖精さんがスリッパを2足持ってきてくれる。


「ソフィア様クラリスさん申し訳ございませんがスリッパに履き替えてください」



スリッパに履き替えてもらいリビングに案内する。


「で、大丈夫だったってのは実際に見てわかったけど。実際どんな感じだったの?」


「どんな感じと言ってもジゼルちゃんが家の耐久をあげてくれて。お母さん家の中にいただけだから説明出来ないのよね」


家妖精さんが凄い優秀だったってことか。


「なるほど。家妖精さんありがとう。なにかお礼をしたいんだけど欲しいものあったりする?」


母を守ってくれたわけだし。なにかお礼をしないとダメだよな。


「それなら映司がポッケに入れてるものがいいって。それとこの子はジゼルちゃんよ」


ジゼルさんね了解。ポッケに入ってるもの?

勝彦に加工してもらってまだ魔法陣を刻んでない宝石が入ってるけど。宝石が欲しいってことか?

何に使うのか知らないけど。母を助けてくれたしそのぐらいあげるけど。




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読んで頂きありがとうございます。




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