第345話
「採集方法も鑑定モノクルで分かるしかなり楽に集まったね」
採集系のクエストは最初から受注しなくても、納品物を手に入れてから受注してクリアする事も可能だ。
但し、割のいいクエストだった場合。
他の冒険者にそのクエストを先に受注されてしまう可能性もある。
受注して納品物を手に入れられなかったらクエスト失敗で違約金を払わなきゃ行けなくなるし。
ほかの冒険者に取られないように先に受注するから納品物を手に入れてからクエストを受注するか。
よく考える必要がある。
と言ってもウッドランクのクエストにはそんな考えて受けなきゃいけないようなクエストなんて無いけどね。
「採集系のクエストも常駐クエストがあってそれは重複クリアが可能みたいだから二人ともストーンランクに昇格出来る数クエストクリア出来るけど。何かゴブリン多いよね?調査してから帰る?」
もう既に森から街に帰ってクエストの達成報告をしてもいいんだけど。
何かゴブリンとの遭遇回数が多かった気がする。
2時間ぐらい2人で採集している間に50体ぐらいは倒したんじゃ無いかな?
そんなに広範囲を動き回った訳じゃ無いことを考えるとゴブリンとの遭遇率が高いと思った訳だ。
可能性としてはゴブリンの大規模な巣が出来たとか。
ゲームとかだとそんな感じの理由だよな。
問題は巣が本当に存在してその巣を2人で殲滅しちゃうと目立っちゃうよねって話だ。
見つけたのに放置するつもりは無いし……
「巣を見つけたら手を出さずに冒険者ギルドに報告するか」
今日、冒険者になったばっかりの人物の話をどこまで信用してくれるかって問題も有るけど。
最初は報告して冒険者ギルドが動かなかったら俺が殲滅しに行けば良いか。
先ずは本当にゴブリンの巣が存在するのか確認しなきゃな。
ゴブリン達に見つからないように透明になって森の中を探索する。
ゴブリンの密度が多くなる方に向かって森を進んでいくと木の柵で囲まれて木の枝と葉っぱを使った超簡易的な家?的な物が建っている場所に辿りついた。
「巣と言うかゴブリンの村だなこれは」
「これはちょっと……想像以上ね。殲滅出来るか出来ないかで言えば、私だけでも大丈夫だと思うけど。殲滅はしないんでしょ?」
「あんまり目立ちたくないし。そのつもり」
「なら、早くここを離れましょう」
「そうだね。ここにいる意味無いし帰ろう」
姿が消えていても足音とかまで消える訳じゃ無いので足音を出さないように気をつけながらゴブリンの村から離れて街に帰還した。
街に帰ってきてから一直線に冒険者ギルドに向かってクエストの達成報告と一緒にゴブリンの村について報告する。
「採集系クエストの納品をお願いします。後はゴブリンの討伐クエストの達成報告もお願いします」
「かしこまりました。カードと納品物の提出をお願いします」
カウンターにカードと納品物をおく。
「採集系クエストの方は問題ないようですね。お二人とも規定数のクエストを完了しましたのでウッドランクからストーンランクに昇格になります。ストーンランクからはダンジョンに入る事が可能になりますが、魔物との遭遇頻度も高いですし。先に進むと罠が仕掛けられていたりするので、事前に情報を調べてしっかりと準備をしてから入る事をオススメします」
一日でこれだけの量のクエストを!?って驚かれたりするかな?とかちょっと思ってたんだけど。
普通に対応されたな。
初心者が受けるクエストだし。そこまで驚く事じゃ無いか。
「ご忠告ありがとうございます。しっかりとダンジョンについて調べて、準備をしてからダンジョンに挑みたいと思います。あぁ、後。ゴブリンがやけに多いと思って少し探索してみたらゴブリンの村が有りました」
「ゴブリンの討伐数が多いと思いましたがそう言う事ですか……それにしても巣ではなく村ですか?」
「自分には巣と言うより村に見えましたね」
「それでは上位種がいるのは確定ですね。それでは村に対して手出をしたり?」
「2人しかいないのに村に手を出すような事はしませんよ。バレずに帰ってきたからこうやって報告出来てるんです」
「賢明ですね。貴重な情報提供ありがとうございます。ゴブリンだとしても数が増えると街すら滅ぼす事も有りますからね。冒険者に偵察のクエストを出して確認が出来たらゴブリン討伐の大規模クエストが行われる事になると思います」
思ったよりあっさり信じて貰えたな。
新人の戯言と信用せずゴブリンの村が更に拡大。この街にゴブリンの大軍が攻めてきたとかなったら最悪だからな。
俺たちのゴブリン討伐数が多かったのも信ぴょう性を高める事に繋がったのかもな。
クエスト達成の報酬を貰ってから冒険者ギルドの資料室でダンジョンに関する資料を読んで事前情報を仕入れる。
10階層までは罠の類は設置されないみたいだし。ひとまず罠を警戒する必要は無さそうだ。
今必要な情報の確認は終わったので資料室を出て冒険者ギルドを後にした。
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