第456話
マンドレイクはマンドラゴラの別名だし。
ドラゴンのことをドレイクと言ったりもするし。
地竜になったマンドラゴラの名前にピッタリな気がする。
って思ったけど。名前ってのは少し違うな。
名前というか種族名だなマンドレイクってのは。
その子の名前はフィロにつけさせよう。フィロの眷族な訳だしその方が良いだろう。
「いつまでも隠れてないで早く姿を見せなさい」
そんな事を考えていると畑から蔦が何本も生えて来る。
生えてきた蔦同士が絡まって人の手の形になったと思うとプルプル震えている葉っぱを掴んで引っこ抜いた。
引っこ抜かれた葉っぱの先には西洋竜の姿をした根っこがついている。
葉っぱの部分は翼だったようだ。
ちなみにサイズはリンゴ達と同じくらいか少し小さいぐらい。
それにしてもスパルタ過ぎない?って思ったけど。
フィロからしたら自分の部下が自分の上司に粗相をしているような感覚だったのかな?
「あ〜初めまして。君の主であるフィロの主、映司だよ。部下としてフィロの事を支えてあげてね」
フィロにはダンジョンの管理に野菜、果物の育成。植物をかいした情報収集等色々仕事をして貰っているからな。
現状、マンドレイク君がフィロの仕事を肩代わりするってのは無理だろうけど。
植物系の地竜な訳だから将来的にはフィロの仕事を代行する事だって出来るようになるかもしれない。
フィロに翼を掴まれてしょげているマンドレイク君を優しく撫でる。
すると、フィロより俺の方が甘い性格だし俺はフィロの主なんだから俺に甘えている方がフィロに怒られずに済むんじゃ?と気づいたマンドレイク君が俺に媚び始めた。
「私から逃げる為に映司様に媚びるようなやからはお仕置が必要ですね。映司様、申し訳ないのですが少し2人きりでオハナシして来ます」
がっ残念。その行動は悪手だったようだ。
逆にフィロを怒らせてしまったらしい。
フィロはマンドレイク君を掴んだまま何処かに消えてしまった。
ダンジョンマスター権限で桜島ダンジョンに転移したんだろう。
こうなってしまうとマンドレク君に逃げる術はない。
ドンマイ、マンドレイク君。
夕飯の時間も近づいて来ているので家に帰る事にした。
晩御飯を食べてソフィアとイチャイチャしてから就寝した。
ーーーー次の日ーーーー
今日は土曜日なので学校は休みだけど。
例の神々の宴会に参加する日なのでダラダラしている訳にはいかない。
宴会自体は今日だけって訳じゃなくて何日も続けて開催されているらしい。
最低限身だしなみを整えて岩見ダンジョン前に転移。そこから飛んで出雲大社に移動した。
岩見ダンジョン前から公共交通機関で出雲大社に向かおうかなと思って調べたら思った以上に時間がかかるみたいだったので、普通に飛んで移動する事にした。
「お待ちしておりました進藤 映司様。宴会の会場はこちらになります」
出雲大社に到着すると狸耳と尻尾が生えた獣人さんがお出迎えしてくれる。
この人も神の使いだな。
日本の神様の神の使いは獣人や動物なのかな?
そんな事を考えながら狸の獣人さんの後ろをついて歩く。
「どうぞ、こちらの建物の中にお入りください。この先が神域と繋がっておりますので」
「そういえばさ、実際に神様が出雲大社に集まる事に関係する神事って今から一ヶ月後ぐらいに行われますよね?」
神々が出雲大社に集まるのは旧暦の10月
新暦で考えると11月になる関係で出雲大社が出雲に集まる神々をお迎えする神事が行われるのは11月と聞いた。
「そうですね。今集まっているのは仕事前に集まってどんちゃん騒ぎをしている感じです。出雲大社で神事が行われている間。
神々は様々な縁を結んだり意外と忙しいので」
成程。その神事の間に出雲大社に参拝すると男女の縁だけではなく。子宝、仕事、お金様々ものとの良縁が訪れるってテレビでやってた気がする。
「あと、映司様がどちらかと言えば縁を断ち切る方の存在と言うことで神事の間に呼ぶのは縁起が悪いだろうと言うことで、神事が行われる前にお呼びする事になりました」
確かに理外を使えばそう言った姿の無い概念だって切れちゃうからな。
神々の言うことは最もだろう。
「と言っても。ただいつもより長く集まり長期間宴会をする口実が欲しかっただけなので映司様はどうかお気になさらず。映司様関係なしに縁を切る神様は存在しますし。その神様も神事の際に出雲大社に訪れますので」
あっそ……
まぁ、深く考えるのはやめにしよう。
神域に入るために建物の中に足を踏み入れる。
一瞬目の前が真っ白になり、視界が元に戻ったかと思うと平安貴族の御屋敷みたいな建物の中に立っていた。
そこらじゅうから食べ物のいい匂いがしてくるし。
至る所で神様と思わしき方々が集まり飲み食いしたり一発芸を見せ合ったりしている。
そして忙しそうに動き回り神の使いの皆さん……
宴会というより各々が自由に色々な事をするカオス空間だ。
俺が想像したより混沌としてるなー
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読んでいただきありがとうございます。
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