第332話

「これで買い忘れた物は無いかな」


「忘れてたとしても、また買いに来れば良いじゃない。あの部屋に住む訳じゃ無いんだから1つや2つ足りない家具があっても問題ない訳だし」


異空間の部屋と繋がるドアを出現させる事が出来るドアノブ型の魔導具『ディメンションルーム』を手に入れた次の日。


家電は魔導具が有るから追加で買いに行く必要は無いけど。それ以外の家具は新しく買う必要があったので、学校の授業が終わってからソフィアと2人で家具を売っているお店に買い物に来ている。


ベッドとかソファーとか重量のある家具を複数買う予定だったので『ディメンションカプセル』と言う重さとかサイズ関係なしに一つだけ中に仕舞う事が出来るガチャガチャのカプセルのような見た目をした魔導具を持ってきている。


便利だけど。中身の入ったディメンションカプセルはマジックバッグやマジックボックスに収納出来ないから地味に嵩張るんだよね。


そもそも総重量800kgまで幾らでも収納出来るマジックバッグ一つに全部収納出来たので完全に無駄な荷物を増やした感じだ。


それにソフィアだって総重量500kgまで幾らでも収納出来るマジックバッグを持っているんだから万が一マジックバッグに収納できなくて持ち帰れないって事も無かっただろう。


なんだったら1度ディメンションルームのドアはどこでも出現させる事が出来るんだからマジックバッグはドアを通り抜けられないサイズの家具を部屋の中に運ぶために使うぐらいの役割でも問題ないから、もっと総重量の少ないマジックバッグ一つでも問題なかったな。


そう考えると何を心配していたんだろう俺は……


まぁ、何とかなったし。これ以上考えるのはやめよう。


「家具を設置したからこそ、これも欲しいって物も出てくるだろうし。そうだね今日はもう帰ろうかっ━━━━━ソフィア!?」


なんの前触れもなくソフィアの足元に魔法陣が現れた強く発光し出す。


迷わず理外で魔法陣を破壊するのが正解だったんだろうけど。


焦った俺はソフィアを守ろうと魔法陣の中に足を踏み入れてしまう。


俺がソフィアの手を掴んだ瞬間。更に強く発光して目の前が真っ白に染まる。


光が弱まり視界が元に戻ると、ゲームとかで出てくるような玉座の間的な所に立っていた。


目の前には宝石や貴金属をジャラジャラつけた成金みたいなデブが宝石がはめ込まれていて座りにくいだろと突っ込みたくなるような椅子に座っている。


「ねぇ。映司これってもしかして……」


「異世界召喚ってやつだろうね」


楓さんに地球上に生きる人がこんな世界あったらいいなと言う想像が融合して生まれたのが異世界って聞いてたし。偶に地球と異世界を繋ぐ裂け目が出現してしまい人が迷い込む事も偶に有る的な事を言ってたけど。


今回は完全に召喚された感じだよね。


「それでどうしよっか?」


「理外を使えば地球に帰れるんじゃないの?」


「俺もそれは真っ先に思いついたんだけど。何となく無理っぽいんだよね。理外の性能不足と言うより俺の実力不足で世界を跨ぐワープホールは作れない感じ」


俺の場合、炎神龍にならないと世界と世界を跨ぐようなワープホールを作ることは出来ないと思う。


じゃあこいつらはどうやって俺たちを召喚したんだって話になるけど……


神の協力があったのか。それとも、途方もない大人数で異世界から人を召喚する術をしたか……


まぁ、ここら辺は後々調べて見れば良いか。


「さてと、いつまでも誘拐犯達の本拠地にいるのも嫌だし、さっさとここから出ようか。殺されて無いだけ有難く思えよ?」


第一印象からろくな奴じゃない感じがしてたし。


もしかしたら見た目が成金っぽいだけで、実は良い奴の可能性もあるので念の為悪意感知を使って見たら。

気持ち悪い程の悪意を感知したので、躊躇無く憤怒の王を使って体温を45℃ぐらいまで上昇させて無力化させて貰った。

部屋の中には成金以外にも騎士っぽい連中とか貴族なのかな?って連中もいたけど。

連帯責任で全員体温を上げてろくに動けないようにしている。


恨むならそこの成金の事を恨んで欲しい。


「待って映司。ウィーに城の中を探らせてたら、犯罪者っぽくない人達が捕まってる見たいだから、その人達を助けて上げたいのだけど」


もしかしなくても、異世界から人を召喚する為の生贄だったり?


捕まっている人達に確認するのが早いか…


「ちょっとちょっと私の世界で何滅茶苦茶やってくれてるの?」


そんな声が何処からか聞こえてくる。

その声が聞こえた瞬間、絶炎を結晶化させて作った障壁を半球状に展開して身を守る。


障壁を展開すると同時に障壁に雷が着弾して轟音を立てる。

障壁は傷1つ付いていないけど。

建物が謎の存在が放った雷に耐えられなくて崩壊してしまい。

地上に落下してしまった。


俺たちがいた場所は以外に高い場所にあったらしい。


「さてと、攻撃してきたのはアレか」


建物が崩壊したおかげで、攻撃して来た存在を視認する事が出来た。


「あれれ?なんで生━━━━━」


1度攻撃してきた奴に手加減なんてしない。

私の世界でとか言ってたし、神の可能性もあるんだから尚更だ。


絶炎を纏わせた理外を一閃すると絶炎を纏った斬撃が神(仮)に向かって飛んでいき真っ二つにして燃やし尽くした。


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読んでいただきありがとうございます。




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