第336話
「それはそれで目立つでしょうし。別の問題を引き起こしそうだけど?」
「どうだろう?空から街を偵察した時に龍の尻尾と翼が生えた人間を何度か見かけたから案外何とも無いかもよ?」
それでも数が少ないのは確かだろうし。
ルーキー虐めとは別の理由で絡まれるかも知れないけど。
「結局は行き当たりばったりって事ね。それなら早く街道に出て街に入っちゃおう怪しまれないように少し離れた所に着陸してるから。歩いて向かうと以外に時間がかかると思うし」
確かに……1度街の上空を旋回して街の様子を確認した後、早歩きでも1時間ぐらいかかる距離まで離れてから離れてから着陸したからな。
入口で人が列を作っていたから街に到着しても直ぐに入る事は出来ないだろうから。
あんまりのんびりしている暇は無いか。
「取り敢えず、龍人状態になってみるからアウトかセーフか判断して」
なって見ないと分からない事も有るだろうし。
そもそもやった事無いから上手くいくかも分からない。
取り敢えず、魔力で作っている服とズボンを一旦消して体から尻尾と翼を生やす。
特に苦戦することなく普通に出来たけど。
この姿のメリットが見た目が強そうになる以外に無さそう。
いや、見た目はただの男子高校生だし強く見える見た目になれるってのは以外に重要だったりする?
あ〜でも、地球じゃ龍の姿を普通に見せてるし人の姿でも暴れているから態々この姿になる必要がないな。
この姿は異世界限定だな。
「これで街に入っても俺の見た目のせいで絡まれる事は無さそうだけど。街ってタダで中に入れるのかな?」
入場税的なものがかかりそうだよね?
失敗したな。あの城からお金をくすねて来るべきだったな。
小さな村とかを探して取引をする。
魔物や盗賊等に襲われている 集団を助けてお礼としてお金を貰う。
盗賊のアジトを襲撃して金品を手に入れる。
今から向かう街に入口を警備する兵士に何かしら買い取って貰ってお金をつくる。
今、簡単に出来そうなのはこのぐらいかな?
1番楽なのは最後の案だけど。無一文で街まで歩いてきたって言っても怪しまれそうだし、それ以外の方法でお金を手に入れたい。
「異世界モノのお決まりとしては、冒険者以外はお金がかかりそうよね。これまたお決まり通り盗賊に襲われてる貴族令嬢一行でも助ける?」
「襲われているのを見つけたら助けはするけど。積極的に探すのはな…それよりかは悪意感知を使って盗賊のアジトを探してみるよ」
貴族と関わるのは面倒くさそうだしな出来れば関わらないに限る。
なので悪意感知を使って盗賊のアジトを探して見る事にする。
盗賊をやっているような奴は常人より強い悪意を抱いているだろうから、悪意感知を発動させながら飛び回っていれば、アジトを発見出来る気がする。
向かう予定の街は冒険者がいっぱいいて栄えてそうだからな。
腕に自信のある盗賊団のアジトが一つぐらい有るだろう。
ーーー
「それにしてもホントに盗賊のアジトが見つかるとは……幻影を展開して入口を隠蔽する程の徹底的ぶり。色々溜め込んでそうだな」
悪意感知を使用しながら飛んでみたら数分で簡単に見つかった。
一般人から感知出来る悪いとは比べ物にならないレベルの悪意をビンビンに感じ取っているから十中八九、盗賊のアジトだと思うけど。
しっかり確認しておく必要があるか。
幻影を通過して中に侵入すると如何にもな見た目の男が見張りをしていた。
因みにソフィアは連れてきていない。
盗賊がソフィアを見たらどんな反応をするか分かりきっているからな。
不快でしか無いので最初から連れて来ない事にした。
後は俺の事をただのガキだと油断して貰う為に尻尾と翼は消してある。
油断して貰う必要は無いけど。盗賊のアジトを襲うなら、しっかり殲滅したいからね。
龍人の姿だと戦うのは得策じゃないと逃げられてしまうかもしれない。
「こんにちは。ここは盗賊のアジトであってる?」
「ブッアハハハハ。何馬鹿なこと聞いてるんだ?逆にそれ以外に何に見えるって言うんだ」
「だよねー念の為確認しただけだよ。教えてくれてありがとう」
もう聞くことは無いので、憤怒の王で体温を数千度まで一気に上昇させて処理する。
お金もってたかもしれないけど。着ている服とか汚そうだし。個人から追い剥ぎはしない。
人工的に掘られた洞窟のようだけど。
分かれ道とかは無い一本道の洞窟のようで道に迷う事が無いのは助かる。
「それにしても全然金目の物溜め込んで無いじゃん。入口を性能の良さそうな魔導具で守っているから盗品溜め込んでそうだなって思ってたのに……まぁ、最低限お金は手に入ったし別に良いけど」
なんと言うか、最近この洞窟をアジトにして。
これから盗賊として活動するつもりだったのか。
金目物は殆ど無かった。
もしかしたら何処かに秘密の部屋があってそこに保管してあったりするのかも知れないけど。
目的だったお金は手に入れたし、それで満足することにした。
ソフィアを待たせているし。街の中にも入りたいからね。
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