第335話
「ほんとに悪かったって。謝るから機嫌を直して?」
まだ、日が昇る前の起きて移動を開始しようと思った時、ソフィアに『そう言えば雷太やフィロを呼び出すのは無理でもロスなら呼べるんじゃないの?』と言われた。
昨日の夜なにか忘れているような……と思ってたけど。
ロスの事だった。
ロスは竜牙兵専用の召喚スキルで呼び出す事ができるので異世界だとしても呼び出せるはずだ。
雷太やフィロと同じように自由に活動させてたんだけど。
ロスは最近、鍛える為と言って家に帰ってこないで桜島ダンジョンにこもっていたので会えて無かったんだけど。
そのせいですっかり忘れてた。
直ぐに召喚したんだけど。状況を聞いて自分忘れられてたなと察したロスが凄く落ち込んでしまった。
「それじゃ。このままお供として連れてってくれるかって?いや、見た目が目立つし。此処で待機して貰うつもりだけど……」
見た目リザードマンのスケルトンだからな。
連れ歩いてるだけで、アンデッドを使役している悪い魔法使い判定されたら嫌だし。
魂が宿っているロスを異空間にある竜牙兵専用倉庫に送還するのは可哀想だからディメンションルーム内で待機して貰う。
送還がロスがさっきまでいた場所に返す事も出来れば地球にロスを返して地球と連絡を取ることも出来たかも知れないけど。
送還では竜牙兵専用倉庫にしか送れない。
竜牙兵倉庫は何も無い空間で竜牙兵が整列して保管されているだけの空間見たいだし。
魂が宿っているロスには何も無くて長時間居るのは辛いだろう。
使うとしても1時避難場所としてぐらいかな。
マジックバッグの中に家具を入れてロスに渡してから送還すれば、竜牙兵倉庫も過ごしやすい空間を作れるのかな?
今度、試して見るか。
結局、召喚して大丈夫そうだったら直ぐに召喚すると約束して納得して貰った。
「それじゃスゥもお留守番しててね」
「クゥーン」
ブランクカードも魔導具なのでスゥを中に入れている状態だと常時燃料として魔石を消費する。
魔石の安定確保手段が現状存在しないので無駄遣いは出来ないという事でスゥもディメンションルーム内でお留守番と言う事になったんだけど。凄く寂しそうにしている。
ディメンションルームも内部に生き物がいる間は魔石を消費し続けるけど。生き物の数が増えても消費速度が早くなったりしないからな。
ロスがいる時点で魔石は消費するんだからブランクカードの消耗を抑えようという事になった訳だ。
「まぁ、魔石ぐらい直ぐに手に入れられるようになると思うし数日の我慢だよ」
魔物を倒せば手に入る訳だし、適当に飛び回っていればダンジョンの1つや2つ簡単に見つける事が出来るだろう。
異世界だし。地上にも普通に魔物がいる可能性だって有るからね。
逆に魔物が存在しない可能性や魔物の体に魔石が存在しない可能性も考えられるけど。
その時はその時だ。そうなった時、対処法を考えればいいや。
いつまでも話をしていると明るくなって来てしまうので、話を切り上げてディメンションルームから出て移動を開始する。
龍の姿になって、そこそこの高度を飛んで良さそうな街を探す。
龍の姿で2時間ぐらい飛んだので、城を壊しちゃった国からは脱出できただろう。
パッと見た感じ騎士や兵士じゃ無さそうなのに武器や防具を装備している人が沢山いる街を見つけたので、先ずはその街に寄ってみることにした。
「やっぱり一般人っぽいのに武器や防具を装備している人は冒険者的な存在だと思うんだよね。それで、冒険者的な存在が沢山集まるって事は、周囲に魔物が沢山出現するとか街の中にダンジョンが存在するとか。冒険者に稼ぎやすい環境って事のはず」
そう言う街なら俺たちだったら楽に稼ぐことが出来るはずだ。
「問題は荒くれ者が多そうってところね」
「そうだね。腕っ節でお金を稼ぐ人達だからね。全員が全員、そう言う訳じゃ無いんだろうけど。力で黙らせれば良いと思っている連中も一定数存在するだろう。別に絡まれたらボコボコにするだけでは有るんだけど。超絶美人のエルフと見た目全然強そうに見えないガキの組み合わせだからな」
数歩歩く度に絡まれるんじゃないかな?
「絡まれる回数は多くなるだろうけど……
最初に絡んできた連中を見せしめとして徹底的にボコるとか、どう?」
「やり過ぎって事でこっちも怒られそうだし。それは最終手段にしよう。俺としては俺の見た目が誰から見ても強そうなら問題ないと思うんだよね」
ソフィアがいくら絶世の美女だとしても連れの俺が見るからに強そうだったら絡んで来る連中は減る筈だ。
「まさか人間サイズの龍の姿で街に入る気?」
「流石にそれはやり過ぎだと思うから取り敢えず人の姿の状態で尻尾と翼を生やして見ようと思う」
俺のイメージ的のは、アニメとかゲーム出てくる見た目ほぼ人間の龍人っぽい見た目になる予定。
それならただの人間じゃないって見ただけで分かるし絡んで来る人も減るんじゃないだろうか?
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