第334話

「捕まっている仲間の救出中ってなると凄い警戒しているだろうし。今、接触するのはやめておこう。無駄に戦闘する事になるのも嫌だし。とりあえず此処を離れよう人も集まって来るだろうし」


「そうね。ウィーも合流するように指示を出しておく」


龍の姿になって堂々と飛んでこの場から離脱しても良いけど。今回は隠れてこっそりこの場から離れますか。

いたずらに恐怖を煽って敵を増やしたい訳じゃ無いし。


身に纏うだけで透明になれる炎を身に纏ってその場から離れる。


途中西洋鎧を見に纏った集団と何度もすれ違ったけど一度もバレる事も無く建物から離れる事に成功した。


「ここ王都だろうに、なんと言うかボロボロの建物が多いいな。貴族街っぽいところは綺麗だったけど」


「それだけ貴族が好き勝手やっていたって事でしょう」


まぁ、そう言う事だろうな。


本当ろくな国じゃ無さそうだ。


この街から出る程度じゃなくて、この国から出ることを考えないと面倒な事に巻き込まれそうだ。


城を国王ごとぶっ壊しちゃったし。この国の貴族ろくな奴ばっかりそうとか関係なしにこの国にいると面倒な事になるだろうけど。



とりあえず王都から出て少し歩いたところで日が落ちて来たので、今日の移動はここまでにしてディメンションルームを使って休む事にした。


「それにしても、ディメンションルームが手に入っていて本当に良かったわね。タイミング良すぎないと思わなくも無いけど……」


ディメンションルームが無ければ野宿も大変だし、街で宿泊出来ると言っても綺麗な宿に泊まるとなるとかなりお金がかかりそうだし。


それに俺たち現状無一文だからね。


そう考えるとディメンションルームが手に入って無かったら、序盤かなり苦労していたと思う。


そんな魔導具が丁度昨日手に入って設置する為の家具を買い終わった後に異世界に召喚された。そう考えるとタイミングが良すぎる気もしちゃうけど。

流石に偶然だろう……多分。


「取り敢えず。家具を設置していっちゃおう。買っただけで、まだ設置とかしてない訳だし」


最低限ベットとソファーは設置してしまいたい。


フレーム組み立てるタイプの物では無いのでマジックバッグから取り出して、起きたい場所に置くだけで終わりだから時間はかからない。


ベットとソファーに加えて組み立て等が必要無く、直ぐに設置できるものをテキパキと部屋に設置していく。


「あっ。食べ物を持ってない……」


リーリンさんに時間停止機能が付いていて容量も物凄く大きい腕輪型のマジックバッグを返してから、俺が持ち歩いていたフィロの育てた果物等食べられる物は家の食べ物専用になっているマジックボックスに全部入れてしまった。


つまり、食べられる物を何一つ持っていない。


「そう言えば映司、家のマジックボックスに全部仕舞ってたわね。私はドライフルーツとかクッキーぐらいなら入ってるけど……」


明日は食料を確保する事から始めないと行けないな。


と言っても異世界で食料確保とかかなり危険が伴う気がするんだけど。


例えば地球の人参そっくりな野菜が自生していたとして、見た目が人参だからって食べたら猛毒を持っていたとか。

そう言った事が起きないとも限らない。


鑑定モノクルで確認すれば食べて大丈夫かどうかぐらい分かるかも知れないけど。

異世界の物を正確に鑑定出来るのかって問題もあるしな。


俺が情報を知りたいと思ったものを解析して

その解析結果を表示しているなら、異世界でも使えるだろうけど。

予め地球に存在する物の情報を鑑定モノクル内に保存してあって、その情報を開示しているタイプなら異世界では使い物にならないだろう。


これに関しては実際に使ってみないと判断が出来ない。


「地球に生きる人がこんな世界あったらいいなと言う想像が集まって出来た世界なら魔物だったり冒険者ギルドが存在するだろうし。そこまで深刻に考えなくても何とかなるでしょ」


ソフィアの言うことにも一理ある。


この異世界でも人が生きているんだし、2人分の食料ぐらい確保出来るだろう。


ドライフルーツやクッキーを食べたら、少し早いけど。今日は寝る事に。

見張りは要らないだろうけど。一応ウィーとスゥにしてもらう。


インターホンに映像出力用の線を繋げる場所があったので、そこそこのサイズのディスプレイを繋げて付近の映像を流し続けるようになっているので、周辺を不自然に歩き回る生き物がいないか確認する感じだ。


異空間に存在するこの部屋に何らかの方法で侵入しようとする連中はいないと思うけど。

絶対じゃないし、そう言うケースに関しても警戒してもらう。


流石にそんな事が起きたら俺も気づいて目を覚ますと思うけど。


それにしても雷太かフィロどちらかがいてくれたらな。


ウィーはいつも一緒にいるし。スゥもソフィアが出かける時はブランクカードの中に入って一緒にいるから。

異世界に一緒に召喚されている。


それに対して雷太もフィロもやりたいことを自由にやらしているからな。まぁ、ダンジョンの管理も有るからってのも有るけど。


特にフィロが入れば食料について心配する必要は無かったろうからな。


うーんなにか忘れている気がするんだけど……まぁ、いっか明日は早めに移動を開始する予定だし早く寝よう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る