第88話

「ワイバーンの牙って一番必要ない素材じゃん」


予定通り朝から桜島ダンジョンに入って復活していたフロアボスのツインヘッドファイアーワイバーンを倒す。


今回は魔石だけではなく追加で牙をドロップした。


でも俺の牙の完全下位互換でしか無いんだよな。

ってな訳でまじで要らない。


と言っても捨ててくのはもったいないので持って帰るけど。


6階層に降りて機能スプレーで作った線を目印に7階層に向かうスプレーを使って線を上書きするのを忘れないようにする。

24時間は消えない印だけど逆に言えば24時間経ってしまうと消えてしまう。

更新できる時に更新して時間を伸ばしておくべきだろう。


特に昨日遭遇しなかった魔物と遭遇することなく階段に到着した。


「迷わないようにスプレーで線を作りながら進むから飛んで移動することができないし本当厄介」


7階層をスプレーで線を作りながら進む。


「おっ!蛇」


足に何かが突っ込んで来た衝撃を感じたと思ったら頭部に大火傷を負って、のたうち回ってる白蛇を見つける。


俺と雷太に気づかれずに接近して不意打ちを仕掛けたのは良いけど。

バーニングソウルで体温を上げていたので白蛇が逆に大怪我を負う事になってしまった。


それにしてもなんで足?もっと首を狙うとか一撃必殺を狙うものだと思うんだけど。

こう言う不意打ちに全てをかけるタイプは。


もしくは猛毒を持ってるタイプとか1度噛みつきさえすればその毒で殺せるからわざわざ首を狙う必要ないって感じ。


念の為噛まれてないか確認してみたけどズボンすら貫通してないので問題ないだろう。


折角だし鑑定しておくか。


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スノーホワイトスネーク


低温にも適応し冬眠せずに活動できる蛇。

白い蛇皮は雪に擬態するのに最適で気配だけではなく魔力を隠蔽する技術も持っている。


かなり強力な神経毒を持っているため。

不意打ちで噛まれないように注意が必要。


BP2140



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神経毒か。もし噛まれると全身が動かなくなって呼吸困難で死亡とか?


やっぱ毒って怖えー

噛まれなければ大丈夫なだけ優しい方か。

毒を飛ばしてきたりする魔物だっているだろうし。


そんな事より魔力の隠蔽か。

これもかなり厄介な能力だよな。

魔力の隠蔽を看破する能力を手に入れたいところだけど。

魔力視を鍛えれば隠蔽されてても見えるようになるかな?

と言っても魔力視の鍛え方なんて知らないしな。

そこら辺はリーリンさんに聞くのが一番早いか……


あんまり頼りすぎるのも見限られそうと思いつつ結局頼っちゃうんだよな。


できるだけ一方的に頼る事にならないようにちゃんとお礼を考えないとな。


それにしても……


「竜って爬虫類以下?」


寒さに適応した爬虫類出てきちゃったし。


一方雷太は俺で暖をとりながらこの階層を進んでいる。


「寒さへの耐性と言う点では負けを認めるっすけど。戦えば俺の方が強いっすから爬虫類以下なんてことないっす」


まぁ、それもそうか。


何故か爬虫類推しの7階層を探索する。


スノーコモドドラゴンとか雪イグアナとか爬虫類としか遭遇していない。


「って思ってたら今度は羽毛恐竜か」


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スノーティラノ


羽毛が生え寒さに適応したティラノサウルス

羽毛が生える過程で爬虫類より鳥類に近い存在に変化した。



BP4450


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「これ廣瀬さんに報告したら大喜びだろうな。と言うか雷太はこいつの事知らなかったの?」


流石に溶岩湖でカメラを出すことは出来なかったけど、ここならまだ現実的な温度だしカメラを取り出してスノーティラノの写真を撮影する。

マイナス40℃まで使えるって説明書にも書いてあったし。


この写真は後で廣瀬さんに見せてあげよう。


鳥類に近いって言ってるしコレなら廣瀬さんもテイムできるだろう。

スノーティラノの進化前を廣瀬さんにテイムさせることも出来たんじゃない?


「俺も初めて見る魔物っす。中位ダンジョン以降のダンジョンマスターは新種の魔物を創造することもできると聞いてるっす。きっとスノーティラノも創造された新種だと思うっす」


中位ダンジョンになるとそんなことまでできるようになるわけか。


噛み付こうとしてきたスノーティラノにアッパーを食らわせて吹っ飛ばす。


敵に拳が当たった瞬間に拳を止めるという事を習ってからパンチしても敵に腕が突き刺さっちゃうという事も無くなった。


スノーティラノは背中から地面に落ちる。

雪の上に落ちたので地面に落ちたことによる衝撃はそこまで無かったようだな。


と言っても俺のアッパーで頭蓋骨が粉砕骨折して大ダメージを受けてるみたいだけど。


このまま倒れるのを待つのもあれなので、トドメを刺してあげる。


ドロップはなんと!欲しいがっていた肉だった。

肉は5キロぐらいかな?

と言うか恐竜の肉か美味しいのかな?


多分不味いことはないだろう。


肉がドロップしたし今回の探索はここまでだな。

1回家に帰って調理して貰おう。

魔石で動く冷蔵庫を取り出して肉をしまう。

切らないと入らないかなって思ったけど天板を外せば切らずに入れることが出来た。


時間経過が外と変わらないマジックバッグなら魔導具を起動させた状態で収納できる事に気づいたので、冷蔵庫に肉を入れて冷やしながら持ち帰ることができる。


転移結晶で一気に桃源郷まで帰ればこんなことする必要ないけど。

それをすると転移結晶について説明しなきゃいけなくなるので、普通に新幹線で帰るので鮮度の維持は重要だ。



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読んで頂きありがとうございます。

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