第65話
「ようやく、やっとゆっくりできる」
会見を終わらせて外が少し落ち着いてからいつものバンで家に送って貰う。
「今回に関してはかなり嫌な思いをさせちゃったし。日本政府もかなり同情している人が多いから最初話してた報酬より多く渡せると思う」
お金が増えるのは嬉しいけど。税理士雇わないとめんどくさい金額になってるんだよね。
税理士ってどう選べばいいんだろう。
母とソフィアに早めに税理士を雇った方がいいとは言われてるんだけど。
ダンジョンから手に入るものは高価で取引されるものが多くなるだろうし。結果 、税理士の需要が上がって後になって焦って税理士を探すといい人は軒並み「もう既に仕事がいっぱい」と断られると言われた。
2人の言い分は最もだし俺も探そうとは思ったよ?でも、16歳高校生に良い税理士なんて判別つかないよ。
ソフィアも日本の税理士は知らないって当然のこと言われたし。
母も父も税理士なんてお世話になったことないって役に立たなかった。
いっその事いま河村さんに相談してみるか。
「河村さん信用出来る税理士の知り合いとかいません?」
「あ〜確かに映司くんの稼ぎを考えると税理士が必要か…私の学生時代の友人でいいなら1人紹介できるけど」
まぁ、ここで変な人は紹介しないだろう。
「じゃあその人に1度会ってみたいので紹介していただけますか?」
「分かりました。とりあえずその友人に連絡をしてみます」
これで税理士問題は何とかなりそう。
「有難う御座います。それと2人のことですが……」
流石に2人を止められる程、家は広くないので2人ともSCSFで保護して欲しいんだけど。
「ジャンさんはこちらで保護するけど。リーリンさんに関しては映司くんの方で保護して欲しい」
やっぱりそうなる?正直 、俺より強いリーリンさんを近くにおいておくなんて勘弁してくれって感じだろうな。
「私は嫌だと言っても映司の所に行くがな」
最初っから選択肢はないと。
「泊めて貰う分しっかり代金は払うぞ。物納になってしまうが」
リーリンさんからは逆に物納の方が嬉しいかもしれない。
色々溜め込んでそうだし。
「そう言えばリーリンさんみたいな太古からダンジョンマスターをしている存在がまだいるらしいですよ。しかもリーリンさんの知る限り日本にも1人?いるみたいです」
このことを伝えてなかったなと思い出して伝える。
河村さんはこめかみに手をあてて黙ってしまったけど。
「とりあえず。ひと段落したらその人に会いに行ってみようと思います。後E国にもあるらしいのでそれはソフィアを通じて教えるつもりです」
河村さんが頭を抱えるのもわかるけど報告しない訳にはいかないし。
その後は家につくまで少し眠らせて貰った。
「風魔さん、田原さん今回は大変でしたけどみんな無事に帰って来れて良かったです。また機会があったら一緒に仕事しましょう。じゃあリーリンさん行きますよ」
車から降りて家に入る。
「ただいま~。居候が増えました」
「おかえり~例の仙人ちゃんね」
リーリンさんは母さんに任せてソフィアに会いに自分の部屋に帰る。
「ただいまソフィア」
「おかえり映司。ねぇ映司って小さい子の方が好きだったりするの?」
「いや、ソフィアとリーリンさんだったら100:0でソフィアの方が好みだよ」
「ほんと?」
「ほんと」
いや流石に見た目少女をリアルで恋愛対象にするのは無理があるって。
「リーリンさんはただの協力者。それ以上でもそれ以下でもないよ」
結局この後30分ぐらい抱きしめて頭をなでなですることでようやくいつものソフィアに戻った。
「ソフィアお嬢様は心配しすぎなんです」
「だってここ数日、ほんとにただ同じ部屋で寝るだけなのよ?それに加えて新しい女を家に連れて来るなんて。私に興味が無いのかなって」
あ〜結構我慢してたんだけど。 そんなこと言われたらもう我慢出来ないよね。
ソフィアをお姫様だっこして布団に連れていく。
「いやー遮音結界返し忘れててよかった」
ホテルから出る時にとりあえず俺のマジックバッグに入れてたんだけど、ちょうどよかった。
親に聞かれたら嫌だし。
風魔さんと相談して俺の持ってる魔導具と交換してくれないかな。
もしくは闘技場で遮音結界が出るまで粘るか。
空気を読んでクラリスさんが無言で部屋を出ていく。
部屋の鍵をかけてソフィアがまっている布団に向かった。
~次の日~
「おはようございます。大丈夫ですか?」
「ちょっと体がダルいけど。もう少しすれば起きれると思う」
ちょっとハッスルしすぎたなと反省。
それと布団どうしよっか……
長いこと使ってきた布団だし、この際新しいのに買い換えるか。
とりあえずお風呂に入らないと
遮音結界を使ってたけど。そう言うことをしたって言うことはバレバレで俺はリーリンさんと雷太に弄られることに……
雷太に関しては完全にただの嫉妬なのでどうも思わなかったんだけど。
リーリンさんとは1度拳で語り合う必要がありそうだ。
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