第137話
「良かった。ここに戻って来てたのか」
「透明になってここに戻って来ただけですからね。そっちは大丈夫ですか?」
「騒いでたけど。元々、映司くんの撮影は無しって話だったのにそれを破ったのはあっちだしね。護衛に参加してもらうだけでも無理言ってるのに……。まぁ、黙らせたから安心して」
河村さんが大丈夫って言うなら一先ずは安心しておこう。
それでも、もし何かしてくるようならネットで炎上させてやろう。
河村さんなら、俺は映らないところで影から護衛するって話だけで、終わらせないでしっかり書面に残してるだろうし。
ボイスレコーダーとかで会話も録音してるんじゃないかな?
それを俺がネットに流すだけで勝手に大炎上してくれるだろう。
「正直、テレビ局側はどうでも良いんですけど。もし、俺がついて行かなくてテレビ局側に死人が出たらSCSFのせいにされちゃいますよね?」
元々は政治家とずぶずぶでゴリ押しで今回の撮影を許可させたテレビ局が悪んだけどね。
世の中平等ではないからな。
「テレビ局はそうなるように誘導するだろうね。まぁ、そう簡単にさせるつもりはないけど」
SCSFだって迷宮省直轄組織なんだから、政府の役員だし。いくら政治家の味方がいるって言っても、テレビ局に勝ち目はないだろうな。
まぁ、やり方次第だとは思うけど。
「それでなんですけど。ちょっと試したいことがあって、ちょっと幻覚で別人に見えるようにして付いて行こうかなと」
色々な効果のある炎を作り出してるけど。
それぞれ何処まで出来るのかそこまで実験出来てないんだよね。
エリックさんで実験した時は幻覚を見せる炎はその炎に触れてる人に幻覚を見せると言う性能にしたけど。
今回はその炎を見た人に幻覚を見せると言う性能で使って見ようと言う感じだ。
「表向きには映司くんは来てないけど、他人のフリをして付いて来てくれるってことで良いのかな?」
「そいうことです」
「それは有難いんだけど。炎を使ったりしたら映司くんだってバレちゃうんじゃないかな?」
ファイアーボールとか言って火魔法を使っているふりをすれば大丈夫なんじゃない?
とは言え全く違う戦い方をした方が安全か…
「SCSFに渡した魔石を燃料にして魔力弾を発射する魔導銃が有りますよね?あれのハンドガンタイプをまだ持ってるので、それを使うことにします」
使うことはないかなと思ったけど、全部渡さないで取っておいて良かった。
魔石が勿体ないけど。後日、魔石集めすればいいだろう。
魔石の質関係なく、1発撃つ度に魔石を1個消費するのでかなりの魔石食いだ。
弱くて数が多い魔物の魔石を使うと効率的だよね。
SCSFや自衛隊に渡したのはサブマシンガンとかマシンガンとか連射がきくタイプなので、どこのダンジョンで魔石を確保しているか聞いてみるのも良いかもしれない。
連射ができようと魔力弾1発につき魔石を1個消費するからね。
消費が激しいと言うレベルじゃないはず。
「なるほど。それなら確かに映司くんとはバレないかな」
最悪バレても別に良いかなとは思っているけど。
「それで、いつになったらダンジョンに入るんですか?」
「まだまだ時間がかかると思うよ。まぁ、向こうは直ぐに入りたがってるけど。今の状態でダンジョンに入ったら絶対に死人が出るからね。撮影班を含め、ゲーム気分な人が多いのが厄介だよ」
ダンジョンに関しては一回経験しないとゲーム気分が抜けることは無いんじゃないかな?
もしくは俺が本気で殺気を飛ばす。
それぐらいの生命の危機を感じさせればゲーム気分も抜けるかもね。
俺は初めて戦ったのがスキルを使って大量殺人をした殺人犯とだったからゲーム気分になんてなれなかったけど。
「その為にこっちが怪我をするのはな〜」
まぁ、確かに。
「それに関しては頑張るしかないですね。死ななきゃポーションで治すので」
個人的には1度ぐらい腕を斬り落とされる経験をしておいた方がいいと思う。
というよりかダメージを受けた時に、動きが鈍らないようにダメージを受けるのになれた方が良い。
動きが鈍らなければ致命傷で済んだのに、ダメージを受けて動きが止まったせいで殺されちゃうってことも有るだろうし。
ポーションがあれば致命傷なら何とかなるからね。
確実に狂人扱いされるから思うだけで言わないけど。
ポーションも最低でも2級のものが必要だからね。
俺は闘技場でいっぱい集められるから気にしないけど。
「まぁ、仕方ないか。まだ時間があるし。例のオークションの話を少ししていいかな?」
まだ、いつ開催するのかとか聞いてないことだらけだからな。
そう言えばオークションで思うだした。
浄玻璃鏡レプリカを渡してなかった。
あれは死者の記憶を覗き見れるスキルを持っている人専用のアイテムらしいし、そう言うスキルを持っている人が所属しているSCSFに渡そうと思ってたんだけど。武器だけ渡して満足しちゃってた。
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