第452話
「はぁ…なんか余計な事させられて疲れた」
薬物乱用防止教室の教師役として現れた元部下が不純な動機でやる気を出した結果
空回り。
流石に空回りしたまま終わらせるのは可哀想だったので俺が助け舟を出して上げることになった。
俺は普通に学生として学校に来ただけだったのに……
「それにしても。ダンジョンで入手できる禁止薬物及び材料の話なんて資料もなしでよくあんなペラペラ喋れたな」
「そりゃだって、俺が発見、報告したものを沢山あるもん。それに、ものによっては一瞬匂いを嗅いでしまっただけで頭がパーになる植物とか天然のトラップとして自生しているダンジョンとかもあるし。そう言った薬物指定されるようなダンジョンで手に入る物の知識は持っておいて損はないよ冒険者ならね」
見た目はただの雑草にしか見えないのにとんでもない薬物の素材で燃やした煙を吸ってしまうと短時間では有るがハイになって平衡感覚が失われてしまう植物とか危ない植物が意外と普通に生えてたりするダンジョンもある。
厄介なのは、中途半端なレベルの鑑定ではその情報が表示されない事も多い。
見た目が雑草で鑑定結果も何かに活用出来るような事はないと出ている。
そんな植物わざわざ燃やすか?と思うかも知れないけど。
魔物との戦闘中にうっかり燃やしちゃったりとかそう言う意図せず燃やしてしまう事はあるだろう。
そう言う時に正しい知識を持っていないと酷い目にあってしまうという訳だ。
まぁ、俺も植物のプロであるフィロにそうやって教えて貰ったんだけどね。
どちらかと言うと。そんなの気にせず、どんどん燃やしている側だし。
「確かに知らなかったで死にたくないしな。最近ちょっと感覚が麻痺してたかも知れない……SCSFの資料読んで知識の更新をしておかないと」
勝彦は従魔が2体に青木さんとダンジョンに何度も行くうちにダンジョンは危険なところと言う感覚が薄まっていたようだ。
冒険者はいつだって自分の命を賭けてダンジョン探索しているって言うことを忘れないようにしないとね。
……結構ブーメランな発言ではあるけど。
勝彦の為になったのなら良かった。
「それじゃ。今日俺は予定があるからそろそろ帰る。また明日」
「ほいほい。またあした〜」
今日は体育館を借りている日で。この後、ワイバーンの赤ちゃんたちを連れて行って体育館で遊ぶ事になっている。
帰るのが遅くなるとワイバーンの赤ちゃん達に文句言われそうだからな。
ーーーーーーー
自宅に帰ってきて既に準備バッチリのリンゴに早く行こうと詰め寄られたけど。もう少しだけ待ってとお願いして桃源郷にクラーケンの解体状況を確認しに行く。
クラーケンの解体は3分の2程度まで終了していた。
解体が終了している部分の中で神々の宴会に持っていかない部分をディメンションルームのマジックボックスに収納だけして、体育館に行くのを楽しみにしているリンゴのところに戻った。
「古池さんも今日はよろしくお願いします」
ソフィア達が会社の備品として購入したんだろうなって感じの超本格的なカメラや撮影機材が沢山入っているであろうバックを持った撮影班として参加している古池さんに話しかける。
「任せてください。これも仕事ですからね」
ダンジョンを攻略している状況や従魔と何かしている状況を投稿する人は増えて来た。
テイム系のスキルを所持している人は全世界で凡そ1000人ぐらいと言われている。
なので従魔の動画ってのも意外と多くの人が投稿している。
まぁ、弱くてテイムしやすいけど育てると凄く強くなる。そんな魔物が都合よく沢山いる訳も無く。
ダンジョン攻略で活躍するような従魔をテイム出来た人は数十人ぐらいかなってところだ。
この数人ってのは俺が知っている情報中ではって話だから上手く秘匿している人もいるかもしれないけど。把握出来ていない人がいたとしても多くて数人だろう。
話がだいぶズレちゃったけど。何が言いたかったかと言うと数ヶ月前と違って取り敢えずダンジョンに入っている様子を録画した動画をそのまま投稿したって大した再生数は取れない。
再生数を稼ぎたいならダンジョン探索も従魔と一緒に撮る動画もしっかりとした工夫が必要だって事だ。
その工夫の部分で古池さんは大活躍する。
ニートなんかしてないで大手Dtuber事務所に編集スタッフとして応募してたら普通に採用されてたんじゃないかな?って思うレベルの腕前だし。
まぁ、俺としてはニートでいてくれたおかげでソフィアの会社に雇う事が出来た訳なので、俺的には古池さんがニートでいてくれた方が都合が良かったのは間違いない。
「待たせた元凶が言うのもあれですが。そろそろ行きましょうか」
と言ってもまだ体育館じゃなくて、今から行くのはSCSF本部だけどね。
ワイバーンの赤ちゃん達を迎えに行かないといけないし。
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読んでいただきありがとうございます。
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