第483話

「ん?毒を摂取して死んだか…」


アニメとかでよく見る敵に捕らえられたときに情報を与えないための歯の中に毒を隠してあったってやつか。

リアルで始めてみた。


「まぁ、死んで直ぐにだったら普通に蘇生できるから意味ないんだけどね」


魂と肉体が分離する前なら簡単に蘇生できるので、直ぐに聖炎を使って忍者の体内にある毒を除去、蘇生する。


「お~い。起きろ〜」


忍者の頬をペシペシ叩き目を覚まさせる。


「なっなんで生きてっ土蜘蛛の毒を摂取したはずなのに」


土蜘蛛の毒って名前だけで強力そう。

まぁ、俺の前では無意味だけど。


「そういう言うの無駄だから。大人しく話を聞かせてね……と言っても大人しく言う事を聞いてくれないだろうから…」


そう言って忍者の顔の前に人差し指を立てた状態で右手を近づけ指先からでる炎を見せる。


神相手にしか使えない〈精神支配〉に比べたら効果は薄いが、体を動かせなくしたり。

俺が質問したことを何でも正直に答えさせるぐらいは余裕だ。


流石に初手で、そこまではしないけどね。


今のところは取りあえずは自殺に繋がる行動の禁止程度だ。


ぶっちゃけ、限られた一部の人しか知らない情報とかじゃなくて、町の人なら誰でも知っているような情報で良いんだけどな。

ただ情報収集するならミニ地球ちゃんが一瞬でしてくれるし。


態々こんな事やってるのは情報収集より俺たちに下手に手を出したら容赦しないよ?という脅しの側面が大きい。

だからこそ、敢えて派手にというか脳筋的な

オハナシをしているところもある。


まぁ、情報ゲロってくれるなら、それはそれで

大歓迎だけど。


「サスケは期待の新人でのぉ。敵じゃないと言うなら拘束を解いてくれんか?」


「いいですよ。ただ話が聞きたいだけなのに逃げようとするし。最終的には毒まで飲み始めたから、こうしているだけですし」


ようやく周囲でちょこちょこ動き回っていた、お仲間がようやく大人しく出てきたか。


暗器やら忍術?やらでこっそり俺の事を殺ろうと色々してきたけど。

全て片手間で適当にあしらってたら諦めて出てきたな。


まぁ、忍者達からしたら自分達の攻撃に俺は何もしてないどころか気付いてすらいないのに一切効いていないように見えてただろうし。

毒を使って自害した忍者を強制的に蘇生しているところも見ていたし。

情報をゲロらないように捕まった仲間を殺して口封じするのも無理だと思ったんだろう。


「それはそうと。俺の連れに手を出して痛い目にあったみたいだね。確かにソフィアは俺に比べたら戦闘力低いけど。君達程度がどうにか出来る程弱く無いよ」


忍者を捕まえるのにソフィアは置いてきたから。

こっちを人質に取ればとか考えたのかも知れないけど…


ソフィアだって人類だけで考えるなら普通に上澄みだし。

ウィーにスゥ、ヴァルムもいるからな。


ヴァルムに関しては回復能力特化で戦闘力は殆ど無かった筈なんだけど…


回復能力を使って戦い始めたからな…

実体化したって実際のコーンスネーク程度のサイズしか無いから、自分を回復しながら物理で戦うってのも出来ない。


だからって回復能力をあんな使い方するのはちょっと予想外というか……


アニメとか漫画でそういう回復系の能力の使い方をして戦うキャラは偶にいるけど実際に見ると結構えげつない。



「………」


「君達の行動がバレてないと思った?それこそ俺達の事を舐め過ぎだよ」


自分たちがソフィアを人質にしようとしていたのはバレてないと思っていたらしい。

想定外過ぎてお爺ちゃん忍者が黙っちゃった。


「さっきも言ったけど。別に敵対するつもりは無いんだまぁ、ちょっと手荒なことしたって自覚はあるけどね」


まぁ、地球と違ってこれぐらいしておかないと

特異な俺達は色々絡まれそうだし後悔はしてないけどね。


あっそうだ。捕まえてる忍者の拘束を解かないとね。


「この町について聞くのはちょっと難しそうだね。なら、俺はここらへんで失礼させてもらうよ」


これ以上会話しようとしてもグダグダになるだけだろうし、今後余計なちょっかいをかけられないようにするための警告って目標は達成してる訳だからこれ以上を求める必要はない。


「あっ。そうそう、俺達は手を出されなきゃ特に何かするつもりは無いけど。手を出されたら容赦するつもり無いからそこんとこ宜しく」


忍者なら、自分が忍者とバレないように自然に町に溶け込んでそうだし。

良い感じに俺達の情報を噂として流して面倒な連中が手出ししてこないようにするとかしてくれないかな。


逆に興味を持って俺達なら大丈夫とか考えて襲いかかってくる奴らも出てきそう…


その時は後悔する暇すら与えずに御退場してもらうだけだし。大した問題ではないか。


「あっ、思い出した。最後にもう一つ。俺が宝石を上げた獣人の男の子何だけどさ。バレないようにこっそり守って上げて欲しいんだよね。報酬は前払いで出して上げるから」


俺が考えている以上に宝石の価値が高そうだからな。

そんな物を普通の子供が偶然手に入れたとなれば、良からぬことを考える奴が必ず出てくる。


そういった時に男の子が酷い目に合うことが無い用に出来ることはしておかないとね。



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地球「ファンタジーアップデートを開始します」 塩分過太郎 @rinyo89340141

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