第121話
朝霧高原にあるダンジョンはサバンナのようなフィールドが広がるダンジョンで最初の方の階層はサバンナに生息する 、草食動物系の魔物がメインで出現する。
階を進むとライオンを初めとした肉食動物系の魔物が増えていくと言う感じらしい。
今回の目標であるダチョウの魔物は草食系なので、浅い階層で遭遇できる。
と言うか1階層目から普通にいるらしい。
ただし、遠距離攻撃をほぼ100%の確率で躱すし逃げ足も早く、討伐できたケースは少ないと言うのが河村さんの話だ。
遠距離攻撃を躱すって個人的にはダチョウよりエミューのイメージなんだけど。
まぁ、飛んで追いかければ逃げられないだろうし。遠距離攻撃も爆発とか広範囲の攻撃をすれば躱しきれないだろう。
足が早くて近づくのが難しくて、遠距離攻撃は高確率で躱すので倒すのが難しいだけで、数はそれなりにいるみたいだし、問題なく肉を手に入れられるだろう。
「ほんとに首の部分の毛が真っ青。あそこまでいくと目立つな」
ダンジョンの中に入ってすぐお目当ての魔物ブルーネックを見つける。
首の部分の毛が青色になってるのが特徴のダチョウなので、そのままブルーネックという名前みたいだ。
「あれはもう自分の意思で避けてるんじゃなくて、スキルが発動してオートで回避してる感じだな」
ブルーネックはどれだけの回避性能かなと熱線で攻撃してみると。
ブルーネックが1匹分、瞬間移動レベルで移動して熱線を回避した。
ただ、ブルーネック自身も回避したことに驚いてるので自分の意思で回避したんじゃないっぽい。
となるとスキルで自動回避してるんだと思うけど。
いいな〜そのスキル遠距離からの不意打ち対策にもなるし。
「と言うか。想像以上に逃げ足が早いな。もう見当たらないんだけど…」
さっきまでどこから攻撃された!?って感じでキョロキョロしてたのに、ちょっと目を離した隙にブルーネックは姿を消していた。
「走って逃げたって感じじゃないと思うのだけど…」
俺が目を離したのは数秒程度。3人全員がブルーネックから目を離した瞬間なんてほんとに0.0何秒程度だろう。ソフィアの言う通りそのタイミングで走って俺たちの視界外に逃げるのはかなり難しいんじゃないかな?
そう考えると転移で逃げてるか、気配を消して透明になってたりとか。
そう言った感じの方がまだ現実的な気がする。
「こりゃ逃げられるわけだ」
熱線だってそれなりに速度のある攻撃だったのに避けられたことを考えると、単体狙いの遠距離攻撃で倒すのは難しいだろう。
近接攻撃でどうにかしようにも、近づいている間に逃げられるだろうし。
「本当に数はいっぱいいるんだな」
実験は終わったし、次のブルーネックを探すと一分も掛からずに次のブルーネックを見つけることが出来た。
ブルーネックはスキルを使って遠距離攻撃を回避するけど、回避した瞬間に攻撃すれば回避できないんじゃないか?と思ってまずはさっきと同じく熱線で攻撃してブルーネックが回避した瞬間ブルーネックの真横で熱線を爆破させる。
「回避発動中にさらに回避スキルを発動させることできるのかよ!」
結果爆発も回避されてしまった。というか爆発範囲半径5mの円形で設定したのにそれも普通に回避しやがった。
普通に転移だよね?やっぱり。
「やっぱり転移で逃げてるってことか」
ブルーネックが転移で爆発を回避したあとあえて何もせずにブルーネックを観察していると、一瞬でブルーネックが消えた。
転移で別の場所に逃げたんだろう。
「転移を使う魔物なんて1階層にいていい魔物なの?」
「ソフィアの言うことも分からなくもないけど。攻撃を避けることと、逃げることにしか使わないからね。攻撃自体してこないし」
ダンジョン側が冒険者をただイライラさせるために用意しました感がすごいもんな。
無視すれば特に問題ない魔物だけど普通はドロップ率が低いのにブルーネックは肉をドロップしやすいからと、多くの冒険者が挑戦してやっぱり倒せなくてイライラするみたいな?
実際はしっかりとした倒し方があってブルーネックは冒険者を呼び込むためのボーナスモンスターって可能性もあるけど。
幸い失敗しても次はすぐに見つかるので、どんどん挑戦することにしよう。
最終手段は大江山ダンジョンでやったみたいに憤怒を使ってダンジョン全体を攻撃しよう。
あの時よりは控えめにしないとドロップ品ごと燃やしちゃうことになっちゃうから注意だけど。
と言ってもダンジョン内の温度を自由に上昇させるんじゃなくて、体温の上昇させて周りの温度も上昇させる感じだから加減がわからんないんだよね。
バーニングソウルの時と同じように周りの温度は上昇させないようにもできて助かった。
もし、それが出来なかったら完全に死にスキルになってたし。
ともかく、もっとスマートな方法を考えよう。
まだまだ時間はあるんだし、ブルーネックもいっぱいいるし。
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